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座右の銘にもされる「万里一空」とはどんな意味?その由来は剣豪・宮本武蔵の『五輪書』にあるといわれているけれど?

  • 2023.4.9

1つの目標に向かって努力し続けることを「万里一空」と言います。 これは座右の銘としても知られている四字熟語の1つです。 しかし、この言葉の由来や語源には諸説あり、中には間違った情報が飛び交っているくらいです。

そこで今回は「万里一空」という言葉について解説します。 特にその由来や語源となったとされる「五輪書」について、わかりやすく説明します。

「万里一空」のふたつの意味

まずは「万里一空」の意味について見ていきましょう。

「万里一空」本来の意味

「万里一空」とは1つの目標を見据えて努力し続けることを言います。

「万里」が果てしなく遠い距離を意味しています。 「一空」が1つの空を意味しています。

二つの単語を合わせて、どこまで行こうが世界は1つ空の下にあるということを言った言葉だとされています。

昔は物事を冷静に捉える精神について言った言葉として使用されていました。 それが転じて、1つの目標を見据えて鍛錬することを意味するようになったと考えられています。

座右の銘・心構えの意味で用いられる「万里一空」

「万里一空」は座右の銘や心構えとして捉えている人も多いです。

事実、何か目標を掲げたとしても努力し続けるのは難しいです。 時には怠けてしまいたくなるような日もあるかもしれません。

しかし、サボってばかりいては目標に到達することなど不可能です。 だからこそたゆまぬ努力を続けることが必要となるのではないでしょうか。

それらの努力を続ける精神のあり方について説いたのが「万里一空」とも言えるでしょう。

「万里一空」の由来

では「万里一空」はどこから来た言葉なのでしょうか。 ここからは「万里一空」の由来や語源についてまとめます。

「五輪書」の一節からといわれているけれど・・・

「万里一空」は宮本武蔵が残したとされる「五輪書」の一節から来たとされています。

その一節というのが「山水三千世界を万理一空に入れ、満天地ともまとめる」というものなのだとか。

しかし、この一節は実際には「五輪書」には見られません。 そのため「万里一空」がこれらの書物から来たとは言えません。 おそらく別の書物にある一節が広まったものとされています。

宮本武蔵がまとめたとされる「兵法三十五箇条」には「万里一空」の言葉が出てくる

「万里一空」という言葉が見られるのは「兵法三十五箇条」とされています。

これは剣豪として名を馳せた宮本武蔵がまとめたものです。 現代に残っている「万里一空」はおそらくこの「兵法三十五箇条」から来た言葉だと言えるでしょう。

「五輪書」も宮本武蔵に関係する書物だったことから、勘違いが広まったのかもしれません。

「万里一空」の類義語

最後に「万里一空」の類義語についても見ておきましょう。 「万里一空」の類義語には「勇往邁進」や「雲外蒼天」などがあります。

勇往邁進

「勇往邁進」とは臆することなく目標に向けてひたすら前進することの例えです。

「勇往」は勇ましく行くことを意味します。 「邁進」はまっしぐらに突き進むことを意味します。 平たく言えば、前進あるのみというような意味の言葉です。

それらの点が「万里一空」に通ずるものがあると言えるでしょう。

雲外蒼天

「雲外蒼天」とは試練や困難を努力で乗り越えれば明るい未来が開けるということの例えです。

「雲外」は雲の外、試練や困難を抜けることを意味します。 「蒼天」は青い空、明るい未来のことを意味しています。 要は、くじけずに努力すれば将来が切り開けることを言った言葉です。

それらの点が「万里一空」と似ているかもしれません。

まとめ

「万里一空」は1つの目標に向けて、たゆまぬ努力を続けることの大切さを説いた四字熟語となっています。 これらは座右の銘とされるほど、大切にされている言葉の1つです。

ちなみに、これらは宮本武蔵の「五輪書」から来たという話があります。 しかし、実際には「兵法三十五箇条」から来たというのが正しいです。 そこは勘違いしている人も多いので、注意しましょう。

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