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「言ったもん勝ち」英語で何と言う? 直訳できない日本語をプロ通訳が訳すと

  • 2023.4.13
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「言ったもん勝ち」「逆ギレ」「ギャップ萌え」「ブラック企業」......英語で何と言う?

そもそも英語にない・英語で何と言ったらいいのかわからない・直訳では確実に通じない日本語を、通訳はどう訳しているのだろうか。ふなっしー、ピコ太郎さん、野性爆弾くっきー!さんなど、ぶっ飛んだ日本語が飛び出る人物の英訳をこなす橋本美穂さんが、独自のアウトプット術を著書にまとめた。『英語にないなら作っちゃえ! これで伝わる。直訳できない日本語』(朝日出版社)だ。

本書から、英訳の例を見てみよう。

「言ったもん勝ち」は、同じ意味のことわざに「The squeaky wheel gets the oil.(きしむ車輪は油をさしてもらえる)」がある。しかし、この表現は少し古く、日本語の直接的なニュアンスもない。

そこで、橋本さんは「demanders winners」という新しい表現を作った。「demand(要求する)」と「win(勝つ)」をそのまま並べて「demand and win」では語呂が悪いため、「Finders keepers, losers weepers(見つけた人が持ち主で、なくした人は泣きをみる)」という、よく使われる慣用句のまねをしたそうだ。

さらに、「鬼に金棒」は「Popeye on spinach(ほうれん草を食べたポパイ)」。英語圏ならではのたとえに置き換えると、すっきりと伝わる。

このほか、53の直訳できない日本語が登場。作った英語表現を実際に使うとどんなふうになるのか、オリジナルの会話例も掲載している。QRコードからダウンロードできる音声では、橋本さん自ら登場人物になりきって吹き込みを担当している。

また、それぞれの表現には、イギリス出身のスタンダップコメディアンBJ Foxさんによるコメントがついている。日本語特有の言い回しは、英語ネイティブにどのような印象を与えるのだろうか。

「何と訳したらいいかわからない!」そんなときに、とっさに伝えるためのヒントになる本だ。

【目次より】
はじめに

Part1 ひとクセ編
収録語:言ったもん勝ち/遠慮のかたまり/客寄せパンダ/そもそも論/土下座など

Part2 現代語・流行語編
収録語:逆ギレ/ギャップ萌え/中二病/ドヤ顔/ブラック企業/ボケとツッコミなど

Part3 ことわざ・慣用表現編
収録語:鬼に金棒/出る杭は打たれる/長いものには巻かれろ/猫をかぶる/八方美人/晴れ男・晴れ女など

おわりに
表現リスト

■橋本美穂さんプロフィール
はしもと・みほ/1975年米テキサス州ヒューストン生まれ。幼少期をカリフォルニア州サンマテオで過ごす。兵庫県立神戸高等学校卒業後、慶應義塾大学総合政策学部へ進学、アジア経済開発学を専攻する。卒業後、キヤノン株式会社に総合職として入社し、コピー機などの事業企画を担当。同社に勤めながら通訳者養成学校夜間コースを修了し、入社9年目に通訳者になることを決意。2006年に退職し、日本コカ・コーラ株式会社の社内通訳を1年間務めたのち、フリーランスの会議通訳者となる。得意分野は金融、IT、マーケティングなど。これまでに担当した案件は6000件以上。月刊英語学習誌『CNN English Express』で人気コーナー「英語にないなら作っちゃえ!」を連載中。

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