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「折角やってあげたのに!」見返りを期待しない考え方

  • 2023.3.29
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「人のため」を思ってとった行動に対して、何か見返りを期待していませんか?

何かを期待していると、想定していた行動と違う行動をとられたときに、怒りや落胆の感情になってしまいます。

日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラーである筆者が、人からの見返りを期待しない考え方をご紹介します。

■見返りがないとなぜ怒りや落胆になる?

「喜び・怒り・落胆」などの感情は「第二感情」、つまり二番目に出てくる感情と呼ばれています。

では、最初に起こる「第一感情」が何かというと、それは「期待」です。

相手のためを思って何かアドバイスをしたり、行動したりしたことに対し、「こう反応するだろうな」と思っていることはありませんか?

無意識に思っている「きっと相手はこう反応するだろう」と思う期待こそが「見返りを求めている」ことになるのです。

そして、その期待とは違った行動をされたときに「怒り・落胆」になってしまいます。

■見返りを期待しない考え方のポイント3つ

自分が相手に何かを期待していないか、自分ではなかなか気づきにくいもの。そこで、3つの質問を自分自身に問いかけてみて欲しいのです。

「怒り・落胆」を感じたときに自分自身をふりかえる、ひとつのきっかけとしても使ってみてくださいね。

(1)あなたと相手は同じ考え方をしている?

自分以外の人はみんな違う人間です。育った環境も違えば、接してきた人たちも違います。そのため、自分と全く同じように物事をとらえて、全く同じように感じ取ることはほとんどないでしょう。

周りの人が自分と同じように感じているのか、考えてみてください。誰もが自分と同じとき同じように怒ったり悲しんだりしていますか?そうではありませんよね。

「自分と同じ考えを持っているだろう」と思っているのは、相手と自分を一体として見てしまっている場合があります。

いくら仲が良かったとしても、自分と他人は別の人間。「自分と相手は違う存在だ」と理解する距離感覚、「離別感」を持って接することが、人間関係を円滑にするポイントでもあります。

(2)あなたは自分が絶対に正しいと思っている?

自分の思いを持つことは大切ですが、それは絶対に正しいことでしょうか?自分が正しいと思う論拠はありますか?正しいと思って行動をしたとしても、それが相手にとっても正しいことだとは限りません。

とくに「〇〇してもらったら△△するべき」など、ルールやパターンを決めてしまっている場合は要注意!それは一種の囚われや思い込みである場合があるため、その考えが絶対に正しいのか考え直してみましょう。

(3)あなたはいつも他人の期待に応えている?

自分の期待が裏切られたときに不満や怒りを感じている人は、自分自身が他人の期待にすべて応えられているのか考えてみましょう。

すべての人がどのようなことに期待をしているのか知っていますか?そうでないのなら、自分の期待が知られていなくても当然です。

自分の行動や考えを振り返るとともに、相手の立場になっても考えてみましょう。立場を変えることで、視点も変わります。

視点が変われば新しい気づきも出てくるので、自分自身の考えや行動を振り返るときにもおすすめです。

「自分は自分、他人は他人」と割り切ることも大切です。何かアドバイスをするときは、「自分がどのような思いを持って伝えているか」という言葉も一緒に添えてみてください。「やってあげた」ではなく「自分がしたいからしたこと」としてとらえ、何も見返りや期待をしないことで感情をコントロールし、心穏やかに自分を整えていきましょう。

(美容ライター/心理カウンセラー 北口 慈子)

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