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【日本三大鍾乳洞】 岩手「龍泉洞」・山口「秋芳洞」・高知「龍河洞」の魅力と見どころ

  • 2023.4.7

一歩踏み込むと摩訶不思議な光景が広がっている鍾乳洞は、別世界で旅している気分になれるスポットです。今回は、「日本三大鍾乳洞」にフォーカス。それぞれの魅力と見どころをご紹介します。夏に鍾乳洞を訪れると、涼を取ることも可能です。今年の夏休みに訪れるのもいいかもしれませんね。

秋芳洞(山口県美祢市)

 

 

世界有数の透明度! “ドラゴンブルー”の美しい湖が見られる「龍泉洞」(岩手県)

岩手県・岩泉町にある「龍泉洞」の洞内総延長は知られているところで4,088m、全容は5,000mに達するといわれています。現在、そのうちの700mを見学できます。この洞窟は、約2億数千万年前の火山島の上に有孔虫やサンゴなどの生物の殻が堆積してできた石灰岩が、大陸縁(陸地が海面下まで延びている部分のこと)に加わった後、隆起して地上に押し上げられ、長い月日を経て、雨水に侵食されてつくられたものです。

龍泉洞で見つかっている地底湖は8つ(うち3つは公開中)。これらは奥から湧き出る清水から形成されていて、世界有数の透明度を誇ります。目が覚めるような“ドラゴンブルー”の美しい湖と洞内の無数の鍾乳石のコラボレーションは圧巻です。

龍泉洞の見どころは、断層に沿って形成された直線的な通路「百間廊下」、鍾乳石が月の世界を思わせる「月宮殿」、1959年に地底湖の上の崖からゴムボートを降ろして調査を行った水深35mの「第一地底湖」、観光コースの最終地点である水深98mの「第三地底湖」など盛りだくさん! じっくりと見学したい鍾乳洞だといえます。

さらに、龍泉洞の中には、ウサギコウモリを含む5種類のコウモリが生息。ひとつの洞窟に5種類ものコウモリが生息しているのは日本でも珍しいことです。「蝙蝠穴」の奥にはおびただしい数のコウモリが住んでいます。コウモリは冬になると冬眠するため、観光通路からその姿が拝めることも!

また、龍泉洞には、真っ白な鍾乳石群が広がる「水晶宮」や、現在公開中の「白亜の議事堂」の上に広がる「白亜宮」など、未開の部分がいくつもあります。いつか見学できる日が来るのでしょうか。今から楽しみですね。

龍泉洞

住所:岩手県下閉伊郡岩泉町岩泉字神成1-1

電話:0194-22-2566

営業時間:8:30〜17:00(10月〜4月)、8:30〜18:00(5月〜9月)

料金:大人(高校生以上)1,100円、小・中学生550円

交通アクセス:JR「盛岡駅」からJRバス東北「岩泉・龍泉洞線」で約2時間10分

ダイナミックな奇勝が目を引く、日本屈指の大鍾乳洞「秋芳洞」(山口県)

山口県美祢市の「秋芳洞」は秋吉台国定公園の地下100m、その南麓に開口する日本屈指の大鍾乳洞です。国の特別天然記念物に指定されています。洞内の観光コースは約1km、総延長は11.2kmを超え国内第2位の長さです。洞内の温度は1年を通じて17℃を保ち、夏は涼しく、冬は温かいのが魅力のひとつ。

時が止まったような自然の造形は変化に富み、ダイナミックで見応え十分です。水に溶けた石灰分が沈殿して皿のように500枚以上連なった石灰華段丘が見事な「百枚皿」のほか、入り口から差し込む光が洞内を流れる川に反射して天井が青く見える「青天井」、石灰分を含んだ水の滴が天井から落ちつくられた石柱「洞内富士」、直径200m、幅120mの巨大空間「千畳敷」といった一度は目にしたい奇勝が目白押し!

また、秋芳洞には「青天井」の付近に「冒険コース」(1人300円)があります。ハシゴを登ったり、狭い鍾乳石の間を抜けたり、ゴツゴツした鍾乳洞の岩肌を間近で感じたり。懐中電灯を持って探検気分を味わえますよ。

秋吉台

圧倒的に広大なカルスト台地「秋吉台」や、壇ノ浦の戦いに敗れた平家の武将が潜んだとされる「景清洞」、連結した数層からなる立体的な石灰洞「大正洞」もあわせて訪れたいですね。

秋芳洞

住所:山口県美祢市秋芳町秋吉3449-1

電話:0837-62-0115

営業時間:8:30~17:30 閉洞18:30(3月~11月)、8:30~16:30 閉洞17:30(12月~2月)

料金:大人(高校生以上)1,300円、中学生1,050円、小学生700円

交通アクセス:JR「新山口駅」からバスで約40分「秋芳洞」下車

3つのコースがある! 弥生時代の遺産遺物も見学できる「龍河洞」(高知県)

龍河洞の入り口 京浜にけ at Japanese Wikipedia, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

高知県香美市にある石灰岩の鍾乳洞「龍河洞」は、山頂付近の盆地にたまった雨水が、1億7,500万年の歳月をかけてつくり上げました。この鍾乳洞は、国の特別天然記念物・史跡になっています。なぜ史跡にもなっているかといえば、出口付近で弥生時代の土器、石器が出土しているのです。

奥の千本 京浜にけ, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

「龍河洞」の総延長は約4km(観光コースは約1km)で、花を思わせる形状の鍾乳石が壁一面に広がる「石花殿」をはじめ、1931年に全貌が明らかになった龍河洞最大の滝「記念の滝」、高さ約11mの石柱「天降石」、多種多様な鍾乳石や石筍が空間を埋める「前の千本/奥の千本」など、ここでしか見られない光景がいっぱいです。さらに、2019年夏から龍河洞の演出がパワーアップ! 音響や照明が洞窟探検を盛り上げてくれます。

また、龍河洞には「観光コース」のほかに、ガイドの案内とヘッドライトの光を頼りに、狭い岩の間を進む「冒険コース」(事前予約制)、龍河洞を形成してきた地下水の流れを感じながら探索できる「西本洞コース」(事前予約制・4月29日~10月31日の期間限定)も。

加えて、博物館を併設。龍河洞の生成や、洞内生息動物の生態を学んだり、弥生人穴居生活の遺産遺物を見学できます。

龍河洞

住所:高知県香美市土佐山田町逆川1424

電話:0887-53-2144

営業時間:8:30~17:00(3月~11月)、8:30~16:30(12月~2月)

料金:大人(高校生以上)1,200円、中学生700円、小学生550円

交通アクセス:JR「土佐山田駅」からとさでん交通バスで約20分

なぜこの3つが日本三大鍾乳洞と呼ばれるようになったのか?

この3つが日本三大鍾乳洞と呼ばれるようになったのは、1959年に発足した日本ケイビング協会初代会長の山内浩さんが調査に尽力した鍾乳洞が、この3つだったからだそうです。

現在、日本のケイビング人口は1,000人に満たないとか。とはいえ、1975年に日本洞窟学会、1978年に日本洞窟協会も設立され、新洞窟の発見や海外への調査・探検活動も積極的に行っているとのことです。

[Photos by Shutterstock.com]

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