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プランターで野菜栽培を始めよう! 基本の育て方やおすすめ野菜をご紹介

  • 2023.5.17

「プランターで野菜を栽培してみたい」と思っている方は多いのではないでしょうか。地面がなくてもできるプランターや鉢を使った「プランター菜園」の基礎知識からメリット、おすすめの野菜までをご紹介します。きっとプランター栽培のノウハウが身につき、実際にチャレンジして野菜を収穫するまでのイメージが持てるようになるはずです。

プランター菜園の基礎知識

プランター菜園
vaivirga/Shutterstock.com

「野菜を育てるには、庭や畑を持っていなければ無理だろう」と最初からあきらめている方も多いのではないでしょうか。でも、プランターでも栽培できる野菜の種類はたくさんあるんです! 容量が大きく土がたっぷり入るプランター、土、肥料、育てる野菜の苗、または種子を準備すればOK。日々の水やりや肥料の施し方、それぞれの野菜に応じた管理のテクニックなど、植物を育てる基本さえ押さえれば、プランター栽培でも野菜を収穫する喜びを味わえます。

プランターで野菜を育てるメリット

「どうしてわざわざプランターで野菜を栽培するの?」と疑問を感じる方もいるかもしれません。ここでは、プランターで野菜を栽培するメリットについてご紹介します。

天候や病害虫の被害を受けにくい
プランター菜園
yoshi0511/Shutterstock.com

畑や庭で野菜を栽培する場合、長雨や台風、また病虫害の大発生などによって被害を受けることがあります。しかし、プランターなら、雨や強風を避けるために移動して難を逃れることができます。またベランダなど生活の場のすぐ近くに置けば、病虫害が発生しても発見しやすく、早期に対処できるというメリットもあります。

気軽に野菜作りを楽しめる!
ベランダ菜園
Production Perig/Shutterstock.com

ベランダやテラスなどにプランターを置けば、リビングからすぐに様子を確かめに行ける気軽さがあります。特に野菜の成長スピードは速く、植え付けから収穫まで頼もしく生育する姿を楽しめ、その生命力に癒やされるというメリットも。最終的には収穫して、手をかけて育ててきた野菜の新鮮なおいしさを味わう喜びも得られます。

プランター栽培の基本の野菜の育て方

ここでは、プランターで菜園づくりを楽しむための基礎知識を詳しく解説します。植え付けや種まきから、管理、収穫までの道すじがしっかりと見えてくるはずですよ!

プランターを選ぶ
プランターの選び方
kasarp studio/Shutterstock.com

プランターには小型から大型まで、さまざまなサイズが揃いますが、育てる野菜に合わせて大きさを選ぶことが大切です。アサツキやラディッシュ、コマツナやホウレンソウなどの葉菜類は標準的なプランターでOK。ジャガイモやニンジン、カブ、ダイコンなどの根菜類は、深めで大型のサイズを選ぶようにしましょう。根菜類の場合は、プランターでも容易に栽培できるミニサイズの品種を選ぶことも大切です。トマト、ナス、ピーマンなどの果菜類は、深さが30cm以上ある、大型の10号鉢以上を選ぶとよいでしょう。鉢の素材は特に選びませんが、大型のプランターの場合は、軽くて移動がしやすいプラスチック製がおすすめです。

土を選ぶ
土を選ぶ
Adamov_d/Shutterstock.com

プランターで野菜を栽培する場合、野菜用にブレンドされた培養土を使うのが便利です。ただし、野菜によって好みの土壌酸度が異なるので、育てたい野菜に適したpH値のチェックは欠かさずに。必要な情報が培養土のパッケージに記載されているので、よく確認するとよいでしょう。連作障害が出やすい野菜も多いので、古土の使い回しはせず、新しい培養土を使うことが、成功への近道となります。

プランターを設置する
プランターの置き場所
ChiccoDodiFC/Shutterstock.com

野菜をプランターで栽培するなら、置き場所は日当たりと風通しのよいベランダやテラスが理想です。ただし、午前中のみ日が当たる東側のベランダでも、十分生育します。また、プランターにキャスターをかませておけば、日当たりや風通しのよい場所を求めて楽に移動することも可能です。ベランダや屋上の床にプランターを直置きすると、床からの熱の影響を受けやすいので、脚やプランタースタンドの上に置くとよいでしょう。

種子を播いたり苗を植える
植え付け
Kimichan/Shutterstock.com

野菜の種類によっては、苗の植え付けからスタートしたほうがよいもの、種まきから始める必要があるものなど、さまざまです。特に根菜類は、生育の途中で移植すると根が変形したり、生育が止まったりする場合があるので、種まきからスタートするのが鉄則。葉菜類は、種まきして間引きながら育てるのが基本です。果菜類は、種まきからスタートすることも可能ですが、温度管理などの手間がかかるので、苗の植え付けから始めるのが一般的。植え付けや種まきの適期は、野菜の種類によって異なるので、必ずチェックしておきましょう。プランター栽培では、植え付け後の水やりを忘れずに。特に乾燥しやすい夏は、朝夕の水やりを欠かさず行ってください。

