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年金だけでは生活できない!高齢者の55%以上が生活保護を受けている老後貧乏の実態

  • 2023.4.7
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昨今のインフレにより、「日々の生活が厳しくなった」と感じている人もいらっしゃるでしょう。老後資金の貯蓄まで手が回らず、焦っている人もいるかもしれません。

実は、生活保護受給者の半数以上が65歳以上の高齢者世帯です。年金を受給してもなお、老後資金が足りない人がいることがわかります。

■2人に1人が高齢者?生活保護受給者の世帯別割合

2020年の調査によると、1ヶ月平均の生活保護受給者は約205万2,000人で、保護率は16.3%です。生活保護受給世帯のうち、65歳以上の高齢者世帯は55.5%にのぼります。つまり、生活保護受給者の半数以上が高齢者世帯です。

■年金がもらえる高齢者が生活保護を受けているのはなぜ?

老齢厚生年金を受け取る会社員の場合、現役時代の収入により受給額が異なります。現役時代の収入が少なかった人は、十分な年金額を受け取れないケースもあるでしょう。

また、第1号被保険者である自営業者の老齢基礎年金額は、令和3年の調査によると月56,479円しか受給できません。そのため、年金額だけで生活費をまかなうのは難しいといえます。

特に、最近はインフレにより光熱費や食料品の価格が上がっています。最低生活費に年金が及ばない場合には、年金額との差額を生活保護で補っている高齢者が多いということでしょう。

ただし、下記のすべてを満たしている人だけが生活保護を受給できます。

・働ける状態にない
・保有している財産がない
・年金や各種手当などを使っても生活が困難
・扶養義務者が存在しない

■生活保護の高齢者世帯割合は今後も増加する?

インフレが進んでいる割に、給与水準は上がっていないので、私たちの生活は苦しくなっています。そのため、現役時代に老後資金の用意ができない人が増えれば、生活保護の高齢者世帯は増加するでしょう。

生活保護は国民の権利です。私たちには、生活に困窮した場合に生活保護を受給する権利があります。しかし、このまま高齢者世帯の生活保護の受給が増加すれば、生活保護を受給できる基準や要件が厳しくなる可能性もあるでしょう。

そのような点を考えると、やはり現役世代のうちから少しでも老後資金を貯める準備を始めたほうが良いといえます。

■今からできる老後対策を

私たち現役世代が高齢者になった時、今の生活保護制度が利用できる保証はありません。そのため、少しでも早くから老後資金の準備をしておいたほうが良いといえます。

現役世代は、住宅ローンの返済や子供の教育資金などで、足元の生活も厳しいかもしれません。まずは少額でもよいので、老後資金のために毎月積立をする習慣をつけることをおすすめします。

参照:厚生労働省 令和4年版 厚生労働白書 令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 生活保護制度

文・勝目麻希(ファイナンシャル・プランナー)
新卒で総合職としてメガバンクに入行し、法人融資・金融商品販売等を担当。自分の金融知識や実務経験を活かしたいと独学でライターの道へ。現在はファイナンシャル・プランナーの知識を活かして金融系メディアを中心に執筆。

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