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「シボネ表参道」で陶芸家・小野哲平展を開催。造り手の活力を感じる器がずらり

  • 2023.4.10
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©︎西部裕介

2023年4月7日(金)から約2週間にわたり、東京・表参道の「シボネ」にて、日本を代表する陶芸家・小野哲平の個展が開催される。「シボネ」での開催は約8年ぶりとなる本展には、薪窯焼成による器やアートピースが勢ぞろい。

日本を代表する陶芸家・小野哲平さんの大規模個展が開催される。展覧会のタイトルは『エナジー・オノ・テッペイ』。

会場には、壺やアートピース以外に、直径30cmを超える大皿や、めし碗、取り皿、カップが並ぶ。決して派手ではなく、日々の暮らしで何気なく使える器なのに、作家のみなぎるエネルギーを感じさせる。それこそが、小野さんの作品の特徴だ。

土のぬくもりを感じさせる小野哲平さんの器たち。

Photo 阿部祐介

釉薬をかける前に金属で線をつけたものなども。

Photo 阿部祐介

釘を使い美しい模様のように作られた壺。

Photo 阿部祐介

小野さんの遊び心をうかがわせる器。さて、何をのせよう。

Photo 阿部祐介

師匠である鯉江良二さんのもと、大いなる刺激を受けながら学んだ小野さん。若いころは、自分の内に秘めた、暴力にも似た強い感情を爆発させるかのような作品を作っていたのだそう。年を経て、誰かに寄り添うような器を作りたいと考えるようになり、作風に変化が表れた。

1998年に棚田が広がる高知へ移住し、自身の拠点として薪窯を造った。

Photo 阿部祐介

中央にあるガス窯では鉄化粧の作品の焼成を行っている。

Photo 阿部祐介

「自分のやらなきゃいけないことは、昔も今も、何も変わってない。やることは、自分の中で決まっていて、自分の仕事ができる限りで、どこまでそれに近づけていけるか」(小野さん)

個展会場となる「シボネ」のディレクターは、この言葉を聞き、肩の荷がおり、背中をポンと押された感覚になったと話す。「1つの器と出合い、手に取るという、とてもシンプルなやりとりの中で得ることのできる『生き抜く力』を、わたしたちも信じています」

使われて美しく育つという「う つわ」の 原点を忘れず、焼き物を通して現代に生きる人々に強烈なメッセージを投げかけている小野哲平さん。

Photo 阿部祐介

工房で作業を行う様子。

Photo 阿部祐介

小野さんが心を込めて土から生みだした器に触れると、こちらまで活力が湧くような気がする。この不思議な感覚を、ぜひ、本個展で味わってみてほしい。

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