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パリジャンが通ったあの百貨店が再オープン。

  • 2023.5.1
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Samaritaine

サマリテーヌ

エントランスを入ると、最上階まで吹き抜けのアイコニックなスペースが広がる。蘇ったアールヌーボー建築に、多くのパリジャンたちが連日訪れている。

セーヌ川を見下ろすパリの中心地に建ち、アールヌーボー建築と庶民的な雰囲気で愛された老舗百貨店サマリテーヌ。2005年に消防法の関係で突然閉店したのは大きな衝撃だっただけに、16年ぶりの再オープンはニュースとなった。パリジャンなら誰もが小さい頃に訪れた思い出を持っている、それがサマリテーヌだからだ。

イエローの装飾がファサードを飾る本館に足を踏み入れると、大階段の吹き抜け空間に迎えられる。優美な装飾の施されたメタル製の手すり、モザイクやタイルの華やかなモチーフに彩られたインテリアに息を呑む。ここは、時間をかけて修復され、往時の輝きを取り戻したアールヌーヴォー空間。最上階に上がれば、そこには、ガラス天井から差し込む光に照らされて、クジャクが羽を広げるフレスコ画が広がっている。

最上階のレストラン、ヴォヤージュ。コンセプトはおいしい旅。オープンキッチンで、シェフのジミー・エリザベートが腕を振るう。予約がおすすめ。

ゴマ油の風味が利いている、前菜のビーフタルタル「Tartare de Boeuf au Couteau dans l’Huître」18ユーロ

一方、リヴォリ通り側の建物は、日本のSANAAの手で建て替えられた新建築。街並みを映し出す波打つガラスパネルの外壁は新しいランドスケープだ。カジュアルなレ・アール地区から人が流れ込む新館には、ストリート系のブランドが並び、旬のストリートフード店がポップアップで登場する。ハイブランドの並ぶ本館とはまったく違う趣だ。

パリ最古の橋ポン・ヌフとレ・アールを結ぶサマリテーヌ。歴史遺産を現代に甦らせ、最先端の建築を調和させた百貨店は、ハイブランドとストリートを結ぶ架け橋でもある。

リヴォリ側には、創業者の名をとったレストラン、エルネスト。地上階はパンとサンドイッチ、1階は1ツ星シェフのナオエル・デノーが提案するビストロノミー。

サーモングラヴラックス「Saumon Gravlax, Crème de Yuzu et Vinaigrette Curry」17ユーロ

波打つガラスのファサードはSANAAによる新建築。向かい側の伝統的な街並みを映し出す新しいランドマークになった。

左端のもっともセーヌ川寄りのファサードはアールデコ様式。左岸に向かって眺望の広がるこの建物には、オテル・シュヴァル・ブランがある。右隣の黄色い外壁がサマリテーヌ。

Samaritaineサマリテーヌ9, rue de la Monnaie 75001tel:01-88-88-60-00ⓂCHÂTELET、PONT-NEUF開)百貨店:10:00~20:00ヴォヤージュバー:10:00~20:00(バー)レストラン:12:00~15:00L.O.エルネスト:8:00~10:30L.O.、12:00~14:15L.O.(月~金、日)12:00~14:45L.O.(土)休)5/1www.dfs.com/fr/samaritaine

●1ユーロ=147円(2023年5月現在)●日本から電話をかける場合、フランスの国番号33の後、市外局番の最初の0を取ります。フランス国内では掲載表記どおりかけてください。●各紹介アドレスのデータ部分のⓂは地下鉄の駅、Ⓣはトラムの駅を示しています。●掲載店の営業時間、定休日、商品・料理・サービスの価格、掲載施設の開館時間や開催時期などは、取材時から変更になる可能性もあります。ご了承ください。

*「フィガロジャポン」2023年5月号より抜粋

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