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地元の人や観光客で愛される駅の喫茶店…2組の夫婦が紡ぐ物語【ニセコ】

  • 2023.5.15

HBCテレビ「今日ドキッ!」の、あたたかい家族の姿を描くコーナー「ファミリーストーリー 家族のキズナ」。

今回の舞台は、廃線予定の駅の中にある小さな喫茶店。 創業から30年の節目を迎えたおととし、閉店の危機が訪れました。
旅人たちに愛されてきた地元の味を残したいと店を救ったのは20代の若い夫婦でした。

地元の人や観光客で愛される駅の喫茶店

1日の利用者はおよそ60人。 北海道新幹線の札幌延伸に伴って2030年までに廃止が予定されている「JRニセコ駅」。

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山小屋風のおしゃれな駅舎の中に地元民をはじめ観光客も足繁く通う喫茶店があります。

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【茶房ヌプリ】

住所:JRニセコ駅構内
電話:0136-44-2619
営業時間:午前11時~午後5時
定休日:火・水曜

創業当時から変わらない昭和レトロを感じる店内。 6つあるテーブルは、古いミシン台を使ったオリジナルのもので30年以上使い続けています。

旅人たちの心をつかむのが、この店の看板メニュー。

ヌプリ特製カレー 900円
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デミグラスソースがベースの濃い色が特徴のルー。 コク深い味わいの中にある牛ひき肉のうま味と、ふんだんに使われた玉ねぎの甘さが口いっぱいに広がります。

若い夫婦が紡いだ地元の味

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お店を切り盛りするのは平手原野さんと妻の蕗さん。

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2人は去年4月にこの喫茶店を先代の松田さん夫婦から任されました。

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3年前、子どもの頃からの夢だった農業をニセコ町で始めた原野さん。大学時代に出会った蕗さんとともに地元で新たなスタートを切りました。 ちょうどそのころ舞い込んできたのが、茶房ヌプリ閉店の話。

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原野さんにとって人生で初めてのアルバイト先がここ“茶房ヌプリ”。色々な思い入れがあり、思い出の場所がなくなるのは考えられなかったんだそうです。

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そこで、冗談交じりでマスターに「お店をやってみようかな。」と言ったところ、「ゲンちゃんがやってくれるならそれが一番いいよ」と第一声で声を言ってくれたんだそう。

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その後、半年間お店で修業をして、レシピを継承。 常連客からは「変わらない味で安心した」という嬉しいお言葉ももらえたそうです。

先代との深いつながり

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茶房ヌプリが開業したのは1991年、平成3年の元日。 オープン当時は札幌圏からのスキー客を運ぶ、リゾート列車「ニセコエクスプレス」が運行していたり、復活が話題になった蒸気機関車、通称“シロクニ”が走っていたりとたくさんの人がニセコ駅を訪れ、茶房ヌプリもたいへん賑わったそうです。

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オープンから3年がすぎたころ、松田さん夫婦の知り合い家族にある男の子が生まれます。 保さんが抱きかかえているのが、平手原野さんです。

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実は原野さんの名付け親は保さん。
「何にもないところから何かを生み出しなさい。という気持ちで付けた」といいます。 保さんの込めた思いのとおり、農家の道にすすんだ原野さん。ただ、喫茶店を継がせようとは考えていなかったそうで…

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「30年で区切りをつけて、次の楽しい人生を待ってると言う感じで終わろう」と先代の妻 裕子さんは思っていました。 そう思っていた矢先、平手夫婦がお店のカレーを食べながら、「だったら僕にやらせてください。ヌプリを残したい」と原野さんが言ったんだそうです。

今でもお店によく顔を出すという松田さん夫婦。
引退して1年、現在の心境は?

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保さんは、「血はつながっていないけど、思考は似てくる。目的に向かっていってくれてるのでそれだけでも心の中でうれしい」 裕子さんは「思うようにやってほしい」と言います。

今年からは原野さんが丹精込めて作った野菜をヌプリのメニューに使っていく予定とのこと。

平手さん夫婦の新しいヌプリに期待です。 長く愛される地元の味、一度訪れてみてはいかがでしょか?

※掲載の内容は番組放送時(2023年5月1日)の情報に基づきます。

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