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ウィリアム皇太子、領地の相続で一夜にして億万長者に?

  • 2023.4.13
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2022年にコーンウォール公領を受け継いだウィリアム皇太子は、一日にして大富豪になった、とイギリス「ガーディアン」紙が報じた。

ウェールズの守護聖人を祝うセント・デイビッド・デイのパレードでのウィリアム皇太子。(ウィンザー、2023年3月1日)photography: Abaca

イギリス「ガーディアン」紙の4月5日付の記事によれば、ウィリアム皇太子はコーンウォール公領を受け継いだことでイギリス有数の土地所有者となり、年間少なくとも2千万ポンドの収入を受け取ることになるそうだ。イギリス王室の懐事情を紹介した同記事でウィリアム皇太子はある日を境に大富豪になったとある。それは2022年9月8日、エリザベス女王が亡くなった日だ。

ホテルやお城、オフィス

この日、チャールズ3世は王となり、コーンウォール公爵位は王位の相続人の男性、すなわちウィリアム皇太子へ自動的に与えられた。同公領からの収入も爵位に付随している。なお、王位継承における性差別を撤廃した2013年王位継承法はコーンウォール公爵位の相続へ適用されなかった。総面積52,450ヘクタールの公領の評価額は10億ポンドだ。

従って書類上では祖母エリザベス女王が亡くなった9月初めにウィリアム皇太子は大富豪となった。公領の経営はプロに任され、法人税やキャピタルゲイン税は一切かからない。領地は農地、ホテル、中世の城、オフィス、各種店舗およびロンドンの高級不動産などから構成される。

合計で12億ポンドの収入

現存する公爵領はこのコーンウォール公領と君主が所有するランカスター公領の2つのみ。2022年、両公爵領はエリザベス女王とチャールズ3世に(インフレ調整後の額にして)あわせて12億ポンドの収入をもたらしたとみられている。公領収入を王室の収入とする伝統は中世の封建制領主時代にさかのぼる。議会制民主主義の世になってからこの伝統は幾度となく議論の的となってきた。何世代にもわたり、議会はこの特権の撤廃を主張し、公領収入を国庫に収めるよう主張している。

一方、王室側ではこれが「私有財産」であり、「ソブリン・グラント」、すなわち王族の公務の経費をまかなうために政府が毎年支払う王室助成金から差し引くべきものではないと主張してきた。ガーディアン紙によると、この助成金の額は過去10年間で「劇的に」増加しており、それは2011年にデイヴィッド・キャメロン前イギリス首相が王室と合意した内容に基づいているそうだ。

2012年には3100万ポンドだった補助金は、バッキンガム宮殿の改修工事のため、2022年には8600万ポンドに増加した。経済危機が進行するなかでチャールズ3世の戴冠式を控えたイギリス国民はこれをどう評価するだろうか。

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