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この料理にはこの油! 管理栄養士が推奨する料理に使うもっともヘルシーな油はコレ!

  • 2023.4.23
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どんな料理にも必須となる調理油の選択は、有名シェフのレシピを試してみることよりもややこしかったりする。単に、フライパンに塗れるものなら何でもいいというわけではないから。調理油は、エネルギー源として必要な脂質の供給源。必須脂肪酸を含んでいるため、ビタミンA、D、E、Kの吸収も助けてくれる。とはいえ、必要な量はごく少量であり、どの種類の油を選ぶかが重要な鍵を握っている。オーストラリア版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。

よく知られている油はすべて、飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸など異なる脂肪を含んでいるけれど、実際はもっとも含有量の多い種類の油に分類されている。不飽和脂肪酸は、さらに一価不飽和脂肪酸(MUFA)と多価不飽和脂肪酸(PUFA)に分類される。例えば、ピーナッツオイルには飽和脂肪が20%、一価不飽和脂肪酸が50%、多価不飽和脂肪酸が30%含まれているため、一価不飽和脂肪酸に分類されている。しかし、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸はどちらもコレステロール値を減少させる働きに優れているため、飽和脂肪酸の代わりに使用することで、さまざまな健康上のメリットを得られるようになる。

知っておくべきこと

オリーブオイルは、ハロー効果(ある対象を評価するとき、その一部の特徴的な印象に引きずられて、全体の評価をしてしまう効果)がもっとも高い。地中海式ダイエットの基本でもあるオリーブオイルには、一価不飽和脂肪酸の含有量が多く、コレステロール値や心血管疾患のリスクを低下させ、心血管リスクの高い人の死亡率を減少させるといった科学的根拠が山のように存在する。

さらに、オリーブオイルに含まれるポリフェノールには、体内の細胞にダメージを与え、病気を誘発するフリーラジカルと戦う働きがある。バージンオリーブオイルとエクストラバージンオリーブオイルは、化学処理や熱処理を一切加えず、シンプルな機械処理だけでオリーブを圧搾し製造されているため、一般的なオリーブオイルや精製されたオリーブオイルに比べると、ポリフェノールの含有量が高いのが特徴。これらの理由から、バージンオリーブオイルやエクストバージンオリーブオイルに含まれるポリフェノールは、糖尿病リスクや血圧を下げるなど、多くの健康効果に優れている。

学術誌『Journal of the American College of Cardiology』では、この種類のオリーブオイルを毎日7g以上摂取することは、心血管疾患などによる死亡リスクの低下と関連付けられている。

ただし、注意点もある。オリーブオイルの発煙点は低いので、特定の温度に達すると、上述したような健康効果が薄れてしまう。発煙点とは、加熱したときに油が分解され、その物質が焦げて煙を発するときの温度のことであり、このときに有害な物質が生成される。精製されたオリーブオイルの発煙点は200°Cから220°Cと高いのに対し、バージンオリーブオイルの発煙点は160°Cから190°Cと低いので、高温での調理には向いていない。一方で、アボカドオイルやピーナッツオイルなど他の一価不飽和脂肪酸は、熱の影響を受けにくい。サンフラワーオイルなどの多価不飽和脂肪酸は、高温で調理することが可能。

調理法によってそれぞれに最適な油を見ていこう!

飽和脂肪酸を多く含み、発煙点が高い油もいくつかある。でもこれが、他の油よりも優れているというわけではない。例えば、飽和脂肪酸を90%含有するココナッツオイル。『Circulation』誌に掲載された2020年のシステマティック・レビュー/メタ分析では、少なくても2週間定期的にココナッツオイルを摂取すると、他の植物油よりLDLコレステロール(悪玉)が増加することがわかった。つまり? 普段の料理には、不飽和脂肪酸を使うといい。

炒め物に最適な油
ごま油

風味豊かで発煙点が低いごま油は、焦がす心配がないため食材を炒めるときに最適。ごま油には、心臓を保護する作用もある。

ディップやドレッシングを作るときに最適な油
エキストラヴァージンオリーブオイル

エキストラヴァージンオリーブオイルの風味が、パンに塗って食べるディップやサラダをさらにおいしくしてくれる。ポリフェノールや一価不飽和脂肪酸がたっぷりなのもうれしい。

揚げ物に最適な油
ピーナッツオイル

発煙点が高く、クセの無い風味のピーナッツオイルは、ジャガイモや鶏肉などを揚げるのに最適。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: TAI IBITOY Translation :Yukie Kawabata

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