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清野菜名さん、岸井ゆきのさん、生見愛瑠さん「無理して会わなくても続いていくのが友情」 ドラマ『日曜の夜ぐらいは...』で共演。

  • 2023.5.13

女友達3人のリアルな日常と友情を綴(つづ)ったドラマ『日曜の夜ぐらいは...』(ABCテレビ・テレビ朝日系、岡田惠和脚本)が4月末から始まりました。今を懸命に生きる女性たち3人を演じるのは、清野菜名さん、岸井ゆきのさん、生見愛瑠さん。ドラマの見どころや、テーマである女性同士の友情について、お話をうかがいました。

生きづらい日常、小さな幸せを見つけて

――4月30日放送の1話では、それぞれに生きづらさを抱えている3人が、バスツアーで運命的な出会いを果たしました。演じてみて、いかがですか?

清野菜名さん(以下、清野): 私の演じるサチは、過去に暗い出来事があって、そこから後ろ向きな性格になってしまった人。暗く演じようとするとどんどん暗くなっていってしまうな……と葛藤があったのですが、撮影をしながら、日常の中でサチは小さな幸せを見つけながら、案外明るく踏ん張っていることに気づきました。小さな幸せって、生きるモチベーションにつながっていくんですよね。

朝日新聞telling,(テリング)

岸井ゆきのさん(以下、岸井): 若い頃はヤンキーで、今はタクシーの運転手をしている翔子を演じています。本読みのとき、この3人でやれば暗い空気もなんとなく明るく見えるのかなと思いました。初対面なのにグイグイ行く役なので、演じていて面白いですね。特に1話の旅館でのシーンは、ほぼ1人喋(しゃべ)りだし、長いし、喋り言葉ですごく難しかったのですが、3人でいるとホント台本の通りにできるんです。岡田さんならではの脚本だと感じました。

生見愛瑠さん(以下、生見): 私の演じる若葉は、田舎でおばあちゃんと暮らしながら、ちくわぶ工場で働いているまっすぐな女の子です。3人でお芝居をするシーンはリアルに楽しくて、セリフも実際にありそうだなという会話が多いです。カットがかからずにアドリブになるときもあるのですが、完成した1話を見たら、そのアドリブがたくさん使われていたので嬉(うれ)しかったです。

脚本家からのメッセージに涙

4月23日にユナイテッド・シネマ豊洲にて行われた完成披露試写では、脚本家の岡田惠和さんからのサプライズメッセージが披露されました。岡田さんは清野さんを「(日常生活で、清野さんが演じる)サチみたいな子と、たくさんすれ違っているのだろうなと思えました。それくらい清野さんのお芝居にはリアリティがある」、岸井さんを「どんなパスでも受け止めてくれる人」、生見さんを「芝居することを楽しんでいるのが伝わってくる」と表現。3人が思わず涙する場面もありました。

――岡田惠和さんからのメッセージを聞いて、どんな気持ちでしたか?

清野: 嬉しかったです。演じるサチが抱えているものが大きくて、実は苦しかったんですけど、現場で2人(岸井さん、生見さん)の笑顔を見たときにすごく救われたような気がしました。この作品に参加できて嬉しいです。

岸井: メッセージをいただいていることをまったく知らず、驚きました。あんなふうに脚本家の方に言葉にしていただくのってなかなかないこと。私たち3人がお芝居をするときに生まれる空気も、岡田さんの脚本の下にこの3人が集まったことも、本当に尊いことだなと思いました。

朝日新聞telling,(テリング)

生見: 岡田さんから「これからもどんどん俳優のお仕事、絶対続けていきましょう」という言葉をいただいて、嬉しかったです。当初は「いいのかな、私で」と不安だったんですけど、毎日勉強になることがいっぱいで、楽しくやれています。

「まだない思い出」を溜めていける友達

――ドラマのキャッチコピーには〈恋愛なんか奇跡じゃない。友情こそが奇跡だ〉とあります。女性はライフステージが変わると、友情が変化するともよく言われますが、みなさんにとって女性同士の友情とはどんなものでしょうか。

