【iPhone・スマホカメラレッスン】京都らしい1枚を撮ろう～舞妓さんと芸妓さん編～

簡単に習得できて、すぐに使えるiPhoneやスマホの撮影テクニックを写真教室「たのしいカメラ学校」主催の矢島直美さんが伝授。今回の写真レッスンは、フォトジェニックな「京都」の旅。旧邸御室、うめぞの茶房、あじき路地、京セラ美術館、北野天満宮、桝屋高尾……などなど、撮影におすすめなスポットも含めて、旅先で役立つテクニックを数回にわたってお届けします。 第１回は、国登録有形文化財の「旧邸御室（きゅうていおむろ）」へ。さらに舞妓さんと芸妓さんに出張していただくというスペシャルな体験も。舞妓さんと芸妓さんは手配が必要ですが、ご家族やご友人同士で撮影するときにも役立つテクニックとなっています。 今回の写真はすべてiPhone 14 Proで撮影しています。ここではiPhone 14 Proの機能をご紹介しますが、同様の機能を搭載する機種もありますので、ご自身のスマホをチェックしてみてくださいね。

【LESSON1】背景をぼかして、主役を際立たせて

舞妓さん、芸妓さんの美しさやふるまいに感動しつつ、その美しさを存分に撮影したい……。そんなときには背景をぼかして人物を際立たせることができる「ポートレート」モードがおすすめです。全身の写真はもちろん、バストショットで切り取ると、存在感が増すので挑戦してみて。

ポートレートモードで撮影。
お茶屋「富菊」の舞妓 富瑛梨（とみえり）さん。地毛で結うという日本髪も収まるように、正面からではなく振り返っていただきました。

新緑の中に赤い和傘と舞妓さんの華やかな姿が絵画のように美しかったので、背景をぼかさず、通常の写真モードで撮影。

【撮り方の３つのPOINT】

【LESSON2】動きのあるシーンを撮影する

動きのあるシーンは、やみくもにシャッターを切る前に、まずは動きを観察して、どんな動きを切り取りたいか、見た人がどんな印象を持ってくれそうか、想像してみましょう。

舞鑑賞をしながら撮影した一枚。扇子が開いたときを狙いました。

下の写真は特別にお支度中のシーンを撮影させていただいたものです。口紅の筆先や、髪を整える指先などの位置が見えやすい位置から撮影。

被写体の手前がボケることを「前ボケ」といいますが、画面に「前ボケ」が入ると、奥行きが出て、ピントの合っている芸妓さんに視線が集中する構図となります。

【LESSON３】いろんな角度から撮影して組み写真で楽しむ

芸妓さんにお点前を披露していただきました。

邪魔をしないように十分に注意しつつ、いろんな角度、距離感で撮影すると、一枚だけの写真より、複数枚の写真を組み合わせて楽しんだ方が写真にリズムが生まれ、思い出も濃厚なものになります。

どんな場所か分かるようにやや引きの距離から撮影。舞妓さん、芸妓さん、室内の雰囲気、さらには奥の中庭まで写り込み、印象的な一枚に。

（左上）手元を寄りで撮影。上の写真は、手元だけではなく、帯や着物の美しさも収められるように真上からカメラを構えました。
（左下）手元がわかりやすい斜め上の位置から撮影。
（右）表情が分かりやすいやや斜め下のアングルから撮影。手前の鉄瓶や縁側が前ボケとなり、奥行き感が出ました。

【LESSON4】室内は水平垂直・光を意識して

建物の写真は、どの位置から見ると美しくみえるのかまずは鑑賞しましょう。また、水平垂直が整うとシンプルで美しい構図になりますので「グリッド」を活用します。「旧邸御室」は新緑の青もみじが目の前に広がった、テーブルのリフレクションを生かした “庭鏡”がおすすめです。

庭の景色がテーブルに映り込み、なんとも幻想的な一枚に。リフレクションが効果的になるようにローアングルで撮影しました。レンズが本体上部についているので、逆さに構えると撮りやすいです。

日本家屋の室内は暗いので、撮りたい部分に光が当たっているか気を配るとより素敵な写真に。この写真は奥の小さな窓からわずかな光が花に当たっているので、花が暗く沈まずに撮れています。