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世界遺産・五島福江島へ。潜伏キリシタン文化と美しい自然を訪ねる島旅

  • 2023.4.22
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こんにちは、絶景ハンターのまゆみです。

福原遥さんが主演した朝のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』。

物語の舞台となった長崎の五島列島は、2018年の世界遺産登録をきっかけに注目を集めました。

そして今、このドラマの影響でさらなる熱視線が注がれる、話題の観光スポットのひとつです。

そんな五島列島の中で最大の島面積を誇る福江島は、潜伏キリシタンの歴史遺産をはじめ、自然豊かな絶景の宝庫!今回は、福江島ならではの絶景スポットと、五島のおすすめグルメをご紹介します。

五島列島の福江島とは

Photo by Mayumi

長崎本土から西の海上約50~100kmに浮かぶ五島列島。

縦長に伸びる列島は、北東側の中通島(なかどおりじま)を中心とした「上五島」と南西側の福江島(ふくえじま)を中心とした「下五島」の二手に分けられ、大小150余りの島々で構成されています。

下五島に属する福江島は五島列島の中で最大の島面積を誇り、約3万3,000人の人口を有する五島の中でもっとも栄えた離島です。

そのため、他の島に比べ、潜伏キリシタンの教会群や見どころが多いのも特徴のひとつ。今回は、その主な見どころをご紹介していきます。

潜伏キリシタンの祈りの教会群

福江島には14カ所の潜伏キリシタンによるカトリック教会が現存しています。その中から代表的な3つをご紹介します。 ※教会を訪れる際には、信者の方々の迷惑にならないようマナー厳守です。事前に「教会を訪れる際のマナー」をご確認ください。

堂崎教会

Photo by 長崎県観光連盟

福江島北東部、奥浦地区に建てられた、五島キリシタンのシンボル的存在である「堂崎(どうざき)教会」。

明治6年(1873年)に禁教令が解かれ、信教の自由を手にした4年後、フランス人宣教師フレノーとマルマン両神父が来日。五島キリシタンの復興に尽力し、木造の教会堂が建造されました。

その後、2代目司祭に就任したペルー神父によって明治41年(1908年)、現在の赤レンガ造りの新教会堂が完成したとされています。

県の有形文化財にも指定された同教会。赤レンガの教会は青空に映え、目の前に広がる海もどこまでもブルーですよ。

水ノ浦教会

Photo by Mayumi

福江島北部の岐宿(きしく)地区に建つ「水ノ浦教会」。

もとは明治13年(1880年)、水浦湾を見下ろす集落の高台に建てられていましたが、長年の潮風による老朽化で解体。その後、昭和13年(1938年)に現在の地に新築されました。

明治から昭和初期にかけて活躍した教会堂建築の第一人者・鉄川与助による設計施工で、ロマネスクとゴシック、さらに和のテイストが加わった壮麗な教会は、木造教会堂としては最大規模を誇るといわれ、その内部構造は長崎市にある大浦天主堂と同型だとされています。

こちらも白亜の聖堂が青空に映えて、昭和初期に建てられたとは思えない美しさです。

井持浦教会

Photo by Mayumi

福江島南西端の玉浦地区に建つ「井持浦(いもちうら)教会」。

明治30年(1897年)、フランス人宣教師ペルー神父の指導の下、五島に創建された最初のレンガ造り教会堂で、信徒の増加とともに改築を重ねた末、台風で倒壊。昭和62年(1987年)、現在のコンクリート製の教会に生まれ変わりました。

敷地内には、カトリックにおける聖地ルルドに存在する聖泉「ルルドの泉」を模した「ルルド」が作られ、「第2のルルド霊泉地」として全国のカトリック教徒から篤く信仰されているそうです。

日本有数の美しさを誇るビーチ

沖縄にも匹敵する美しさを誇る海にもご注目を。

高浜海水浴場

Photo by 長崎県観光連盟

福江島北西部、嵯峨ノ島を正面に広がる「高浜海水浴場」。

透明度の高いエメラルドグリーンの海と幅400mほどの白砂のビーチは、「日本の渚百選」「日本の快水浴場百選」にも選ばれるほどで、「日本一美しい」と形容されることもしばしば。五島の自慢のビーチです。

