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「話を聞いてドッキリだと思った(笑)」女芸人界のトップ、3時のヒロイン・福田麻貴さんインタビュー

  • 2023.4.22
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最初は取材に若干戸惑っていた様子の3時のヒロイン・福田麻貴さん。でも人間味溢れる話しっぷり、ちょいちょい笑かしてくるオチのコメントはさすが人を楽しませるプロ! 女芸人界のトップに上り詰めた彼女のぎっしり詰まった語録をご堪能ください♡

奔放な2人をまとめるのは大変。子育てみたいでした

出典: 美人百花.com

「マネージャーから『美人百花の【幸福美女図鑑】って企画です』って言われたときはホンマにドッキリかなと。そんなわけないやんって、いまだにちょっと半信半疑なんですけど。これ、ロンハーじゃないですよね?」

――(笑)。ドッキリどころか、読者にファンが多くて出ていただきたかったんですと伝えると「マジですか? 美人百花さんの読者が? え、うれしい!」と、ほころぶような笑顔。素直なリアクションに、愛らしい人だなと思った。

「3時のヒロインを組んだとき、相方の2人は年齢も芸歴もすごい下の後輩だったので、『売れたい』という野心がまだそんなになかったのに対して、私は30歳に近付いていて、借金もしていたし、人生を立て直すには売れるしかなかったので、温度差はめちゃくちゃありました。2人とも違った意味で奔放だからまとめるのが大変で、子育てみたいでしたね(笑)。『THE W』の決勝のときも、ここで優勝しなかったらもうチャンスはないって私は切羽詰まっていたけど、2人は優勝したいって目をしてなくて(笑)。『決勝までいけた、イエーイラッキー♪』ぐらいな雰囲気(笑)。なので会社とか部活みたいな感じで士気を上げるところから始めました。こっちの目標を押し付けるんじゃなく『2人はどうなりたい?』『そのためにはどうしたらいいと思う?』って、もうカウンセリングみたいな感じで目標を共有していきました」

ホルモンみたいのがめっちゃ出て気持ちいい!って燃えたぎる

出典: 美人百花.com

――まさに「猛獣使い」の異名がぴったり。ただ、最近は心境の変化もあったそう。

「優勝前はとにかく3人でビッグになりたいって思いが強かったんですね。でも、幸せの形もやりたい方向性もそれぞれ微妙に違う。だったら1人1人個々の力を高めて、3人集まったときに『やっぱりすごい』って言われるようになればいいんじゃないかと。そう思ったら変な力が抜けて。今はシンプルに楽しいです」

――そんな福田さんがお笑いの世界に入ったのは大学生だった20歳のとき。「来年には売れる」つもりが10年以上叶わず、3時のヒロインを結成し、ようやくブレイクを果たす。

「本当に良かったし、報われました。でも、いまだにネタを書いていても『おもろいってなんやっけ?』ってなるのはあるあるだし、バラエティーなんかも『私、おもろないよな』って思いながらやっていた時期もいっぱいあって。そこで先輩や芸人仲間に褒めてもらって『え、おもろかったん?』って救われるっていう繰り返し。そもそも自分はお笑い的に未完成なまま売れちゃったっていう感覚があって、それがモチベーション。完成していないからこそ、もっとがんばらなってずっと思えている気がします」

――そこまで福田さんをつかんで離さない、お笑いの魅力ってなんでしょう?

「月並みで申し訳ないけど、ネタがウケたときの快感。脳内ホルモンみたいのがめっちゃ出て、気持ちいい!って燃えたぎる。お笑いの醍醐味はそれだけ。そこに尽きます。逆にスベるのは恐怖だけど、今はもう慣れました。プライドさえ捨てれば『スベってもいっか』マインドになれる。そうなったら楽ですよ」

やりたいからやっているし、イジられてもそれはそれで得

出典: 美人百花.com

――福田さんはお笑い以外にアイドルグループのプロデュースや作詞、エッセイ執筆なども手がけ、実はかなり多才。

「キャラクター的にそういうことをしなさそうに見えると思うんで、本当ブランディングをミスったなと(笑)。でもみんな、うっすらやりたい気持ちはあるけどやらないことって結構あるじゃないですか。私は、やりたいけど大変だから来世でやろうって思ってたことも、誰かに『向いてるよ』って言われると、自分の中にちょっとでもその才能があるなら、伸ばしたいと思うタイプ。おかげで休みの日はいろんな締め切りに追われていますけど、自分の世界に入るのはめっちゃ好きなんでそれも至福の時間です。まあ、いつも夕方の4時くらいまでダラダラして、予定の10%ぐらいしかやらないんですけどね」

――楽しみは「ひとりの時間」。最近は「お風呂でワイン」にハマっているそう。

「お風呂で枝付きレーズンをつまみにワインを飲みながら、動画を観るのが日々の楽しみ……とか言うと、芸人がイタすぎるやろってイジられるかもしれないですけど、誰に見せるものでもなくやりたいからやっているし、イジられてもそれはそれで得です。それに根はホンマにズボラなんですよ」

今の方が無邪気。この先も情子供みたいに熱とか熱さを持って無垢を目指したい

――こんなにいろいろできる人なのに根はズボラっていうのも、極端ですよね?

「ちゃんとしたいなとは思っているんですけどね。何かを継続するのも苦手なので、願いが叶うならコツコツやれる人になりたいです。あと外見の美しさよりも、心に汚れのない人になりたいと思っていて。人は顔の造作じゃない、内面の素敵さだなって小5くらいのときに気付いて。年齢を重ねると積み重なってくる経験による無駄な汚れを捨てて、どんどん無垢になっている人はキレイだなって思うんですよ」

――というか「美人は内面の素敵さ」って悟った〝小5の福田麻貴〟がすごいです。

「その頃の方がクールだったかも。世の中のことは大体わかった気になっていて、あとは大人になって確認しようっていうふうに俯瞰で見ていました。内面で努力しようと思ったのも、子供の頃は幼稚園の先生が可愛い子しか可愛がらなくて自分は見向きもされなかったから、外見の違いって残酷やなって思うことが多かった。だからこそ生まれ持った自分の顔をダメって諦めるんじゃなく、内面を磨いて自信を持てば顔つきも変わっていくと思ったんです。すると子供の頃はブサイクって言われてたのに大人になるにつれて私の顔がタイプって言ってくれる人も出てきて。ある一定層にはこの見た目が刺さるんやなって、自信になりました(笑)」

――34歳の現在、クールな俯瞰少女だった小5の頃より目線が下がり丸くなったとか。

「大人になるにつれて優しい気持ちとか愛情を知っていって、子供の頃より真正面から素直に物事を捉えるようになりました。だから今の方が無邪気。この先もいい意味で子供みたいに情熱とか熱さを持って無垢を目指したいです。ただ女としてはね、結構干からびているんで(笑)、そういうとこにも気を使っていきたいですね」

――インタビュー後も「私、イタくなかったですか? 大丈夫?」と心配していた福田さん。そういうとこ、可愛くてグッとくる。全然干からびてないですから。

Profile

福田麻貴(ふくだまき)

1988年10月10日生まれ。2017年に後輩のゆめっち、かなでとお笑いトリオ「3時のヒロイン」を結成。2019年「女芸人No.1決定戦 THE W 2019」で優勝。芸人活動のほか女優、エッセイ執筆、アイドルのプロデュースなども務める。

掲載:美人百花2023年4月号「幸福美女図鑑」

撮影/永谷知也(Will creative) スタイリング/梅津美羽 ヘアメイク/中村未幸 取材・文/若松正子 再構成/美人百花.com編集部

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