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こころ、走れメロス、ごんぎつね。懐かしの名作を再読する。

  • 2023.4.4

「私(わたくし)はその人を常に先生と呼んでいた。」「メロスは激怒した。」「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」

国語の教科書で出合ったこれらの文章を、今もそらんじられる方も多いのでは。

「こころ」「走れメロス」「ごんぎつね」など、1950年代から2010年代までの小中高の国語の教科書に収録された定番作品を100作選出し、冒頭の400文字ほどを掲載した『新潮ことばの扉 教科書で出会った名作小説一〇〇』(新潮社)が発売された。

掲載作品すべてに、早稲田大学教育学部教授で近代日本文学の研究者、石原千秋さんの「読みのポイント」を掲載。時代の移り変わりと共に変化した読まれ方を解説している。

元国語教師の岡崎武志さんは、「これが読解を手助けするとともに、現代に生きる作品として読み直しを図っている点が素晴らしい」と評している。再び名作に触れることで、豊かな感情を思い起こし、新たな感動を体感できる。

収録作品は以下の通り。タイトルを見て「知らないな」と思っても、読んでみたら思い出すかも?

■収録作品一覧

山月記/羅生門/こころ/舞姫/走れメロス/故郷/ごんぎつね/たけくらべ/山椒大夫/富嶽百景/トロッコ/あいびき/三四郎/屋根の上のサワン/武蔵野/大造じいさんとガン/最後の授業/おおきなかぶ/檸檬/吾輩は猫である/坊っちゃん/山椒魚/伊豆の踊子/鼻/生れ出づる悩み/一つの花/高瀬舟/黒い雨/少年の日の思い出/赤い繭/寒山拾得/俘虜記/夜明け前/セメント樽の中の手紙/蠅/信号/それから/レ・ミゼラブル/杜子春/川とノリオ/春の日のかげり/花いっぱいになぁれ/野火/津軽/注文の多い料理店/夏の花/浄瑠璃寺の春/オツベルと象/はだかの王さま/五重塔/ナイン/沈黙/なめとこ山の熊/浦島太郎/最後のひと葉/つり橋わたれ/バッタと鈴虫/モチモチの木/浮雲/ジュール伯父さん/一房の葡萄/旅愁/兄弟/帰郷/闇の絵巻/忘れえぬ人々/くるみ割り/赤いろうそく/最後の一句/鞄/金色夜叉/城のある町にて/ひばりの子/くじらぐも/辛夷の花/投網/田舎教師/前身/スーホの白い馬/恩讐の彼方に/とんかつ/アルプスの少女ハイジ/自転車/ヒロシマの歌/石段/高野聖/岳物語/パニック/雨傘/神馬/火垂るの墓/洟をたらした神/みどりのゆび/岩尾根にて/少年/キャラメル工場から/戦争と平和/花の精/プラネタリウム/星の王子さま

■石原千秋さんプロフィール1955年生まれ。成城大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程中退。東横学園女子短期大学助教授、成城大学文芸学部教授を経て、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。日本近代文学専攻。現代思想を武器に文学テキストを分析、時代状況ともリンクさせた"読み"を提出し注目される。著書に『秘伝 中学入試国語読解法』『学生と読む『三四郎』』『秘伝 大学受験の国語力』『漱石はどう読まれてきたか』(以上、新潮選書)、『近代という教養――文学が背負った課題』(筑摩選書)、『読者はどこにいるのか――書物の中の私たち』(河出ブックス)などがある。

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