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「なぜ?」洗い終わった食器が汚い!? ささいなことで親の衰えを実感したこと【体験談】

  • 2023.4.15

20年以上前、私がまだ10代だったころ。バイト先のパートさんたちからよく義理の家族に関する話を聞きました。当時の私はまだ結婚というものは縁遠く、まるで別世界の話を聞くような気分。しかし、今や私もそのころのパートさんたちと近い年齢になり、ふとしたときにあのころの会話を思い出しては「こういうことだったのか」と思ったりするように。私が思ったこととは。

洗い終わった食器が汚い理由は

10代でのママさんたちとの出会い

10代半ばの学生時代。バイトを頑張っていたころのことです。普段は夕方からのシフトに入っていた私でしたが、夏休みなどの長期休暇や平日でもお休みの日には昼間のシフトに入ることもありました。昼間はパートさんたちがメインで入っていましたが、休憩時間や手の空いたときなどにはよく私とパートさんとでトークに花が咲きました。

私には、よく話すパートさんが5人いました。全員30代後半から50代半ばの女性で、共通点は結婚していることと、子持ちであること。話題は家庭に関することと健康や体の衰えに関することが大半を占めており、1人は義両親と敷地内同居、他の方は義実家が県外にあると言っていました。

当時10代だった私には、家庭を持つことも体の衰えもまだまだ縁遠く、未知の世界。それゆえ、パートさんたちの話はなんだか別世界の話を聞いているようでした。それでも、きっといずれ私もその世界に行くのだろうと思うと興味深く、後学のためいろいろな話を聞かせてもらっていたのでした。

そして今、私はあのころのパートさんたちと同じような年齢、同じような状況になりました。そして、そのころは想像もできなかったけれど、こういうことだったのかと今になってわかったことがあります。

二世帯同居でパートさんの言葉を実体験

5人のパートさんと話していたと言っても、5人が一斉に集まって話をしていたわけではなく、基本的には私とそれぞれのパートさん1対1の付き合いでした。にもかかわらず、5人全員から似たような話を聞いたことがあります。それは、「義理の実家に行きたくない理由」の一つで、「食器が汚い」というものでした。

ある1人の話を今でも鮮明に覚えています。「毎食後にちゃんと洗っている姿を見てはいるんだけれど、毎回出される食器が汚くて驚く」とのこと。正直そんなことあるのかと疑問に思っていたのですが……事情があって実の両親と同居するようになって、その言葉を体感することになりました。

わが家は現在、二世帯同居です。食事は基本的に世帯ごとに作っているのですが、台所や食器類は二世帯で共用しており、食事前に鍋などは私が洗い、食事後の食器類は母が洗っています。

食洗器がないため、洗うときにはスポンジに洗剤を付けて手洗いしているのですが、たしかに時折、しっかり洗ってしまったはずの食器に汚れが付いているのです。毎食後、母がそれなりに時間を掛けて洗剤を泡を立てて食器を洗い、ゆすいでいる姿を見るのに……です。

日常生活に影響する「衰え」

余りに汚れが残っているので、あるとき母にそっと話してみました。なるべく角が立たないように、「最近ちょっと汚れが残ってることがあるんだよね」という感じで軽く話をしたのですが……そこで母から出た言葉は「え? そうなの? 知らなかった」でした。

その返事に私はびっくり! 明らかに汚れているのに、まったく気付いていなかっただなんて……。母は食器をまじまじと見て確認し、「あらやだ、ホント!」と汚れが残っていることに驚いているのでした。

母は特別きれい好きというわけではありませんが、汚くても全然平気という人でもありません。単純に、汚れに気付いていなかったようです。最終的には食洗器を設置することになって、汚れが残っている回数も激減しました。

でも、そもそもなぜこんなことになったのでしょう。私なりの結論は、「衰え」でした。日常生活を共にしてみると、両親が年と共に注意力が散漫になっていること、老眼が進んで物が見えにくくなっていること、視野が狭くなっていることなどに気付きます。他にも挙げればキリがありませんが、こういった衰えによって「食器に汚れが残る、残っている汚れに気付かない」ということが起きたのかなと思っています。

まとめ

両親と同居するようになって、改めて親の衰えを実感しました。それまでは「白髪が増えた」「腰が曲がってきた」といった外見的な衰えは実感していたのですが、同居を通してこまごました変化を感じています。

10代のころにパートさんたちから聞いていた話を思い出しては、「あれって老化が原因だったのかな」と思ったりもしています。衰えは人それぞれで、当の本人はいろいろと自覚できていないことも多々あります。ただ、それを指摘されるのもつらいのではないかと思うので、いずれ自分も同じような立場になったときにどんな対応をされたらうれしいかなと考えつつ、親との生活を送っていきたいと思います。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

マンガ/山口がたこ

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著者:おおさわ

ベビーカレンダー/ウーマンカレンダー編集室

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