1. トップ
  2. レシピ
  3. むき身使わないボンゴレ? 小田原のイタリアンシェフ直伝・しらすのパスタ

むき身使わないボンゴレ? 小田原のイタリアンシェフ直伝・しらすのパスタ

  • 2023.5.5

あなたは普段、料理をするときどんな「だし」を使っているだろう。かつおだしや昆布だし、煮干しだしなどが一般的だが、世界のトップシェフたちは和食に限らずさまざまな料理で「だし」を使いこなすという。

実はこちらのパスタにも「だし」が使われている。それが、「あさりだし」だ。あさりというとボンゴレのイメージがあるが、むき身は使わず「だし」だけを使っている。

有名イタリアンレストラン「イルマーレ」の依田隆オーナーシェフがいつも使用している「洋風黄金だし」。そのレシピを初公開した、『ちょっとていねい、すごくおいしい 洋風だしレシピ』(あさ出版)には、洋食に合う秘伝の「洋風黄金だし」の取り方が掲載されている。

今回は、あさりだしを活用した「しらすの冷製パスタ」のレシピを本書から紹介する。

◎材料(1皿分)
あさりだし........................... 30~40mℓ
パスタ(カッペリーニ)..................... 10g
しらす(茹でたもの)........................ 35g
青ねぎ.......................................... 適量
塩............................................. 適量

◎つくり方
1 鍋にたっぷりの湯を沸かし、適量の塩を入れ、カッペリーニを3分茹でる。すぐに氷水で冷やし、キッチンペーパーなどでしっかりと水気をきる。
2 ボウルにカッペリーニと【あさりだし】を入れ、よく和える。
3 器に盛り、しらすをのせ、小口切りにした青ねぎをちらす。

◎ポイント

1 冷製パスタに水分は大敵。しっかりと水気をふき取る。

3 市販の茹でしらすには、塩分が入っていることが多いので味見をして、好みで調節を。

余計な調味料は使わず、味付けはあさりだしのみという潔さ。あさりだしはコハク酸を多く含み、酸味と苦味のちょうどよいバランスが特徴だ。使うあさりの大きさは問わず、コク深さがあるため料理に奥深さを出してくれる。

一般的なだしの取り方でも作れるが、より旨みが出るプロのコツについては、本書を参照してほしい。だしを取った後のむき身の活用法も掲載されている。

和食のだしより日持ちする「洋風黄金だし」

依田さん直伝の「洋風黄金だし」は、時間をかけて煮出すため、時間とともに味が劣化していく和食のだしと違い、冷凍や冷蔵で保存できるのもポイントだ。もちろん、本書ではその保存方法も紹介。今回の冷製パスタに使用するあさりだしのほか、奥行きの深い旨みが特徴的な「鶏だし」の取り方や、それらを活用した44ものレシピも本書には掲載されている。

依田さんがオーナーシェフを務めるイタリアンレストラン「イルマーレ」は、小田原の早川漁港の目の前に位置し、小田原ならではの魚介類や野菜を生かした料理を提案する店だ。そのオーナーシェフを務める依田さんがいつも使用している、あさりだしや鶏だしの秘伝のレシピを、ぜひその目で確かめてほしい。

■依田隆さんプロフィール
よだ・たかし/イタリアンレストラン「イルマーレ」オーナーシェフ。1970年、埼玉県生まれ。海のない県で育ちながらも現在は「魚介類しか出さないレストラン」のオーナーシェフを務める。26歳で料理の道に入り、国内で修業ののちイタリアへ。帰国後、イタリア料理店で研鑽を積み、神奈川県小田原市に移住。2006年、小田原・早川漁港(小田原漁港)の目の前に自身のレストラン「イルマーレ」をオープンした。小田原ならではの魚介類と野菜をいかしたオリジナリティあふれる料理を提案している。昨今はJR東日本が運行する周遊型寝台列車「TRAIN SUITE四季島」の料理人としても活躍。『凄腕シェフが伝えたい月イチレシピ』(説話社)『シェフの家呑みおつまみ』(秀和システム)など著書多数。

元記事で読む
の記事をもっとみる