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年金生活者は医療費が返ってくるって本当?

  • 2023.3.25

高額な医療費を負担したときに役立つのが「医療費控除」です。確定申告の際に控除申請をすれば税金の負担を軽くすることができます。

一般的に医療費控除は「年間10万円超」の医療費を支払った場合に受けられるといわれていますが、年金生活者などの場合、もっと少ない金額でも対象になることがあります。

今回は、医療費控除の仕組みについて簡単に解説します。

■医療費控除の対象になるのはいくらから?

医療費控除とは、多額の医療費を支払った人の税負担を抑えるための制度です。医療費の対象になる金額は、以下の式で計算します。

(実際に支払った医療費の金額-保険金などで補てんされる金額)-10万円

「実際に支払った医療費の金額」は、診察代や治療費だけでなく薬代や通院費用なども含められる場合があります。また、本人だけでなく生計を同じくする家族の分も含められ、最大200万円まで認められます。

「医療費控除を受けられる可能性があるのは医療費が10万円を超えた場合だ」といわれることがありますが、それは原則であって例外があります。

■医療費控除の計算の「例外」とは?

通常は前述の式で計算する医療費控除ですが、「その年の総所得金額等が200万円未満の人」に限っては、例外的に「総所得金額等の5%の金額」とするルールがあります。

収入ではなく所得(収入から各種控除などを差し引いた金額)が基準になるのがポイントです。年金には「公的年金等控除」という大きな控除が認められているため、年金収入のみの人は所得が低く抑えられ、この例外に該当する可能性が高くなります。

例えば65歳以上で年金収入300万円の人は、公的年金などの控除額が110万円なので差額は190万円です。その他の収入や控除の額にもよりますが、例外の5%ルールが適用される可能性は充分あります。仮に総所得金額等が190万円とすると「190万円×5%=9万5,000円」が医療費控除を受けられるかどうかの基準になります。

■医療費控除などの税額控除制度を利用して納税額を抑えよう

「医療費控除は10万円から」とだけ覚えている状態だと、「自分は対象にならない」と勘違いして納税額を安くするチャンスを失ってしまうかもしれません。

税金関係は細かいルールが決まっていて複雑ですが、自分で気付いてきちんと申告しないとさまざまな税額控除の恩恵を受けることができません。税務署に問い合わせるなどしながら、確定申告の際に確実に手続きするようにしましょう。

文・馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)
関西学院大学商学部卒業後、銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。

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