岸井: 私はずっと友達が変わらないタイプなんですよ。数人、長く一緒にいる友達がいます。会えない時期があっても、友達の仕事が変わるなど変化があったとしても、この友達同士の関係はあまり変わらないです。
地方ロケに行くと「友達とここに遊びに来たいな」と思うこともあります。今回の撮影で山梨に行ったとき、すごく素敵なレストランを見つけたんです。それで友達に「今度ここにみんなで行きたいね」なんて連絡をとったりして。そうやって「いつか行こうね」と言いながら、まだない思い出を溜めているだけでも、楽しいんですよね。

生見: 私は、友達とはあんまり干渉し合わないほうですね。会いたいときに会うし、喋りたいときに喋る。気を遣わない関係のほうが長続きすると思うし、居心地いいですよね。私、マイペースなんですよ。だから私から頻繁に連絡を取ることはないんだけれど、連絡が来たら返します(笑)。

朝日新聞telling,(テリング)

清野: わかる。私もそういうタイプです。自分から連絡しないから、友達から連絡をもらって、やっと「じゃあそろそろ会おうか」って話が進むことも(笑)。
そういえば、高校生の時に少し不登校になったことがあったんです。そのとき、最寄り駅まで毎日迎えに来てくれた友達がいて、その子とはその後ずっと友達の関係が続いていますね。助けてもらった思い出があるので、私も相手のことを大事にしたい。深い思い出や強い絆があると、友達を通じて「あのとき自分はこうだったな」と思い返すことができて、今の自分の軌道修正にもなる気がする。昔からの友達は大事にしていたいですね。

――みなさんが、「日曜の夜」にしたいことを教えてください。

清野: 今、植物にすごくハマっているので、日曜の夜ぐらいは、土いじりをしたいですね。お酒を飲みながら、育ててきた植物を愛でたいと思っています。

岸井: 私も清野さんと一緒で、植物が好きです。植物の植え替えをするか、映画館に行きたいですね。映画を見るのが好きで、そのときは役者ではなく、完全にお客さん目線になっています。映画館に行って、帰ってきたら、家で本を読みたいです。

生見: 新しい週の始まりを意識できるように、次の月曜に向けてゆっくりお風呂につかりたいです。

朝日新聞telling,(テリング)

●清野菜名さんのプロフィール
1994年10月14日、愛知県出身。主な出演作にNHK朝の連続テレビ小説『半分、青い。』、ドラマ『今日から俺は!!』、映画『耳をすませば』、『キングダム2』『ある男』など多数。第35回日刊スポーツ映画大賞 助演女優賞、第65回ブルーリボン賞 助演女優賞、今年3月には第46回日本アカデミー賞 優秀助演女優賞を受賞。映画『キングダム 運命の炎』が7月公開予定。

●岸井ゆきのさんのプロフィール
1992年2月11日生まれ、神奈川県出身。主な出演作にドラマ『99.9-刑事専門弁護士-』シリーズ、NHK大河ドラマ『真田丸』、NHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』、映画『愛がなんだ』など多数。映画『ケイコ 目を澄ませて』で第96回キネマ旬報ベスト・テン主演女優賞、第77回毎日映画コンクール女優主演賞、第46回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。著作にフォトエッセイ『余白』。

●生見愛瑠さんのプロフィール
2002年3月6日、愛知県生まれ。21年、ドラマ『おしゃれの答えがわからない』で俳優デビュー。主な出演作に、『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』、『石子と羽男~そんなコトで訴えます?~』、映画『湯道』など。今年3月、映画『モエカレはオレンジ色』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。

■塚田智恵美のプロフィール
ライター・編集者。1988年、神奈川県横須賀市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業後ベネッセコーポレーションに入社し、編集者として勤務。2016年フリーランスに。雑誌やWEB、書籍で取材・執筆を手がける他に、子ども向けの教育コンテンツ企画・編集も行う。文京区在住。お酒と料理が好き。

■岡田晃奈のプロフィール
1989年東京生まれ、神奈川育ち。写真学校卒業後、出版社カメラマンとして勤務。現在フリーランス。

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