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『ハリポタ』俳優の恋人エリン・ダークが反トランス的な攻撃を受ける

  • 2023.4.12
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ダニエル・ラドクリフの恋人であるエリン・ドレイクのアイデンティティを皮肉るようなツイートが炎上している。(フロントロウ編集部)

ダニエル・ラドクリフの恋人のエリン・ダークを揶揄

ドラマ『マーベラス・ミセス・メイゼル』などへの出演で知られる俳優であるエリン・ダークが、ツイッター上で攻撃を受けている。

画像: ダニエル・ラドクリフの恋人のエリン・ダークを揶揄

エリンを攻撃しているのは、“transvestigator(トランスベスティゲーター)”という人々。“trans(トランス)”と“investigator(捜査する人)”を合わせた造語である“transvestigator”は、誰かの写真からその人がトランスジェンダーではないかと“疑う”人たちのこと。トランスベスティゲーターは、トランスジェンダーの人々のジェンダー・アイデンティティを認めない人々を中心としているが、なかには、セレブ界や富裕層には数百から数千のトランスジェンダーの人々がシスジェンダーの“ふり”をして存在していると信じる陰謀論者もいる。

エリンは、恋人である俳優のダニエル・ラドクリフがトランスジェンダーの人々の権利擁護を訴える活動を広くしているため、トランスベスティゲーターのターゲットになっているよう。

4月初めには、演技コーチもするイギリス人俳優のスザンヌ・セドンがエリンとダニエルの写真をツイートし、「これはダニエル・ラドクリフ(『ハリー・ポッター』の彼女)。みなさん、何が見えますか?(※ぼんやり顔の絵文字)」とコメント。スザンヌはこの投稿で、ダニエルより背が高く、俗に言う“フェミニン”な骨格をしていないという理由で、エリンのことをトランスジェンダー女性ではないかと示唆したと受け取られている。

画像: スザンヌ・セドンのツイートは、英アクティビストのジーナ・マーティンにも強く批判されている。 twitter.com
スザンヌ・セドンのツイートは、英アクティビストのジーナ・マーティンにも強く批判されている。twitter.com

トランスだけでなくシス女性にも害のある考え

エリンがトランスジェンダーであっても何も問題はないが、エリンはシスジェンダー女性。現在、ダニエルとの第1子を妊娠している。

スザンヌの投稿はトランスジェンダー女性は女性ではないとする一部のツイッターユーザーの間で話題になったが、それ以上に、トランス女性を女性と認めない考えに潜む女性差別を明確に表す件だとして大きな反響を呼んでいる。

あるユーザーは、「これだから、トランスフォビアはみんなにとって問題なのです。病的なまでのジェンダー本質主義とジェンダー規範の強制によって、そのジェンダー規範から外れた人、例えば肩幅が広い人、あるいは背の低い男性と付き合っている人などは、すぐに(女性ではないと)疑われる。そうでなければならない。なぜなら、実際のところ区別がつかないですから」とツイート。

また別の女性は、「エリン・ダークはトランスジェンダーではありません。スザンヌ・セドンは、自分の基準をもとに『十分に女性らしく』見えないという理由で女性を攻撃しています。トランスフォビアはトランスの人たちを傷つけますが、シスの女性も傷つけます。このトランス排除的な論理は、偏見と、他人を別物とみなすことで機能していて、完全に憎悪に満ちているのです」とツイート。

イギリスで盗撮を違法にしたフェミニストのジーナ・マーティンは、上のツイートをリツイートして、「スザンヌはここで、トランスフォビアがいかにミソジニー(女性嫌悪)に基づくもので、達成不可能で抑圧的な基準ばかりであるかを、そして実はトランス女性とはまったく関係ないことを見事に証明しています」と付け加えた。

トランスジェンダー女性を女性として認めないことは、シスジェンダー女性の脅威にもなるということは以前から訴えられている。その一例が、アメリカでの“性器チェック”。アメリカでは複数の州において、トランス女性を学校の女子スポーツから排除する法案のなかで、トランスだと“疑われた”女性は性器チェックならぬものを受けなければいけないという案が提案されて大問題になった。

ちなみに、現時点でエリンやダニエルから今回の件について反応はない。(フロントロウ編集部)

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