ビーチにはシャワーやロッカー、脱衣所も完備されており、海水浴シーズン(7月中旬~8月下旬)には大勢の海水浴客でにぎわいます。

小浦海水浴場

Photo by Mayumi

福江島南西部、井持浦教会のある玉之浦の半島先に広がるのが「小浦海水浴場」。

幅200mほどのコンパクトなビーチですが、入り組んだ地形の湾に押し寄せる波は穏やかで、また遠浅のため、小さな子どもでも安心して海水浴を楽しめます。

基本的に福江島周辺の海はどこをとっても美しいですが、小浦海水浴場は飛びぬけた美しさが感じられました。

こちらもトイレやシャワーが完備されており、夏のシーズンは地元客や観光客で混雑しています。

福江島のシンボル「鬼岳」

福江島南東部にそびえる「鬼岳(おんだけ)」は福江島のシンボルともいわれています。

夏の鬼岳

Photo by 長崎県観光連盟

フェリーで福江港に入港する際、まず目に飛び込んでくるお椀形状の山が「鬼岳(おんだけ)」です。

標高315mの丸み帯びた山は太古の昔、火山活動によって形成されたもの。春夏には山全体が緑の芝で覆われ、草原のような絶景が望めます。

鬼岳には散策路や東屋などが整備されているため、ピクニックが楽しめるほか、火口の尾根伝いの散策路からは福江の街並みや美しい海が一望できますよ。

冬の鬼岳

Photo by Mayumi

こちらは冬の鬼岳。緑の芝は金色に変わり、まるで黄金のじゅうたんのよう。季節によって表情を変える鬼岳が楽しめます。

鬼岳天文台の星空ナイトツアー

Photo by 長崎県観光連盟

「五島を訪れる人たちに美しい宇宙を見てほしい」という想いから設置された「鬼岳天文台」。九州でも有数の天体望遠鏡を備え、光害の少ないこの場所で、迫力ある満天の星空や天の川を鑑賞できます。

※前日17時までに事前予約が必要です。

森林浴が楽しめる穴場の「ドンドン渕」

Photo by Mayumi

福江島北部岐宿地区にそびえる権現岳。その麓の森を流れるのが「ドンドン渕」です。

五島では最大といわれる滝ですが、実際はややコンパクト。とはいえ豊富な水量で「ドーンドーン」と岩に打ちつけ、まるで太鼓のような音を轟かせて流れ落ちることからこの名がついたとか。

Photo by Mayumi

駐車場から歩いてわずか5分ほどの距離ですが、ちょっとした森林浴気分が味わえます。島の子どもたちにとっては格好の水遊び場で、夏場は家族連れでにぎわうそうですよ。

五島といえば「椿」

Photo by Mayumi

五島を代表する花として、また市の花にも認定されている「椿(ヤブツバキ)」。

椿の木は防風林として、椿の実は薪炭材あるいは椿油や食用に加工され島の大事な収益源として、古くから島民の暮らしとともにあり、また潜伏キリシタンらにとっても信仰上で欠かせない植物でした。

2月のシーズンには島のいたるところで椿が咲き、特に、鬼岳中腹に位置する五島椿森林公園(五島椿園)では自生するヤブツバキをはじめ、約259品種・2,800本もの椿の共演が鑑賞できます。

Photo by Mayumi

中でも、この白く縁どられた艶やかな「玉之浦椿」は、五島で偶然発見されたヤブツバキの変異種であり、「幻の椿」とも呼ばれています。世界の椿愛好家が愛してやまない五島自慢の名花は、五島椿森林公園でも見ることができます。

みなぎる生命力!九州最大級の「アコウの木」

Photo by Mayumi

九州や四国など暖かい地域に生息するアコウの木。

大地に根を張り無数の枝や気根を四方に伸ばして、生命力みなぎる姿が印象的なアコウの木ですが、五島に存在するアコウの中でも圧倒的な大きさを誇るのがこの「樫ノ浦のアコウ」です。

根廻り約15m、樹高は10mを超え、四方へ延びる枝は20mに及び、その大きさは県下随一または九州最大級ともいわれています。

すさまじい生命力と存在感で圧倒されますが、意外にも建物の裏側にひっそりとたたずんでいます。

五島のご当地グルメ

せっかくなので五島のご当地グルメもご紹介。今回は数あるご当地グルメの中でも代表的なものを2つご紹介します。

高級黒毛和牛の幻のブランド牛「五島牛」

Photo by 長崎県観光連盟

五島の潮風を受け、ミネラルたっぷりの牧草と豊かな自然環境で飼育された五島牛は、肉質柔らかく、ほどよいサシと、赤身と脂身のバランスがとれた一級の高級黒毛和牛。市場に出回る量が少ないことから「幻のブランド牛」ともいわれています。

それが、リーズナブルな値段で手軽にいただけるのはご当地ならでは。肉好きは必見です。

かっとっぽ

Photo by 長崎県観光連盟

とにかくユニークでインパクト大の郷土料理「かっとっぽ」。

ハコフグを器に見立て、その身と肝、味噌や生姜、ネギ、ニンニクなどを併せて酒を加え、おなかに詰めてコトコト焼き上げる衝撃のご当地グルメです。

酒のアテにぴったり、白飯にも合うとして、一度食べればクセになり、リピーター続出だとか。島内の居酒屋などでいただくことができますよ。

五島の歴史と美しき自然に触れる島旅へ

NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』で新たに脚光を浴びた五島列島。興味を持った方は、実際に足を運び、自分の目で見て体感すれば、新たな発見や感動を味わえるでしょう。

潜伏キリシタンに関する関連遺産は五島の島々に点在し、また同じ五島列島でも島それぞれに魅力が異なります。ぜひ福江島を拠点にしながら、五島の旅を楽しんでみてくださいね。

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