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サウナで地球温暖化を感じる 暑さから逃げられないウミガメやペンギンの気持ち

  • 2023.3.23
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海を感じるライトアップ(男湯)
海を感じるライトアップ(男湯)(J-CASTトレンド)

NTTドコモは、ウミガメやペンギンなど6種の海の生き物が感じる暑さを体感できるイベント「海とつながるサウナ PRODUCED BY DOCOMO」を、2023年3月29日まで開催する。場所は、温泉施設「両国湯屋 江戸遊」(東京都墨田区)だ。

3月23日は、世界気象機関(WMO)が1960年に定めた「世界気象デー」。そこでイベントでは、サウナを通して海の環境問題を知り、地球温暖化について考える。記者は実際にサウナで、真珠貝やペンギンが感じている暑さを体験した。

サンゴとペンギンは高温90度

現在「両国湯屋 江戸遊」では、温泉のほか3種類のサウナと2つの岩盤浴が常設されている。男女共通してフィンランドサウナがあり、さらに男湯には中温サウナ、女湯はミストサウナが楽しめる。岩盤浴は専用の衣服とタオルが貸し出され、男女共に利用できる。今回のイベントでは、計4つのサウナと2つの岩盤浴それぞれに合う海の生き物が選ばれ、各生き物が感じる暑さを体験できる。

最も高温なのは、90度前後のフィンランドサウナだ。中に入った瞬間から、じんわりと汗をかく。男湯ではエンペラーペンギン、女湯ではサンゴが、それぞれの暑さを訴えかけている。「こんなに暑くても外気浴に出られません」と書かれた壁が、その場から動けないサンゴの厳しさを表す。

記者が最も暑さを感じたのは、真珠貝の気持ちになれるミストサウナだった。温度は45度前後だが、扉を開けた途端に「むわっ」とした蒸気が全身を包み込み、思わず後ずさる。中には真珠をイメージしたような丸いライトが複数置かれ、青く発光している。数分ほどしかいなかったのに、ぐっしょり汗をかいてサウナを後にした。

次に向かったのは岩盤浴。月光房はウミガメの、白珪房はホッキョクグマの暑さが体験できる。月光房はミネラルを多く含むピンク麦飯石(ばくはんせき)、白珪房は有機ゲルマニウムを多く含む遼寧石(りょうねいせき)を岩盤に使用していて、それぞれ寝転んでくつろげるので無理なく長時間滞在できそうだ。

期間中は浴室内や洗い場に青いライトが取り付けられ、海の中にいるような気分が味わえる。

ウミガメ絶滅の恐れも

本イベントには、筑波大学生命環境系特任助教・西田梢さんが参加し、海の現状や問題を説明した。それによると、2022年は沖縄・石垣島周辺で水温30度以上の日が1か月以上続き、サンゴの大規模な白化現象が起きた。サンゴの体内で色素を持つ褐虫藻(かっちゅうそう)が減少したために、サンゴの白い骨格が透けて見える現象だ。この状態がしばらく続くと、サンゴは死滅することもあるという。

ほかにも、温暖化により獲物が取れなくなったホッキョクグマの体重が数十年かけて減少している報告がある。ふ化時の砂の温度で性別が決まるウミガメは、高温のためメスが多くなり、性別の偏りから絶滅の恐れがある地域も報告されている。

西田さんは本イベントについて、「サウナを体験しながら、地球の豊かな海やそこで暮らす生き物について知り、サステナブルな社会を実現するために何ができるのか、考えていただけたら」と話した。

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