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30代半ばで脱サラ、未経験でレストランオーナーへ。地元で愛されるトマトソースが誕生するまでの話

  • 2023.4.19

HBC北見放送局・パーソナリティの森野華奈です。今回は、「地元オホーツクエリアで採れたトマトの魅力を伝えたい」という熱い想いを持った、北見市のレストランオーナーの取り組みをご紹介します。

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「オホーツクトマト食堂 たまごのじかん」外観

30代半ばで脱サラ、レストランオーナーへ

北見駅から車で10分、住宅街にある人気の「オホーツクトマト食堂 たまごのじかん」。
オーナーを務めているのは、三浦サトシさんです。

三浦さんは、30代半ばにして脱サラをし、奥様と共にレストランをオープンしました。

もともと、農協職員として働いていた三浦さん。
レストラン運営にチャレンジしたきっかけは、三浦さんのおじいさんの存在が大きいといいます。農業を営んでいたおじいさんは、おいしい野菜作りだけではなく、市場を見極めて作物を決めたり、面積あたりの収穫量を増やす工夫をしたりなど、ビジネスの視点からみた農業にもやりがいを感じていたんだそう。

そんなおじいさんの姿に影響を受け、「農業に携わる仕事がしたい!」との強い思いで農協へと就職した三浦さん。12年間職員として経験を積み、30代半ばの頃、思い切って、自らレストラン経営へと挑戦します。

「どうしてレストランなの?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、三浦さんは農協職員としての経験を積む中で、「6次産業化(※)」のビジネスに可能性を感じたんだそうです。

※「6次産業化」=農林漁業者(1次産業)が、農産物などの生産物の元々持っている価値をさらに高め、それにより、農林漁業者の所得(収入)を向上していくことです。(参考:農林水産省ホームページ「農山漁業の6次産業化」)

農協の仕事を通し、自分が目標とする農業と経営の未来像がふんわりと見えてきたという三浦さん。このときから、農産物を生産するだけではなく、加工と販売も一つとなった総合的な事業経営を考えるようになったんだそう。
とはいえ、はじめは何を作り、どう加工して、どんな商品をどんなルートで売るのか…具体的な構想などはなかったといいます。
まずは加工と販売のノウハウをつけようと、洋食店で働きながら、調理師学校に通い西洋料理を学び、そこから研究の日々が続いたといいます。

そして、ついに2001年。
洋食レストラン「オホーツクトマト食堂 たまごのじかん」をオープンしました。

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メニューの一例

新たな夢「トマトソースの”面白さ”を伝えたい!」

無事にレストランをオープン!…そこからも、三浦さんの挑戦は、続きます。
レストラン運営をしながらも、北海道で作ったものを活かし、いつかは事業化をしたいと考えていた三浦さん。

そこに、転機はやってきます。自ら料理を作り続ける中で、三浦さんはとあることに気付きます。

それは、イタリア料理に必要なトマトソースは、外国産のトマトを使ったものがほとんどだということ。三浦さんは「当時は国産のトマトを使ったものはほとんど入手できなかった」と当時を振り返ります。実際に、三浦さんが国内大手メーカーに問い合わせをして、どうして国産トマトを使わないのか尋ねたところ、輸入品の安さには適わないとの答えが返って来たんだそう。

これを受け、「国産のトマトソースが入手できないなら、自分たちで栽培してみよう!」と、奥様とトマト作りを実験的にはじめたといいます。なんども研究を重ね、そこで誕生したのが、こちらのソース。その名も、 「はじまりのトマトソース」 です。

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「はじまりのトマトソース」と、オホーツク産小麦をつかったパスタのセット

「トマトソースの味の要は、トマト本来の美味しさ。トマトの味が、料理の出来も左右するんですよ」と、話す三浦さん。

安心・安全な食材を使って作られた、純粋なトマトソースを届けたい。そんな想いで、オホーツクエリアで栽培されたトマト「なつのしゅん」を使い、今までになかったソースを生み出すことに成功しました。

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レストランの様子
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「調理例

自分たちの手でつくったトマトを使った、こだわりのトマトソース。

いまは、地元で委託栽培をし、必要なトマトを確保する仕組みができましたが、「オホーツクトマト食堂 たまごのじかん」は、ただ今、完全予約制。三浦さんはトマトソースづくりに忙しい毎日を送っています。

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パスタの麺をセットにしたトマトソースも人気を博し、商品を取り扱うお店も徐々に増え、いまでは、オホーツクの玄関口となる女満別空港でも人気のお土産品にランクインするほどの人気の商品に。

一般的に販売されているトマトソースとは別物、トマトをそのまま食べている一口がひろがります、生産、加工、製造、販売をオホーツクで完結、安心して食べることができます。

「『はじまりのトマトスープ』は、パスタのソースとして使用するのはもちろんのこと、ブイヨンで薄くのばしてスープスパにしたり、お肉や野菜と一緒に煮込んでトマト煮込み風のパスタにするのもおすすめです」と話す三浦さん。
「自由な発想でオホーツクの恵みを堪能してみてください」、と想いを込めます。

「はじまりのトマトソース」の各種商品は、Web、電話、メール、SNSから注文できるそうです。一度、三浦さんの情熱がこもったこだわりの逸品。みなさんもぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?

【店舗情報・お問い合わせ先】
オホーツクトマト食堂 たまごのじかん
北見市若葉1丁目10-10
℡0157-36-7795

文・取材:HBC北見放送局・森野華奈

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