防虫害対策を行う
防虫対策
Itsanan/Shutterstock.com

野菜には、病虫害の発生がつきものです。でも、せっかく自分で育てるのですから、薬剤を使うのは避けたいですね。そこで、防虫ネットを張って物理的に虫が侵入するのを防ぐ方法がおすすめ。しなるタイプの支柱をアーチ状にプランターに2本以上セットして防虫ネットを張り、洗濯バサミで閉じればOK。特に幼苗期と、葉物野菜には効果的です。病気に関しては、こまめに茎葉の状態をチェックして風通しよく管理していれば、大発生するようなことはほとんどありません。

プランター菜園におすすめの野菜

大型のプランターを用意すれば、育てられる野菜はたくさんありますよ! その中でもおすすめの野菜を、葉菜類、果菜類、根菜類からバランスよく選び、プランターでの栽培方法を詳しく解説します。

コマツナ
コマツナ
kariphoto/Shutterstock.com

アブラナ科の葉菜類で、栽培しやすい野菜の代表。栽培できる期間も長く、種まきの適期は3〜10月です。プランターは標準〜大型を用意。野菜用の培養土を用い、10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を約20g混ぜた土に、20cm間隔で深さ1cmほどの溝をつけ、種子を約1cm間隔で条まき(すじまき)にします。両側から土を寄せて覆い、軽く押さえたら、はす口をつけたジョウロで水をやりましょう。発芽して本葉1〜2枚がついたら3〜4cm間隔に間引き、本葉3〜4枚がつくまでに最終株間が5〜6cmになるように間引きます。間引いた葉はサラダや味噌汁などに利用できますよ! 草丈が20cm程度になったら収穫を。虫が発生しやすい時期は、支柱をアーチ状にかけて防虫ネットで覆っておくと防除効果があります。

ベビーリーフ
ベビーリーフ
CL Shebley/Shutterstock.com

ベビーリーフとは、発芽して10〜30日くらいまでの若い葉の総称で、特定の野菜を指すものではありません。スーパーや青果店でベビーリーフと称して、さまざまな葉物野菜がミックスされて売られているのを見ることも多いのではないでしょうか。じつは「ベビーリーフ」用に7〜10種ほどがミックスされた種子が販売されているんです! メーカーによって異なりますが、レタスやルッコラ、チコリ、マスタードなど、色みや風味のよい葉物野菜が入っています。育て方は初心者でもカンタン! プランターに野菜用の培養土を入れて、種子をランダムに播き、あとは水やりをするだけです。双葉、本葉3枚、本葉5枚のタイミングで間引きながら収穫を。もちろん間引き菜はサラダなどに利用できますよ! 株間が10cmほどあいたら、間引きをやめて、外葉からかきとり収穫をすると、長く楽しめます。

ダイコン
ダイコン
homi/Shutterstock.com

アブラナ科の根菜類。原産地は地中海沿岸で、日本では古くから栽培され、さまざまな地方品種が生まれています。プランター栽培に向くのは、15〜20cmのミニダイコンです。根菜類は移植ができないため、種まきから育てます。種まきの適期は4月中旬〜5月中旬か、8月下旬〜9月。プランターは大型を用意。野菜用の培養土を用い、10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を約10g混ぜた土に、深さ1cmほどのくぼみを約15cm間隔でつけて、種子を5粒ずつ点まきにします。土を寄せて覆い、軽く押さえてから、はす口をつけたジョウロで水を与えましょう。発芽したら2本ずつ間引いて3本残し、本葉が3〜4枚ついたら1本ずつ間引いて2本残し、本葉が5〜6枚ついたら間引いて1本のみ残します。間引き菜はサラダや味噌汁などに。2回目と3回目の間引きの際に、約10gの化成肥料をばらまいて土寄せしておきましょう。葉が外側に倒れてきたら、抜き取って収穫します。

カブ
カブ
julie deshaies/Shutterstock.com

アブラナ科の根菜類で、原産地は地中海沿岸。プランター栽培に向くのは、直径5〜6cmの小カブです。根菜類は移植ができないため、種まきから育成します。種まきの適期は3月下旬〜5月か、9〜10月上旬。プランターは標準〜大型を用意。野菜用の培養土を用い、10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を約10g混ぜた土に、10〜15cm間隔で深さ1cmほどの溝をつけ、種子を約1cm間隔で条まきにします。両側から土を寄せて覆い、軽く押さえてから、はす口をつけたジョウロで水を与えましょう。発芽後、本葉が1枚ついたら3〜4cm間隔、本葉が3〜5枚ついたら5〜6cm間隔、本葉が5〜6枚ついたら10〜12cm間隔に間引きます。間引き菜は捨てずにサラダや味噌汁などに。2回目と3回目の間引きの際に、約10gの化成肥料をばらまいて土寄せしておきましょう。小カブが頭をのぞかせ、直径5cmほどになったら、抜き取って収穫します。

