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旬な3人組・清野菜名さん、岸井ゆきのさん、生見愛瑠さん「周りに振り回されずケセラセラ」

  • 2023.5.14

全員が今年の日本アカデミー賞受賞者という「最も旬な」3人組、清野菜名さん、岸井ゆきのさん、生見愛瑠さんがドラマ『日曜の夜ぐらいは...』(脚本・岡田惠和/ABCテレビ・テレビ朝日系)に出演中です。「人生の中で大事な選択は、自分の直感を信じて決める」と揃(そろ)って語る3人に、役者人生との向き合い方や女性としての年齢の重ね方などについて伺いました。

――どんなことを大切に、キャリアや人生を選んでいますか。

清野菜名さん(以下、清野): 私は直感で決めます。特に悩んだときは自分の感覚に頼って、「わからないけど、こっちに行っちゃおう!」くらいの思い切った決断をするようにしています。楽しそうだと感じるかどうかを大切に、舵(かじ)を切る。でも無理はあんまりしないで、今の自分にできることの中から選びます。

生見愛瑠さん(以下、生見): 私も直感です。大事なのは、ノリとスピード(笑)。長い時間悩んでいても、大体考えは変わらないから「とりあえず、やってみよう!」って飛び込んでしまう。優柔不断ではないですね。特にプライベートについては頭で悩むのはできるだけやめて、自分がやりたいか、やりたくないかという直感だけで選ぶようにしています。

岸井ゆきのさん(以下、岸井): 仕事面は、所属する事務所スタッフの意見も聞きながら決断します。「この人が言うならやってみよう」と信頼できる人がいると、ありがたいですね。プライベートは、決めるまでちょっとウジウジ悩む時間がある方かもしれません。最終的には自分の直感で決めるのだから、はじめから直感を信じてしまったほうが楽だな、とは思います。

朝日新聞telling,(テリング)

自分を見つめ直す時間を持てた(清野)

――清野さんは今回、1年半ぶりに地上波連続ドラマに出演されます。コロナ禍も経て、心境の変化はありましたか。

清野: 時間が少しできたので、自分を見つめ直す時間になりました。これまで数カ月に1回くらいしか連絡を取れず、会おうと言ってもなかなか実現しなかった地元のお友達とも、この休みの間に会えたんです。
コロナ禍で、特に撮影がなかなかできなかった頃は、ぽっかりと時間が空くことがありました。油絵を始めたり、植物を育てたり。ずっと休む暇もなく走り続けてきたので、少し時間ができたことで「自分はこういう人間なんだ」と整理できた。今作のように、友情や「人」をしっかり描いていくドラマに出演する前に、自分を見つめ直す時間を持てたのはよかったですね。

朝日新聞telling,(テリング)

役の名前で「素敵だね」と言ってほしい(生見)

――ドラマだけでなく映画でも印象的な役を数々演じていらっしゃる岸井さん。また近年、俳優としてのキャリアを重ねている生見さん。これから挑戦してみたいことについて教えてください。

岸井: 私は、自分が「こんな役をやってみたい」と思うことがほとんどないんです。「みなさんは、私にどんな役を演じさせたら面白いと思っているんだろう?」ということも、自分ではよくわからなくて。今回のドラマで「元ヤンキーのタクシー運転手」役のオファーをいただいたことも、自分にとっては予想外でした。周りの方が私に期待することにどんどん応えていきたいです。

生見: 俳優の仕事に、これからもどんどん挑戦していきたいです。ドラマの現場はチーム感があって、みんなで一つの作品をつくっているんだなあと心から感じます。毎日がドキドキの連続です。これから頑張りたいのは……私、ドラマなどの作品に出演しても『めるる』って呼ばれることが多いんです。だから役名で呼ばれるようになりたい。

清野: そうなんだ。じゃあ、これから(生見さんが演じる若葉のあだ名で、「ちくわぶ」が由来の)「わぶちゃん」って呼ぼうかな?(笑)

生見: あはは(笑)。ドラマを見てくださる方に「めるるが出てるね」ではなく、役の名前で「わぶちゃん、素敵だね」と言ってもらえるように頑張りたいです。

朝日新聞telling,(テリング)

周囲に振り回されずに生きたい(岸井)

――女性は30歳をひとつの節目と捉えて、その前後で焦る人も多いです。今年29歳になる清野さんや、現在31歳の岸井さん、21歳の生見さんは年齢を重ねることについてどう思いますか?

清野: 年齢を感じることは増えてきました。私はアクションをずっと続けているのですが、始めたときは10代で、動きも今より機敏だった気がする。あの時の体のキレは、年齢を重ねることによって少しずつ失われているのかもしれないです。でも、失っていくものがある反面、これまで10年以上アクションを続けてきて、技術はどんどん培われてきたはずなので。その技術を生かして、これからもっとアクションを極めていきたいです。いずれ海外のアクション映画に出てみたいんです。

生見: まだ想像できないですが、清野さんや岸井さんとご一緒させていただいて、お二人がすごく素敵なんです。私も自分にできることを頑張りながら、年を重ねていきたいです。

岸井: 私自身は年齢をそこまで気にしていなかったのですが、30歳になった瞬間から、周りに「30代になったね」と、年齢について言われることが確かに増えました。いつか家族を築いてみたいし、子どもが好きなので欲しい気持ちもあるんですが、「何歳を過ぎると高齢出産」なんていう周りの情報に振り回されすぎてしまうと、ナーバスになりそう。焦らず「きっとなるようになる。大丈夫」と思っていたいです。ドラマの主題歌のように「ケセラセラ」で生きていきたいですね。

朝日新聞telling,(テリング)

●清野菜名さんのプロフィール
1994年10月14日、愛知県出身。主な出演作にNHK朝の連続テレビ小説『半分、青い。』、ドラマ『今日から俺は!!』、映画『耳をすませば』、『キングダム2』『ある男』など多数。第35回日刊スポーツ映画大賞 助演女優賞、第65回ブルーリボン賞 助演女優賞、今年3月には第46回日本アカデミー賞 優秀助演女優賞を受賞。映画『キングダム 運命の炎』が7月公開予定。

●岸井ゆきのさんのプロフィール
1992年2月11日生まれ、神奈川県出身。主な出演作にドラマ『99.9-刑事専門弁護士-』シリーズ、NHK大河ドラマ『真田丸』、NHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』、映画『愛がなんだ』など多数。映画『ケイコ 目を澄ませて』で第96回キネマ旬報ベスト・テン主演女優賞、第77回毎日映画コンクール女優主演賞、第46回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。著作にフォトエッセイ『余白』。

●生見愛瑠さんのプロフィール
2002年3月6日、愛知県生まれ。21年、ドラマ『おしゃれの答えがわからない』で俳優デビュー。主な出演作に、『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』、『石子と羽男~そんなコトで訴えます?~』、映画『湯道』など。今年3月、映画『モエカレはオレンジ色』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。

■塚田智恵美のプロフィール
ライター・編集者。1988年、神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業後ベネッセコーポレーションに入社し、編集者として勤務。2016年フリーランスに。雑誌やWEB、書籍で取材・執筆を手がける他に、子ども向けの教育コンテンツ企画・編集も行う。文京区在住。お酒と料理が好き。

■岡田晃奈のプロフィール
1989年東京生まれ、神奈川育ち。写真学校卒業後、出版社カメラマンとして勤務。現在フリーランス。

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