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旧暦で5月を意味する「皐月(さつき)」、その由来は5月に行われてきた作業から!

  • 2023.4.30

「端午の節句」のある5月。 別名「皐月(さつき)」とも呼ばれていますが、「皐」の字は日常で他に使う文字でもありませんよね。

今回はそんな「皐月」に込められた意味と「皐」の字の成立ちについてご紹介します。

皐月がなぜ5月を意味するのか

 

皐月は旧暦での名称

皐月が5月の別名とされているのは、皐月がもともと旧暦で5月をあらわす名前だったためです。 現在の暦が採用されたのは明治時代に入ってからのことで、それまでは違う暦を用いていたため月の呼び名も違うものでした。

現在では旧暦と呼ばれる当時の暦では、5月のことを「皐月」という名前で言いあらわしていました。

旧暦の皐月は現在の5月ではない?

 

旧暦の5月を皐月と呼ぶとされていますが、実は現在の5月と旧暦の皐月があらわしている時期は一緒ではありません。 その理由は、旧暦の時代に使われていたカレンダーが現在の太陽暦と違い、太陰太陽暦だということに端を発しています。

太陰太陽暦とは、月の満ち欠けで暦を作る太陰暦に、季節のズレを調整するために太陽の動きも参考にして作られた暦です。 江戸時代に使われていた暦ともなると、1年の日数などについて今の暦と違いはほとんどありません。

しかし、太陰暦には太陽暦と一点違う点があります。 それは年始めの日です。 現在の暦では1月1日が年始めとなっていますが、旧暦の場合はそうではありません。 立春の時期の新月の日を年明けとしています。 そのため、現在の元日のように一定ではなく、年によって変化します。

おおよそ1月20日ごろから2月下旬までの広い範囲の中に旧暦の年明け、1月があることになります。

1月が旧暦と現在の暦でズレているので、旧暦の5月も現在とは違う期間となります。 現在の5月下旬から7月上旬頃が旧暦5月、皐月にあたります。

皐月の意味や由来

 

皐月はもともと早苗月といった?

かつての日本では、この皐月に田植えをしていました。 そして、このこの田植えが皐月の語源と考えられています。

田に植える用の成長した苗を「早苗(さなえ)」といいます。 そこから転じて早苗自体が田植えを意味する言葉として用いられてきました。

そのため、田植えをする月の意味で「早苗月」と付けられましたが、略されたことで「早月」となり、最終的に現在使われてい「皐月」に変わったと考えられています。

皐月という名前は後から?

早苗月から転じたともいわれている一方、日本書紀では「五月」と書いて「さつき」と呼ばれていたことから、五月と書かれたのが先で、後から文字が変化し「皐月」になったともされています。

他にもある5月の別名

5月の別名には、「稲苗月」や「田草月」、「仲夏」「雨月」「五月雨月」「月不見月」「菖蒲月」などがあります。

稲苗月(いねなえづき)・田草月(たぐさつき)

 

前述したように、皐月は田植えの時期です。 そのため、田植えに関する別名として「稲苗月(いねなえづき)」や「田草月(たぐさつき)」があります。

仲夏(ちゅうか)

 

旧暦では4~6月を夏としていました。 5月にあたる皐月はちょうど真ん中です。

このことから、夏の真ん中の意味で「仲夏(ちゅうか)」とも呼ばれます。

雨月(うげつ・うづき)・五月雨月(さみだれづき)

 

旧暦の皐月は、現在の6月後半行こうということもあり、梅雨の季節でもあることから、梅雨に関する名前もあります。 現在は五月の雨の意味で使われている「五月雨(さみだれ)」も元々は梅雨の雨の意味なので、「五月雨月(さみだれづき)」、雨の季節なのでそのまま「雨月(うげつ)という別名もあります。

月不見月(つきみずづき)

 

梅雨の季節ということは空に月が浮かぶ姿を見るのも難しい状況にあります。その事から、月を見ることができない月「月不見月(つきみずづき)」ともよばれています。

菖蒲月(あやめづき・しょうぶづき)

 

6月になると紫の花が美しい植物が、川辺や公園で見られるようになります。 その花の名は「菖蒲」 。

この花はそっくりな花を咲かせる事から混合される植物ですが、それぞれ別の花になります。 名前も「しょうぶ」と「あやめ」と別の読みをされます。

この紛らわしくも美しい花の名を冠して「菖蒲月(あやめづき・しょうぶづき)」とも呼ばれています。

まとめ

皐月は、田植えをする時期とされていたから付けられた名前です。 また、旧暦では皐月が梅雨の季節ですから、雨やどんよりとした天気に関わる名前も付けられています。

一説によれば「五月」と書いたのが先で、「皐月」と記すようになったのが後ともされています。

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