ホウレンソウ
ホウレンソウ
Hong Vo/Shutterstock.com

アカザ科の葉菜類で、原産地は中央アジア。種まき適期は3〜5月中旬、9月〜11月上旬です。プランターは標準型を用意。野菜用の培養土を用い、10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を約20g混ぜた土に、15〜20cm間隔で深さ1cmほどの溝をつけ、種子を約1cm間隔で条まきにします。両側から土を寄せて覆い、軽く押さえたら、はす口をつけたジョウロで水を与えましょう。発芽して本葉1〜2枚がついたら3〜4cm間隔に間引き、本葉3〜4枚がつくまでに最終株間が5〜6cmになるように間引きます。間引いた葉は、サラダや味噌汁などに利用できますよ! 発芽後は10日に1度を目安に液体肥料を与えて育てます。草丈が20〜25cm程度になったら収穫を。虫が発生しやすい時期は、支柱をアーチ状に立てて防虫ネットで覆っておくと防除効果があります。

トマト&ミニトマト
ミニトマト
Agenturfotografin/Shutterstock.com

ナス科の果菜類で、原産地は南米のアンデス高地です。10号鉢に1株が植え付けの目安で、ビギナーにはミニトマトのほうが栽培しやすいでしょう。植え付けの適期は4月下旬〜5月上旬。野菜用の培養土に苗を植え付けます。3本の支柱を鉢の縁に立て、上部を合わせてひもで結び、苗の成長とともに支柱に誘引していきましょう。脇芽は全てかき取り、一番花が咲いたら人工授粉をして確実に結実させるようにします。第1果の果房がピンポン玉くらいの大きさになったら、化成肥料を約10g追肥。さらに成長して第3果房の果実がピンポン玉くらいになったら、同様の追肥をします。果実が熟した順に、収穫していきましょう。

ニンジン
ニンジン
PKBluemoon/Shutterstock.com

セリ科の根菜類で、原産地は中央アジア。プランターでの栽培に向くのは、ミニニンジンです。根菜類は移植ができないため、種まきから育てます。種まきの適期は3月下旬〜5月か、7月中旬〜9月上旬。プランターは標準〜大型を用意。野菜用の培養土を用い、10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を約10g混ぜた土に、10〜15cm間隔で深さ1cmほどの溝をつけ、種子を約1cm間隔で条まきにします。両側から土を寄せて覆い、軽く押さえてから、はす口をつけたジョウロで水を与えましょう。発芽後は約3cm間隔に間引き、その2週間後には5〜6cm間隔に間引きます。間引き菜は味噌汁の具やサラダに利用しましょう。2回目の間引きの2週間後を目安に、約10gの化成肥料をばらまいて土寄せし、その後は生育の状況を見て株に勢いがないようであれば追肥します。種まきから11〜12週間を目安に、抜き取って収穫します。

ワケギ&アサツキ
ワケギ&アサツキ
Tim UR/Shutterstock.com

いずれもネギ科の葉菜類で、プランターで最も簡単に育てられる野菜といえるかもしれません。プランターは容量10ℓ程度の標準的なサイズでOK。植え付けの適期は8月下旬〜9月下旬です。野菜用の培養土を用い、10ℓ当たり化成肥料(N-P-K=8-8-8)を約10g混ぜた土に、10〜15cmの間隔を取って、球根を2〜3球ずつ植え付けます。草丈が10cm程度に育ったら、化成肥料を10gほど追肥して、土寄せしましょう。草丈が20cmほどに伸びたら収穫適期です。3cmほど残して地際で刈り取ると、再び葉を伸ばして何度か収穫を繰り返すことができます。

プランターで野菜を育てる楽しみを味わってみよう

野菜のプランター栽培
vaivirga/Shutterstock.com

野菜のプランター栽培は、初心者でも十分に楽しめます。特にここで取り上げた野菜は初心者向けのものばかりですから、失敗も少ないはず。ぜひ、お伝えした情報を参考に、ベランダやテラス、屋上などで野菜を育ててみてください。収穫の喜びや、食卓にのぼる新鮮な野菜の醍醐味が味わえますよ。

参考文献

『はじめての野菜づくり コンテナ菜園を楽しもう』著者/藤田智 発行/日本放送出版協会 2007年5月25日発行
『わが家の片隅でおいしい野菜をつくる』監修/藤田智 発行/日本放送出版協会 2008年2月10日第5刷発行

Credit
文 / 3and garden

スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。

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