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しおりを見れば世相がわかる。手のひらサイズのレトロモダンアート

  • 2023.4.29
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テレビやネットがない時代、重要な広告媒体として活躍していたのは「しおり」だ。手のひらサイズの小さな紙片には、当時の流行や世相が表現されている。

たとえばこちら。ペコちゃんやグリコなど、今の私たちにもなじみのあるデザインが使われている。大正から昭和初期にかけては医薬品や化粧品、食品、雑誌に至るまで、様々な商品の宣伝活動にしおりが利用されていたそうだ。

これらのしおりの持ち主は、35年以上もしおりを収集し続けている豊嶋利雄さんだ。コレクションの数は1万枚以上。そんな豊嶋さんが厳選した、日本のアンティークしおり466枚を紹介しているのが本書、『ニッポンのアンティークしおり』(グラフィック社、2023年5月8日発売)だ。

ここでは、豊嶋さんのコレクションをいくつかご紹介しよう。

カレンダーや時間割を印刷したしおりは実用的だ。しおりを長く手元に残してもらうために、様々な工夫がされている。

また、中原淳一や高畠華宵、蕗谷虹児など当時の人気挿絵画家を起用したしおりも。1つ1つが工夫されており、奥が深い世界だ。

戦争で失われたものも多く、今では貴重となっている。しおりを通して歴史を振り返っていこう。

アンティークしおりは今でも使いたいデザインばかりで、美しい。今では電子書籍で本を読める時代となったが、お気に入りのしおりを探してみたくなる1冊。

■豊嶋利雄さんプロフィール
とよしま・としお/しおり収集家。1951年生まれ、名古屋市在住。古本に挟まっていたしおりを集めたことをきっかけに、35年以上もの間、しおりを収集。世界25ヶ国のしおりコレクターとも交流し、国内外のしおりを1万枚以上保有する。京都、名古屋などでコレクション展を開催。現在、ギャラリー「しおりのアトリエ」(名古屋市中川区)にて企画展を年6回程度開催中。

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