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言いたいことを我慢しなくても人間関係はよくなる?! 「アサーション」テクニック!

  • 2023.4.8

「相手が自分をどう思っているのかが気になって本音が言えない」、「相手に仕事を振るなら自分がやった方がいいと我慢してしまう」などの悩みを抱えている人は多い。

今回は、平木典子さんの著書『言いにくいことが言えるようになる伝え方 自分も相手も大切にするアサーション』から、自分も相手も大切にしたコミュニケ―ション方法「アサーション」をご紹介。

<目次>

なぜ言いたいことを我慢してしまうのか

アサーションとは?

3つのコミュニケーション

アサーションを取り入れてみよう

科学が進歩し、便利になった社会で自由に生きられていると思う一方で、社会になじもうとするがあまり、我慢して周囲に合わせている人も多い。そんな人は、自分が「こうであることが当たり前」という思いに捉われ、自分の思いを我慢している状態になっていないかを考えてみよう。今回は、言いたいことを我慢してしまう人にありがちな考え方をご紹介。

なぜ言いたいことを我慢してしまうのか

①自分に合わない常識に縛られている

家庭、学校、会社などの社会の常識がルールとなって、常識から外れるとそこから追放されると思ってしまうことがある。しかし、その常識が誰にでも、いつの時代にも適応しているわけではないこと、生きている時代や場所によって自分に合わない常識に出合うことがあると認識しておこう。もしも、我慢がつらいと感じたら、自分が間違っているのでもダメなのでもなくその常識が自分、他の人、時代にも合っていない可能性もある。

②「受け入れてもらうことに」捉われている

本音を隠して、「思い」を抑えつけて、人から受け入れられるように振る舞うことで人間関係が悪くなることはないけれど、お互いを理解することが難しくなり、長続きする深い関係になりにくい。さらに、相手に合わせて我慢を重ねると相手まかせの関係になるため、不安やさみしさが残りやすい。「受け入れてもらうこと」に捉われすぎると、人間関係においても受け身になり、関係構築が難しくなるので注意が必要。

③右脳で「思い」を感じ、左脳で「思い」を抑えるシステム

私たちの脳は、右脳で感情を感じ、左脳で覚える、考えるなど知的な働きをしており、左脳が優位になることで感情を抑えている。例えば、無理難題なことを頼まれたとき右脳で「できない、どうしよう……」「そんな無理を言うなんてひどい……」という感情が出る一方で、左脳は感情的にならないように冷静に考えるために機能している。

左脳の働きが優位になると苦しみをこらえて働いたり、感情を隠して笑顔を作ってしまったりなど、感情を殺しすぎてしまう。左脳・右脳をバランスよく使った生活を送ることが自分を大切にすることにつながる。

アサーションとは?

「自分の言いたいことを大切にして表現」し、「相手が伝えたいことも大切にして理解しようとする」コミュニケーション方法が「アサーション」。主張の正しさではなく、対話を通じてお互いに何が分かり合えるかを受け止めあっていくことが大切。言いたいことを我慢してしまいがちという人におすすめ。

3つのコミュニケーション

私たちのコミュニケーション方法は、アサーションを含め下記3つに分けられる。

①攻撃的自己表現

自分の思い込みや頼みごとを相手に命令したり押し付けたりして、自分の思い通りに相手を動かそうとするコミュニケーション。

特徴・自分の言い分を通すために威圧的に話す・丁寧に優しく言いながら相手を思い通りに動かそうとする操作的な話し方をする・人に我慢を強いたり、無理を押し付ける

②非主張的自己表現

自分の考えや気持ちを言わず、言いたくても自分を抑え、結果的に相手の言うことを聞き入れてしまうコミュニケーション。こういう人は、相手を立て、相手が不愉快にならないよう自分の気持ちや意見を伝えないため、同意や不満がある場合にもその気持ちが伝わらない。

特徴・自己犠牲をしてまで相手を優先する・人間関係の中で排除されにくいがストレスを負いやすい

③アサーション

まず自分のことを考え、自分の気持ちや考えを理解し、その気持ちや考えを相手に伝えたほうが自分を大切にしていると判断したときに、それを正直にわかりやすく表現するコミュニケーション。お互いに歩み寄りの話し合いを続けるのが特徴。アサーションでは、相手が嫌な思いをしないように動くことは、自分の考えを明確にすることをやめ、自分を軽視している自然体ではない状態と定義している。

アサーションを取り入れてみよう

では具体的にどんなことをすれば、自分も相手も尊重できるアサーションを行うことができるのか? 書籍の中から4つをご紹介。

①「言ってみる」ことから始めよう

平木先生いわく、「思い」を抑えてしまう人の多くは、自分が言いたいことより相手の反応の方を気にしているそう。それはなぜかというと、自分の思いを伝えるとき、内心では思い通りの反応をしてほしいという気持ちがありながら、それが叶えられないときの相手と自分の嫌な気持ちを先読みして非主張的になるから。意見が合わなかったことにより、相手が苛立ったり、怒ったりするという先入観を捨て、相手と意見が一致しないときには、「意見の不一致はあり得る」と考えるようにするのが◎。

②意見や気持ちは変わっていい

自分の思いを伝えられない人の中には、「一度言った意見を翻してはいけない」「意見を変えるのは無責任」と考えている人もいる。コミュニケーションをとる中でお互いに気持ちや考えは影響しあいながら変わったり、変わらなかったりするのは当たり前の現象。何より大切なのは、変わった気持ちを相手に伝えること。よりよいと思う選択を臨機応変に選ぶこと、相手に協力するプロセスにつながることもある。

③「やめてほしい」は正直に伝える

不本意なこと、不愉快なことをされたとき、じっと黙って我慢し、その場を乗り切ろうとした経験がある人もいるのでは? やめてほしいという気持ちを伝えないでいると相手は「それでいい」「不満はない」と誤解をすることもある。コミュニケーションは、「自分を相手にわかってもらう」ためのものなので、少しずつでも自分のことを伝えていき、お互いの距離を縮めてくことが大切。

④「怒っています」とおだやかに言う

もし、相手に自分が怒っていることを伝えたい場合はどうすればよいのか。不機嫌な気持ちを態度や言動に出すのではなく、「嫌な感じ」「怒りそう」という気持ちを静かに、おだやかに言うだけで十分伝わるという。怒っているという本音を隠すのではなく、オープンに伝える方がお互いを大切にする方向を目指せていると考えよう。

『言いにくいことが言えるようになる伝え方 自分も相手も大切にするアサーション』

自分の気持ちを伝えながらも良好な人間関係は築いていける足掛かりとなるアサーション。こちらの書籍には、言いたいことが言えない理由、アサーションの考え方が詳細に掲載されている。言いたいことは言えるけれど、この言い方で大丈夫だろうかと思うことがある人も参考にできる点が多くある。アサーションを取り入れ、自分らしい生活を送っている人たちの体験談も必見!

著者 平木典子(ひらき のりこ)さん

1959年、津田塾大学英文学科卒業後、ミネソタ大学大学院に留学し、カウンセリング心理学を専攻(教育心理学修士)。帰国後、カウンセラーとして活躍する一方、後進の指導にあたる。立教大学カウンセラー・教授、日本女子大学教授、跡見学園女子大学教授、統合的心理療法研究所(IPI)所長を経て、2019年より日本アサーション協会代表。臨床心理士。家族心理士。著書多数。日本におけるアサーション・トレーニングの第一人者である。

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