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3日で7500万円が集まる!シャーリーズもキレコメント出した、ドラァグクイーン特別番組の背景にある反ドラァグの動きとは?

  • 2023.5.10
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ドラァグや性的マイノリティーのための寄付を募るキャンペーンイベント「The Drag Isn't Dangerous」がロサンゼルスで開催され、開始から3日間で7500万円以上の募金が集まった。イベントの背景には、アメリカで起きている反ドラァグの動きがある。(フロントロウ編集部)

LGBTを支援するチャリティー番組に7500万円あまりの寄付

チャリティーイベント「Drag Isn't Dangerous(意味:ドラァグは危険ではない)」が5月7日、5時間に渡りロサンゼルスで開催。このイベントは寄付を募るためのテレソンイベントで、オンラインでライブ配信された。

画像: 寄付すると電話が出来て、ドラァグクイーンと話すことができるテレソン式で開催された。
寄付すると電話が出来て、ドラァグクイーンと話すことができるテレソン式で開催された。

人気ドラァグクイーンのペパーミント(アグネス・ムーア)と俳優のジャスティン・マーティンデールがメインホストを務めたイベントには、著名なドラァグクイーンやLGBTQ+のパフォーマーが出演。また、俳優のシャーリーズ・セロン、メリッサ・マッカーシー、ビリー・アイクナー、コメディアンのマーガレット・チョーやサラ・シルバーマン、歌手のアダム・ランバートなどの有名人も出演してコメントを寄せた。

番組の配信とともに始まった、米クラウドファンディングプラットフォーム「GoFoundMe」上での寄付には、開催から3日間で総額56万ドル(約7,500万円)以上が集まり、現在も寄付は続いている。またイベントでは、新しいシングル「Drag Isn't Dangerous」がデビュー。Ocean KellyとJayelleが歌う同曲は全てのストリーミングサービスで配信。この収益や集まった寄付金は、LGBTQ+の活動に焦点を当てた非営利団体と、反LGBTQ+と闘っている地元の慈善団体に寄付される。

『Drag Isn't Dangerous』は公式ホームページからチケットを購入すれば、期間限定でライブ映像の見逃し配信が視聴できる。

シャーリーズ・セロンやミシェル・ヴィサージュが反ドラァグを激しく非難

イベントではドラァグクイーンたちによるファビュラスでコミカルなパフォーマンスのほか、セレブゲストたちからもコメントが寄せられ、俳優のシャーリーズ・セロンからは、「あなたたちにいちゃもんつける相手は、私がボコボコにしてやる」と、反ドラァグ派へのキレコメントが炸裂。

画像: シャーリーズ・セロンやミシェル・ヴィサージュが反ドラァグを激しく非難

中でもひときわ激しい声明を出したのが、アメリカのリアリティ番組『ル・ポールのドラァグレース』の審査員として知られるミシェル・ヴィサージュ。

彼女は、「ドラァグは危険ではないというイベントに参加しなければならないことに愕然としています」と語った。「子どもに悪影響だからという理由で、ダンサーが踊ってはいけないと言われる世界を想像してみてください。アーティストがキャンバスに絵の具を塗ってはいけないと言われる世界を想像してみてください。それが今、ドラァグに起こっていることです」と訴え、ドラァグショーの規制を批判した。

アメリカで起こる、ドラァグショーの規制とは?

イベントが開催された背景には、アメリカの保守的な州を中心に進められているドラァグ規制法案がある。3月にはテネシー州でドラァグクイーンのショーを規制する法律が成立。このような法案を可決したのは全米で初めてだが、米Timeによると、2023年3月時点で11の州で似たような法案が提出されていたという。

7月1日から施行するテネシー州の法律では「成人向けのキャバレーパフォーマンス」を禁止するとしており、厳密には「ドラァグクイーンショー」だけを指すものではない。ただし、「女装および男装で好色的なエンターテインメントを提供する人々」という文言が含まれており、事実上、ドラァグクイーンのショーを規制するものとして捉えられている。これらのショーを「公共施設や未成年が見られる場所で行った場合犯罪になる」と定めており、違反者には禁固刑と罰金が課せられる。繰り返し違反した場合にはさらに罰が重くなる。

法案を支持した議員たちは、ドラァグショーは“卑猥で子どもに不適切”としているが、子どもも参加可能な日中のドラァグショーでは過度な露出や演出は取られず、コミカルな演目が基本。反対派からは、保守派の議員が保守層からの票集めのために存在もしない恐怖を煽っているという批判が強く出ている。

また全米では、ドラァグショーを標的にした法案の提出に追い風を受けてドラァグショーでのハラスメント行為が急増しているそうで、GLAADは2023年4月の報告で、「2022年初頭から、ドラァグイベントを標的とした反LGBTQの抗議や脅迫が166件発生し、2022年のプライドシーズンから中間選挙サイクルまでの間に急激に増加したことを発見しました」と発表した。(フロントロウ編集部)

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