「少年の知性に魅了」された異色のファーストレディ、ブリジット・マクロンが70歳に！

2023.4.19
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仏大統領夫人のブリジット・マクロンは4月13日に70歳の誕生日を迎えた。フランスの地方都市、アミアンのフランス語教師だったブリジットは献身的な女性だ。彼女が信じ、実践してきたモットーは「夢を信じる」こと。

マスコミの前に初登場したのは2015年6月2日、大統領官邸エリゼ宮にて、経済大臣である夫と共に。photography: Getty Images

夫のエマニュエル・マクロンは2017年仏大統領に選出され、2022年に再選された。この6年間、ブリジット・マクロンは自分の役割をこころえ、陰になり日向になり夫を支えてきた。

経済大臣だった夫エマニュエル・マクロンに伴われて、マスコミの前に彼女が初めて登場したのは2015年のこと。以来、25歳年下の教え子と恋に落ちた元フランス語教師について、誰もが知りたがった。本人が好んで口にするように、「自分の夢を追うためにすべてを手放した」この女性について。

文章を書くことが好き。

ブリジット・マクロンは1年ほど前、「人生には、一生を左右するような選択をしなければならない時がある」とフランス版「マダム・フィガロ」に語ったことがある。

彼女に決定的な瞬間が訪れたのは1993年、39歳の時だった。イエズス会がアミアンで運営するカトリック系高校でフランス語を教えていたブリジットは演劇部の顧問も務めていた。それがきっかけで、まだ15歳だった部員のエマニュエル・マクロンと出会ったのだ。ブリジットは地元でチョコレート製造業を営む裕福なカトリックの家に6人きょうだいの末っ子として生まれ、39歳の当時は銀行家のアンドレ・ルイ・オジエールと結婚していた。ふたりの間には3人の子ども——現在48歳のセバスチャン、46歳のローランス、39歳のティフェーヌ——がいる。

教師のブリジットは「少年の知性に魅了」された。出会った翌年、自分の生徒となったエマニュエルとともに、ブリジットはエドゥアルド・デ・フィリッポの戯曲『L’arte della Commedia』のフランス語版を手直しする作業を行うことにした。金曜日になると、ふたりで意見を出しあいながら執筆作業を進めた。いつしかこの場はふたりが会っておしゃべりをするための口実となった。だがブリジットは想いを断ち切り、エマニュエル・マクロンは進学のためにパリの学校へ転校していった。

ブリジットがパリへ上京して教え子と再会するのは実に10年後のことである。29歳のエマニュエル・マクロンは財政監査官として働きはじめていた。2006年1月に前夫との離婚が成立したブリジットは、2007年にエマニュエル・マクロンと再婚する。ブリジットは53歳になっていた。

注目のカップル。

以来、ふたりは数々の好奇の目にさらされてきた。年齢差に対する意識変革のお手本と持ち上げられる一方で、批判やからかいの対象にもなった。最初の大統領選の時からエマニュエル・マクロンは機会がある毎に妻と登場し、噂好きの人々を黙らせてきた。

夫が大統領となった後のブリジットは、ほかのファーストレディ同様に、自分の地位を活用して有意義な社会活動の支援を行なっている。2019年、彼女はベルナデット・シラク元仏大統領夫人の後任として、入院患者の生活向上をはかる「病院財団」の会長に就任した。翌年には、同財団が支援している入院患者の子どもや青少年のためのチャリティキャンペーン、「イエローコイン」の活動も引き受けている。

孫は7人。

自分の子どもたちとは仲が良いブリジット。孫も7人おり、家族のことはいつも気にかけている。

数年前、ラジオ局RTLの取材にこんなふうにも語っている。「子どもたちがエマニュエルと暮らすことを許してくれなかったら、諦めていたでしょう。（中略）子どもたちが嫌な思いをすることだけは避けたかった。みんなから非難されてもセバスチャン、ローランス、ティフェーヌは味方でいてくれたのです」と。

数々の批判を乗り越えたブリジットは4月13日、70歳を迎えた。

【写真】ブリジット・マクロンの歩み。

マスコミの前に初登場したのは2015年6月2日、大統領官邸エリゼ宮にて、経済大臣である夫とともに。

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ジロンド県タランスで支持政党「前進」の集会に臨むブリジット・マクロンの自信に満ちた表情。（2016年12月13日）

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大統領選の選挙活動中、フランス南西部ピレネー地方のバニェール・ド・ビゴールにて、リラックスした雰囲気のマクロン夫妻。（2017年4月12日）

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大統領選の選挙活動中の2017年4月22日、ふたりのお気に入りのリゾート地、ル・トゥケでのウォーキングに参加したマクロン夫妻。

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パリのベルシー地区で行われたエマニュエル・マクロン支持集会で、娘ふたり、ローランス・オジエール・ジュルダン（左）とティフェーヌ・オジエール（右）に囲まれたブリジット・マクロン。（2017年4月17日）

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勝利のキス： 2017年4月23日の大統領選第一回投票後、パリのエキスポ会場で妻にキスをするエマニュエル・マクロン。

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2017年5月14日、夫の大統領就任式に出席するため、単身で大統領官邸エリゼ宮に到着したブリジット・マクロン。

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大統領選に勝利後のマクロン夫妻。（ル・トゥケ、2017年6月17日）

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ブリジット・マクロンと当時のアルゼンチン大統領夫人ジュリアーナ・アワダ。（パリ、2017年6月7日）

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当時米大統領だったドナルド・トランプはメラニア夫人とワシントンでマクロン夫妻を出迎え、ホワイトハウスの敷地内で記念植樹をおこなった。（2018年4月23日）

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インド公式訪問中のマクロン夫妻。（ニューデリー、2018年5月10日）

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大統領官邸エリゼ宮の階段で、ウクライナのゼレンスキー大統領を待つブリジット・マクロン。

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ルーヴル美術館の中庭クールカレで行われた画家ピエール・スーラージュの追悼式に向かうマクロン夫妻。(パリ、2022年11月2日)

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テレビのニュースキャスターとして知られたジャン＝ピエール・ペルノーの葬儀に参列したブリジット・マクロンとニコラ・サルコジ、カーラ・ブルーニ・サルコジ。（パリ、2022年3月9日）

photography: Pierre Suu / Getty Images

大統領再選を目指すエマニュエル・マクロンの政治集会で、ジャン・カステックス元仏首相、バルバラ・ポンピリ、フランソワ・バイルらの政治家に囲まれるブリジット・マクロン。(パリ、2022年4月2日)

photography: Jean Catuffe / Getty Images

2022年にエマニュエル・マクロンは仏大統領に再選された。その傍らには常に誇らしげなブリジット・マクロンがいた。撮影場所はエッフェル塔近くのシャン・ド・マルス。（パリ、2022年4月24日）

photography: Antoine Gyori - Corbis / Getty Images

2022年5月7日、エマニュエル・マクロンの2度目の大統領就任式がパリでおこなわれ、ブリジット・マクロンの娘ティフェーヌ・オジエールが夫のアントワーヌ・ショトや子どもたちとともに出席した。

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G7開催中のバイエルンで、他のファーストレディとノルディックウォーキングをするブリジット・マクロン。（2022年6月26日）

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G7配偶者プログラムのハイキングに参加したブリジット・マクロン。典型的なバイエルン地方の山小屋で一休み。一緒にいるのはシャルル・ミッシェル欧州理事会議長のパートナーのアメリー・デルボードレンギエン、オラフ・ショルツ独首相夫人のブリッタ・エルンスト、ボリス・ジョンソン首相夫人のキャリー・ジョンソン。（2022年6月27日）

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