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「私、振袖が着たい。」息子が卒業式の前夜に語った本当の気持ちに、父は!?

  • 2023.4.1
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いつかはこんな日がやってくるかもしれない。そう心構えはしていても、本当にその時が来たら、親であっても動揺してしまうもの。今回は、子供に真っ向から向き合ったLさん夫婦のエピソードです

画像: ftnews.jp
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息子はゲイかもしれない……

Lさんの息子は、小さい頃から女の子のおもちゃが大好きで、成長とともにどことなく女性っぽい仕草が多くなっていきました。もしかしたら……と言う思いもありながら、息子の好きなように育てていこう、と心に決めていたLさんは、息子というよりも娘のように接してきました。そして高校生になる頃には、息子の心の性別は女性なのだとLさんは確信しつつも、本人が言い出すまで温かく見守ることにしていました。

男らしさを口にする夫

ただ、気がかりだったのが夫のことです。夫は「男らしさ」を常に口にするような性格で、「そんなこともできないと、男らしくなれないぞ~♪ 」と平気で言う人でした。なので、夫が息子のことを知ったらどんな態度をするのか、Lさんは気が気じゃありませんでした。

そして、大学の卒業式の前日に、息子はリビングで告白したのです。「俺。いや、私……明日、本当は振袖が着たかった。」涙ぐみながらも、最後に自分の気持ちに素直になれた息子。でも、今からじゃ振袖なんか用意できないし、美容室の予約も……と後悔しながら息子に寄り添うLさんを他所に、夫は何も言わずにリビングを出ていきました。

「男らしさ」の真実

(あぁ……やっぱりダメだったのか……)とLさんは息子と目を合わせると2人で落胆してしまいました。でも、そのすぐ後に、ある封筒を持って夫が戻ってきたのです! 「こんな時のために、お父さんなりに用意しておいた。明日の朝、行ってきなさい。」と、そう言って渡してくれたのは、振袖と袴のレンタル、そして着付け・美容室の予約一式が申し込まれた書類でした。夫も息子のことをちゃんと見ていて、いつそう言うカミングアウトがあってもいいようにと密かに準備していたのです。「男らしさは、自分らしさを貫くことでもある。お父さんは、正直な気持ちを話したお前を誇りに思う。」

それが夫なりの餞の言葉だったのです。

翌朝、5時に家を出た息子は、見違えるような美しい出で立ちで、胸を張って卒業式に参列したのでした。

ftnコラムニスト:南さおり

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