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「傍若無人」とはどんな意味の四字熟語?いい意味で使われることはあるの?その由来や類語語は?

  • 2023.4.16

人目をはばからず好き勝手することを「傍若無人(ぼうじゃくぶじん)」と言います。 これは勝手気ままに振る舞うようなことを言う四字熟語です。 しかし、なぜそれを「傍若無人」と表現するのでしょうか?

今回はそれら「傍若無人」の意味について解説します。 それだけでなく由来や語源、類義語についても説明します。

「傍若無人」とは

まずは「傍若無人」の意味についても見ておきましょう。

「傍若無人」の意味

「傍若無人」とは人目をはばからず勝手気ままな言動をすることを言います。 これらは周囲など気にせず好き勝手に振る舞うことの例えです。

なお、近年は横柄や無礼という意味で使用されることもあります。 それら人を人とも思っていないような人に対して使用されることが多いと覚えておきましょう。

「傍若無人」がいい意味で使われることはまずない

「傍若無人」は幅広いニュアンスで使用される言葉と言えます。

しかし、そのほとんどはネガティブな意味合いで使用されます。 そもそもポジティブな意味合いでは使用されません。

あくまでも人目を気にせずに振る舞うという意味となります。 例えば、電車の中で他の乗客がいるのにタバコを吸ったりお酒を飲んだりして騒ぐ輩がいたとすれば、それはまさしく「傍若無人」と言えるでしょう。

中でも、そこに人がいるのにまるでいないかのように好き勝手に振る舞うことを言った言葉が「傍若無人」となります。

「傍若無人」の由来

では「傍若無人」はどこから来た言葉なのでしょうか? ここからはその由来や語源についてまとめます。

歴史書「史書」に登場する『刺客』の性格から

「傍若無人」は古代中国の歴史書「史記」にある刺客の話から来ていると考えられています。

その昔、中国の戦国時代末期に荊軻という刺客がいました。 彼は書物が好きで仲間も多く、毎日のように楽器を弾いて歌って楽しんでいたことで知られています。

しかし、酔いが回ってくると今度は仲間と一緒に大声で泣き出すなど騒がしい一面もあったとされています。 そんな彼の様子を見て、人々は「旁らに人無き者の若し」と言ったのだとか。

その言動を「まるで人がいないかのようだ」と表現したわけです。 そこから「傍若無人」という言葉が生まれたとされています。

ちなみに彼はその後、燕の太子丹の命を受けて秦に赴きました。 そして後の始皇帝となる秦王政を暗殺しようとするが失敗し、最後は逆に殺害されてしまいます。

「傍若無人」を訓読すると・・・

「傍若無人」と訓読みすると「傍らに人無きが若し」と読まれます。

これは近くに人がいないように見えることを言っています。 つまり「傍若無人」は人がいないかの如く好き勝手に振る舞っていることを言った表現ということです。

「傍若無人」の類義語

最後に「傍若無人」の類義語についても見ておきましょう。 「傍若無人」の類義語には「得手勝手」や「傲岸不遜」「唯我独尊」などがあります。

得手勝手

「得手勝手」とは自分に都合の良いことばかり考えて他人の利害を考えないことの例えです。

特に自分だけが良いと思って相手のことをまったく気にかけない様子を表す四字熟語となっています。 とても簡単に表現するのなら、わがまま放題にする様子のことを言った言葉です。

それらの点が「傍若無人」と共通すると言えるでしょう。

傲岸不遜

「傲岸不遜」とは威張り返って人を見下し、へりくだる気持ちがないことの例えです。

「傲岸」は威張り返って人にへりくだらないこと意味します。 「不遜」は思い上がって人を見下すことを意味します。

平たく言えば、偉そうにしている様子のことを指す言葉です。 それらの点が「傍若無人」と似ているのではないでしょうか。

唯我独尊

「唯我独尊」とは自分だけ優れていると自負することの例えです。 この世で自分ほど尊いものはないと自惚れることを言います。

「唯我」はただ自分のみということを意味するそうです。 「独尊」は自分だけが尊いということを意味します。

つまり自分が一番だと勘違いしている様子のことを言います。 その点が「傍若無人」と同じと言えるでしょう。

まとめ

「傍若無人」は人目をはばからず好き勝手することを言います。 この言葉は古代中国で暗躍した刺客から来た言葉となります。 実際にその刺客は人目も気にせず騒いだり泣いたりすることがあったそうです。

ちなみに、現代では良い意味ではまず使用されません。 ほとんど悪い意味となるので注意しましょう。

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