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「希望年収はどの程度ですか?」年収を上げたい人が転職面接で絶対に言ってはいけない最悪の一言

  • 2023.3.27

転職活動の最終面接などで聞かれる“希望年収”。年収を上げるうまい交渉方法はないか。「転職とキャリア」のアドバイザー・安斎響市氏は「転職後に年収が上がる人・下がる人の割合はほぼ同等で、「年収を上げる転職」は、決して高望みというわけではありません。しっかりと自分の経験・スキルを面接の場で売り込むことができれば、あなたの年収は上がります」という――。

※本稿は、安斎響市『すごい面接の技術 転職活動で「選ばれる人」になる唯一の方法』(ソーテック社)の一部を再編集したものです。

階段状になった円マークが描いてあるブロック
※写真はイメージです
年収交渉はネガティブな印象にはならない

年収に関する質問は、なかなか正直には答えづらいものかもしれません。しかし、本音を言えば、誰だって、できる限り高い年収オファーを手に入れたいはずです。「希望年収」の答え方について解説します。

NG! 回答
希望年収は、特にこだわりはありません。御社規定に従います。

NGポイント! 交渉放棄はもったいない

面接で「希望年収」を聞かれた際、「できるだけ高い年収を提示してほしいけれど、あまり待遇のことばかり言うのは印象が悪いのでは」、「強気で交渉すると、図々しいと思われて内定が遠ざかってしまうのではないか」などと考えて、ついつい控えめな希望年収を答えてしまう人が相当な数いると思います。

しかし、ここで「御社規定に従います」と言ってしまうと、自ら交渉を放棄しているのと同じになってしまいます。

年収アップを要求したからといって、よほど的外れな金額を言わない限り、面接官から見てネガティブな評価になることはほとんどありません。

現職年収は高く見せるが吉

本当に本心からお金に一切興味がなくて、年収が大幅に下がってもいい、というのなら良いのですが、実際にはそんな考えの人はほとんどいないでしょう。年収は、自分で交渉しないと決して上がりません。

OK! 回答
最低でも、年収560万円以上を希望いたします。現職の年収は、来年度の昇給見込みを含めると525万円ほどとなり、これに月3万円の住宅補助を考慮すると総額560万程度になります。以上と同等金額として、最低希望年収560万円です。

OKポイント! 現職年収を高く見せる

基本的なポイントとしては、この回答例のように、現職年収を答える際には「住宅補助」や「業績連動ボーナス」、「来年の昇給見込み」などの金額も含めて、できるだけ年収を高く見せることです。

例えば、会社負担の家賃補助が月3万円ある会社から、住宅関連手当ゼロの会社に転職した場合、仮に年収は現職と同額であっても、実質的には同等ではなく年収ダウンになってしまいます。源泉徴収票に記載されている金額に加えて、会社から支給されている金銭的な補助などがある場合は、その金額価値を合算したものを現職年収として交渉すべきです。

また、転職活動中に交渉している年収とは、基本的に「来年の年収」なので、「来年度までの昇給見込み」も計算にいれておかないと、実質、現職よりも低い年収になってしまいます。気をつけましょう。

年収交渉は「営業活動」と捉える

「どのような戦略で希望年収を勝ち取るか」という交渉内容は、事前に自分でしっかりと考え、作り込んでおいてください。これは「営業活動」なので、準備をしっかりしておかないと、あっさり商談に負けてしまいます。

転職エージェントが年収交渉をしてくれる、という話もたまに聞きますが、ほぼ期待できないと考えておいていいです。黙っていたら、向こうの「言い値」で簡単に買い叩かれてしまいます。年収にこだわりたいのであれば、自分から強い姿勢で交渉しましょう。

GREAT! 回答
ベース年収で500万円以上、手当やボーナスを含めた総額年収で600万円以上を希望します。現職年収は住宅補助、来年度の昇給見込みなども含めると560万円程度で、それに少し上乗せして600万円以上が希望です。それに見合う貢献は可能だと考えております。現在、他社の面接も同時に受けておりますので、複数の内定をいただいた際には、比較検討をさせていただきます。

GREATポイント! 現職より高い年収を狙う

重要なのは、「現職年収と同等を希望」ではなく、現職よりも高い年収を果敢に狙っていくことです。本書の面接テクニックをすべて実践して高い評価を獲得し、「他社に奪われたくない貴重な人材だ」と企業から本気で思ってもらえれば、高年収オファーを勝ち取ることは現実的に可能です。ここで遠慮してはいけません。

また、交渉テクニックとして、競合他社の面接も同時に受け、「他社と比較して入社する企業を決めます」と言っておいて、企業側に「希望年収に沿わない場合、入社してもらえなくなるのでは……」と思わせる心理戦を仕掛けるのも、一つの有効な手段です。

【図表1】希望年収の考え方
出典=『すごい面接の技術 転職活動で「選ばれる人」になる唯一の方法』(ソーテック社)
面接を制すれば、転職で年収は上がる

求職者の中には、「転職で年収が下がるのは仕方がない」などという勘違いをしている人もいます。その考え方は、非常にもったいないです。

安斎響市『すごい面接の技術 転職活動で「選ばれる人」になる唯一の方法』(ソーテック社)
安斎響市『すごい面接の技術 転職活動で「選ばれる人」になる唯一の方法』(ソーテック社)

厚生労働省の2020年の調査によれば、直近で転職を経験した人のうち、年収が「増加した」人が39.0%、年収が「減少した」人が40.1%、「変わらない」という人が20.2%という結果でした。転職後に年収が上がる人・下がる人の割合はほぼ同等で、「年収を上げる転職」は、決して高望みというわけではないのです。

一定年数の社会人経験を積み、しっかりと自分の経験・スキルを面接の場で売り込むことができれば、あなたの年収は上がります。転職が当たり前の世の中になってきているからこそ、転職活動とは、やり方次第では収入を大幅に上げるためのチャンスになり得ます。

企業によっては、最終面接が終わるまで希望年収を一度も聞いてこない場合もありますが、条件交渉は早め早めに議題に挙げておいた方が良いです。自分の価値を安売りすることなく、より高い年収を得るための交渉を、自分から仕掛けましょう。

【図表2】厚生労働省 転職者実態調査「転職者の労働条件の変化」より
出典=『すごい面接の技術 転職活動で「選ばれる人」になる唯一の方法』(ソーテック社)

安斎 響市(あんざい・きょういち)
転職ライター
1987年生まれ。日系大手メーカー海外営業部、外資系メーカーなどを経て、2020年より外資系大手IT企業のシニアマネージャー。「転職とキャリア」をテーマに、ブログ、Twitterなどで情報発信を続け、日経BP『日経トレンディ』、東洋経済新報社「東洋経済オンライン」、マネーフォワード「MONEY PLUS」など、多くのメディアで取り上げられている。著書に『私にも転職って、できますか?~はじめての転職活動のときに知りたかった本音の話~』(ソーテック社)、『転職の最終兵器 未来を変える転職のための21のヒント』(かんき出版)などがある。

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