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日本の刑務所に入っていたことも、23年最高傑作『BEEF/ビーフ』に影を落とすデヴィッド・チョー騒動とは

  • 2023.4.18
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2023年エミー賞ノミネートの呼び声が高い新作ドラマ『BEEF/ビーフ』。批評家から絶賛されている本作が、性的暴行騒動の渦中にいる。そして告発を受けた役者のその後の行動が、さらなる炎上を招いている。(フロントロウ編集部)

エミー賞の呼び声も高い『BEEF/ビーフ』

A24が制作して、2023年4月6日からNetflixで配信されているドラマ『BEEF/ビーフ』。

本作は、業績不振に悩む工事業者のダニー(スティーヴン・ユァン)と、億万長者になる契約を結ぶ寸前の起業家エイミー(アリ・ウォン)が、運転中のいざこざであおり運転をし合ったことから、壮絶なビーフ(不仲)が幕開けるドラマ。

社会的階級の差、世代間トラウマ、ジェンダー差、モラル、メンタルヘルスなど多様なテーマを取り上げる本作は、韓国系、ベトナム系、日系と、多様なルーツを持つアジア系たちが登場し、それぞれの文化的・歴史的背景がストーリーに色を加えていることでも画期的な作品。ただ一方で、これまでにないレプリゼンテーションがありながらも、人生への怒りやプレッシャーという万国共通なテーマを扱っているため、すべての人に共感できる作品に仕上がっている。

ロッテントマトでは批評家スコア98%となっている『BEEF/ビーフ』。Netflixは2023年9月のプライムタイム・エミー賞のリミテッド/アンソロジー部門に本作を申請しており、絶対するべきではない暴挙をしまくるのに悪人には見えないリアルな演技を見せる、スティーヴンとアリのエミー賞初受賞も期待されている。

アイザック役のデヴィッド・チョーの性的暴行発言が掘り起こされる

『BEEF/ビーフ』がドラマ業界で高い評価を得るなか、4月6日の配信開始から少し経った頃に、騒動が起きた。アイザック役のデヴィッド・チョーの性的暴行疑惑が再浮上したのだ。

そう、再浮上。じつはデヴィッドには以前から性的暴行疑惑があるのだ。

画像1: アイザック役のデヴィッド・チョーの性的暴行発言が掘り起こされる

最所に騒動が起きた2014年当時、デヴィッドはアーティストとして活動していた。

20代後半のときにアーティストとして日本を訪問したときに、セキュリティスタッフを殴り、日本の刑務所で数か月間過ごした経験があるデヴィッド。この時の経験が彼の混沌とした作品に少なからず影響を与えているという。そんな彼はその後、フェイスブック(現メタ)のマーク・ザッカーバーグの依頼で作品を描き、ホワイト・ハウスにも作品が置かれていたことがある。そして『BEEF/ビーフ』では、デヴィッドの作品が毎エピソードのタイトルアートとして使われている。

画像2: アイザック役のデヴィッド・チョーの性的暴行発言が掘り起こされる

そんなデヴィッドは2014年、自身のポッドキャスト番組『DVDASA』のなかで、マッサージセラピストの前で自慰行為を行ない、女性に性的行為を強要したことを自慢げに話し、「最初に(同意するか)尋ねたりしない。やるだけだ」「彼女の目は同意していた」「レイプっぽい行為であることは認めるが、自分はレイピストではない」と語った。

この発言は2014年当時に問題になり、デヴィッドは、現在は閉鎖されているポッドキャスト番組のページに声明を発表。「目が覚めたら自分がレイピストと呼ばれる日がくるとは思いませんでした。最悪です。だって、私はそうではないので。私は強姦魔ではありません。私はレイプ犯が大嫌いで、レイプ犯はレイプされて殺されるべきだと思っています」と不満を漏らすと、ポッドキャスト番組は「アートの延長線上」だとして、「友人や番組の共演者たちを挑発」することが番組の目的であり、話した件は実際に起きたことではないと釈明。「時に、人々を不快にさせるアートなのです。この物語が事実であると信じていた人がいたとしたら、申し訳ない。そうではないのです」と語った。

デヴィッドの発言に対しては、当時、アジア系アメリカ人の市民権と人権を向上させるために活動する団体Asian Americans Advancing JusticeのLA支部をはじめ、複数の団体が共同声明で強く批判。「チョーの話は、多くの男性と女性が信じる厳しい現実である、強要は暴行やレイプとはみなされないという危険な嘘を反映しています。法的な定義からは、同意を得られない場合は性的暴行行為を行っていることになります。 カリフォルニア州の法律では、『同意』とは、自由意志の行使に従って行為や態度に積極的に協力することを意味すると定義されています。チョーの話からは、マッサージ師の度重なる抗議に加え、彼の身体的な強要は、彼の要求した行為に彼女が同意していなかったことを示しています」と語った。

アリ・ウォンはツイッターを閉鎖、デヴィッドの行動がさらなる炎上招く

デヴィッド・チョーの騒動が炎上を続けるなか、『BEEF/ビーフ』の主演俳優であるアリ・ウォンが公式ツイッターを突如閉鎖。これは、デヴィッドの件でアリに多くのコメントがいった結果ではないかと見られている。

画像: 一般には非公開となったアリ・ウォンのツイッター。
一般には非公開となったアリ・ウォンのツイッター。

一方、デヴィッドは周囲を驚かせる行動に出た。

2014年のポッドキャスト番組の動画をソーシャルメディアに投稿する行為は著作権の侵害にあたるとして、ツイッターに当該動画を使用したツイートの削除申請を出していたことが発覚したのだ。

著作権を理由にツイートを削除された人が、ツイッター社から受け取ったというメールの内容を公開したことで、デヴィッドが立ち上げたNPO団体David Choe Foundationが動画の権利を所有しているという理由で、デヴィッド本人がツイッターに削除依頼をだしていたことが明るみになった。

この行為はさらなる炎上を招いているが、現時点で、デヴィッドからはコメントはない。(フロントロウ編集部)

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