1. トップ
  2. 恋愛
  3. 結婚に必要なのは「好き or 打算」? 結婚相談所の経営者が断言する、もっと大切なこと

結婚に必要なのは「好き or 打算」? 結婚相談所の経営者が断言する、もっと大切なこと

  • 2023.5.10

婚活サポート・結婚相談所を経営している、作家の安本由佳さん。ご自身のインスタグラムに届くお悩みを毎週掲載します。リアルな婚活市場を取材してきた知見を生かし、恋愛、仕事、夫婦、家族、友だちなどいろいろな悩みにお答えします!

「好き」だけじゃダメなの?

『安本由佳のお悩み相談室』では、個人のインスタグラムで募集し、回答してきた3,000を超えるお悩みアーカイブの中から、ananweb読者の皆さまにもぜひ共有したい内容をピックアップしてお届けしています。
みなさまにとって、自分らしく幸せに生きるヒントになれば嬉しいです!

さて、今回ご紹介したいお悩みはこちら。

お悩み:最近、恋愛の仕方がわからなくなりました。学生時代は何も考えず、ただ「好き」という感情だけで恋愛していましたが、社会人になって結婚を意識し始めてからはどうしても頭で考えてしまいます。
結婚となると感情で突っ走るのではなく、やはり相手の経済力・家族関係・将来についての展望や価値観などを重視したほうがいいのですよね。

わかってはいるのですが…それでも私は、どんなにお金があって家族仲も良くて将来への考え方や価値観に共感できても「好き」という感情なしにお付き合いするのは難しいと思ってしまいます。
打算で結婚したところで、幸せにはなれないと思うんです。こんなふうに考えてしまう私は甘いのでしょうか。(25歳・会社員)

学生時代の恋愛とは違って当然

相談者さんもおっしゃっている通り、学生時代の恋愛は気楽でしたよね。皆同じ学生という立場で、ある程度の自由を手にしつつも親の庇護下にあって、ライフスタイルに大きな差がない。それゆえ、異性としての魅力に惹かれさえすれば恋愛を始めることができました。

しかしながら、考えてみると、社会に出る前のモラトリアム期間ーー学生の置かれている状況が特別なんですよね。

社会では皆、基本的に自立して自らの稼ぎで生活をしています。学生時代は同じような生活を送っていた仲間たちも、社会人になった途端に環境がガラリと変わり、勤務地、住む場所を含めたライフスタイル、生活水準、取り巻く人間関係…すべてに差が生まれはじめます。そしてこの差は歳を重ねるごとに大きくなっていきます。

そして、有り余る時間を恋愛に費やせた学生時代とは違って、社会人は皆忙しいです。多忙な中、限られた時間で恋愛しようとすると、ライフスタイルが共通していて生活水準も合って、育ってきた環境の近しい相手のほうがすんなり分かり合えて関係構築しやすいんですよね。

結婚を意識するなら尚更です。一つ屋根の下で暮らし、この先の人生を一緒に生きていくパートナーとは、食材や日用品の買い出しなど小さなことから家や子どもの教育方針などの大きな話まで、あらゆる意思決定を共有していく必要があります。まったく同じ価値観の人間などいませんが、せめて理解し合える、歩み寄れる相手でないと人生をともにするのは難しいですから。

もちろん相談者さんがおっしゃっているように、「好き」という感情なしに交際したり結婚しても幸せにはなれません。それは当たり前の話です。お互いの根底に愛情や尊敬があるからこそ、意見が違っても歩み寄れるわけなので。

ただ、結婚は日常です。生活そのものです。互いにストレスなく暮らすことができて、人生の大事な局面で支え合える相手でないと続きません。そういう意味で「好き」だけじゃダメなんです。

言い添えますが、これは打算とは違います。幸せな結婚生活を送るために必要な折り合いです。

永く幸せに暮らすためには…

人を物件に例えるのもどうかと思いつつ、わかりやすいので書かせてください。

例えば、ほぼリモートワークでOKになったのをきっかけに、相談者さんは「海の近くで、大型犬とのんびりオシャレに暮らしたい」考えるようになりました。
この理想を叶えられるのは、湘南江ノ島か鎌倉エリアの庭付き戸建、もしくはペット可かつ広めのマンションだと当てをつけて、すでにいくつか内覧も済ませています。

その中に一つ「大好き!」と思える部屋があったのですが…残念ながら完全に予算オーバーで、かなり無理をして生活費を削らないと支払いが難しい。

この状態で「でも私はこの部屋が大好きだから!」と感情だけで突っ走ってしまったらーー確実に生活が行き詰まり、思い描いていた理想の暮らしとは結局ほど遠くなりますよね。

つまり、永く幸せに暮らしていくためには折り合いが必須なんです。

大型犬は諦めて小型犬が飼える程度の部屋にしようとか、リビングから海が見えなくてもいいやとか、もう少し駅近の便利な場所にしておこうとか。

結婚も同じです。「好き」か打算かといった二者択一の話ではなくて、現実的な折り合いをつけてこそ幸せに暮らせます。

筆者紹介

安本由佳 作家 / 婚活サポート・結婚相談所経営
慶應義塾大学法学部卒。2016年〜2020年まで東京カレンダーWEBで執筆し「二子玉川の妻たちは」「私、港区女子になれない」などのヒット小説を生み出す。著書に、婚活に悩む女子200名に取材して執筆した「不機嫌な婚活(講談社文庫)」、モテ商社マンと港区女子の恋愛模様を描いた「恋と友情のあいだで(集英社)」がある。リアルな婚活市場を取材してきた知見と、特技の四柱推命鑑定を取り入れた親身なアドバイスで婚活サポート・結婚相談所も経営している。

©nd3000/Getty Images

文・安本由佳

元記事で読む
の記事をもっとみる