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俳優・板垣李光人さん「芝居以外のことは視野を狭く深くしていきたい」【いま彼】

  • 2023.4.17

レディたちが気になる「彼」の本音に迫る『#いま彼を知りたい』。今回は俳優・板垣李光人さんのインタビューを後編をお届けします。

前編はこちらからチェック!>>>

僕も〝普通の高校生〟役は新鮮で変な感じだった(笑)

出典: 美人百花.com

――これまで〝ジェンダーレス男子〟や〝愛着障害を持つ男子高校生〟など、複雑な内面を抱える役が多かった。そのため最新作の映画「なのに、千輝くんが甘すぎる。」でヒロインの真綾に片想いをする普通の高校生男子・手塚を演じる板垣さんがやけに新鮮(笑)。

「僕も新鮮。見慣れなさすぎて、この作品にいて大丈夫かな?って変な感じでした(笑)。しかも、手塚は(高橋恭平演じる)千輝のライバルって紹介のされ方をしているのに、相手の真綾の気持ちが手塚へ揺れ動くわけでもない。それでも手塚はずっと気持ちをぶつけ続けるっていう役で、自分とは真逆。僕は基本的に厄介ごとや面倒臭いことが嫌いなんです。なので友達と同じ人を好きになった時点ですぐ引いちゃうし、片想いもしないです(笑)」

――でも、キラキラした作品の世界観の中で手塚だけはちょっとダークで屈折したキャラ。そこがリアルでもある。

「確かに手塚にはあの時期特有の男子の変な意地の張り方とか、まだ自己との対話がままならない感じがあって。そのへんは僕もわかるし、人間らしい描き方になっています。ただ、作品全体のことを考えると、手塚ひとりだけリアリティーを一点集中で求めすぎるとバランス的に変な動きになってしまう。だからディープになりすぎないよう、主人公ふたりの胸キュンシーンを要所要所で締めるみたいな。監督と話し合いながら、それぐらいのほどよさを表現するようにしました」

どうすればこの作品に良い影響をもたらすことができるのか常に考えてる

出典: 美人百花.com

――現場では「まず全体を見て芝居のテンションやニュアンスを意識する」とのこと。それは作品を俯瞰する作り手目線に近い。だから板垣さんは自分の立ち位置や方向性を見失わず、迷子にもならない。

「でも、以前は自分のことや自分の芝居を考えるだけで精一杯。ちゃんと周りを見られるようになったのはここ1年ぐらいです。いろんな方々と共演させて頂く中で、現場や芝居との向き合い方、姿勢っていうものを意識し始めて。役だけに集中するのも役者としては大事だけど、作品作りって観点においてまず全体を客観視する。その上で自分の佇まいや在り方を考える第三者目線を持てるようになりました」

――「第三者目線」の先にあるのは「良い作品を作りたい」という純粋な衝動。この仕事をする上で譲れない想いでもある。

「今、大河ドラマ『どうする家康』で井伊直政役をやらせてもらっているんですが、そこでもあれだけ大勢のキャストがいる中で自分はどういう表現をしていけばいいのか。どうすればこの作品に良い影響をもたらすことができるのか常に考えていて。とにかくただ、ただ、良い作品を作りたいって気持ちでやっています。でも一方で芝居以外のこと、それこそファッションのこととか絵を描くときはいい意味で自己中心的に視野を狭く深くしていきたい。そして、自分にしかできない表現をいろんな人に届けたいと思っています」

――撮影中は女性でも羨ましくなるような華奢で繊細なビジュアルにずっと見とれていた。でも、マインドは逆。想像以上にたくましく、骨太な人だ。

ベスト¥242,000/シュガーヒル(シック)シャツ¥27,500、ブーツ¥55,000/ともにカイコーパンツ¥55,000/シーバ(イーライト)その他/スタイリスト私物

Profile

板垣李光人(いたがきりひと)

2002年1月28日生まれ。11歳の頃から俳優活動をスタート。「カラフラブル〜ジェンダーレス男子に愛されています。〜」や「silent」などのドラマで注目される。NHK大河ドラマ「どうする家康」に出演予定。

Information

「なのに、千輝くんが甘すぎる。」

出典: 美人百花.com

人生初の告白で玉砕した高2の失恋女子・真綾。そんな彼女に学校一モテ男子・千輝くんが「オレに片想いすれば?」と〝片想いごっこ〟を提案。好きになってはいけない約束で始まった、危うい〝ごっこ〟の行方は!?

出演:高橋恭平(なにわ男子)、畑芽育、板垣李光人ほか

配給:松竹

公開中

掲載:美人百花2023年4月号「#いま彼を知りたい」

撮影/中村完(f-me) スタイリング/伊藤省吾 ヘアメイク/KATO(TRON) 取材・文/若松正子 再構成/美人百花.com編集部

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