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大谷翔平vsトラウトに韓国「完璧なシナリオ」…史上最高の名勝負に感嘆「まるでワールドシリーズ」【WBC2023】

  • 2023.3.22

敗れたアメリカ代表のマーク・デローサ監督は試合後、「今日の勝者は野球界そのものだ。野球ファンがめいっぱい野球を楽しんだだろう。WBCに感謝したい」と話していた。

2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は野球の真髄を見せ、侍ジャパンの優勝で幕を閉じた。

3月22日(日本時間)、米フロリダ州マイアミのローンデポ・パークで行われた侍ジャパン対アメリカ代表の決勝のシナリオは完璧だった。

韓国も固唾を飲んだ「大谷クローザー登板」

 

大谷翔平(28、ロサンゼルス・エンゼルス)は試合前日、決勝でのリリーフ登板を予告した。アメリカ現地メディアは、メジャーリーグ最高の打者でアメリカ代表キャプテンのマイク・トラウト(31、ロサンゼルス・エンゼルス)と大谷の対決の可能性に焦点を合わせていた。

8回表、侍ジャパンのセットアッパーとして登板したダルビッシュ有(36、サンディエゴ・パドレス)はカイル・シュワバー(29、フィラデルフィア・フィリーズ)に本塁打を許した。スコアは2-3となった。

アメリカは今大会12本の本塁打で最多を記録した典型的な“ビッグボール・チーム”だ。一方、日本は56点で最多得点を挙げた投打最高のチームだ。

予告通り、9回表に大谷が侍ジャパンを3度目のWBC優勝に導くべく、マウンドに上がった。

大谷翔平

しかし、先頭打者で昨季ナ・リーグ首位打者のジェフ・マクニール(30、ニューヨーク・メッツ)を四球で塁に出し、勝敗は一寸先もわからなくなった。アメリカはすかさず、マクニールに代えてボビー・ウィット・ジュニア(22、カンザスシティ・ロイヤルズ)を代走に出した。

打順は1番に戻った。ムーキー・ベッツ(30、ロサンゼルス・ドジャース)、トラウト、ポール・ゴールドシュミット(35、セントルイス・カージナルス)と続くMVPラインナップだ。

ただ、ベッツは大谷の2球目のストレートを上手く打ち返せず、二塁手の正面に飛び併殺打を許してしまった。あっという間に2アウトと追い込まれ、トラウトに本塁打を期待するしかない状況となった。

ローンデポ・パークを埋め尽くした観客は、大谷対トラウトの対決を息を殺して見守った。

打てるなら打ってみろ…トラウト相手の力投

 

大谷は渾身の力を尽くして投げた。トラウトに投じた6球中、実に4球が最速164kmを記録したストレートだった。まるで「打てるなら打ってみろ」と言わんばかりに、160km台の剛速球を投じてきた。これにはトラウトもバットが空を切るしかなかった。

結局、フルカウントで迎えた6球目、大谷はスライダーでトラウトを空振り三振に仕留めた。侍ジャパンが大会3度目の王者に輝いた瞬間だった。全勝優勝は2013年大会のドミニカ共和国以来だ。

WBCの舞台でも“二刀流”を披露し、決勝でセーブを記録した大谷は大会MVPに輝いた。投手として2勝1セーブの防御率1.86、打者として23打数10安打(0.435)、1本塁打、8打点、OPS(出塁率+長打率)1.345を記録し、グローバルスターらしい活躍を見せた。

2023年WBC決勝はワールドシリーズを彷彿とさせる名勝負だった。両チーム合計4点のうち、実に4点が本塁打から生まれたものだった。

アメリカはトレイ・ターナー(29、フィラデルフィア・フィリーズ)とシュワバー、侍ジャパンは村上宗隆(23、東京ヤクルトスワローズ)と岡本和真(26、読売ジャイアンツ)がそれぞれ本塁打を放った。侍ジャパンがリードした1点は、2回裏一死満塁でラーズ・ヌートバー(25、セントルイス・カージナルス)の内野ゴロの間に得た得点だ。

アメリカは安打数こそ9対5で上回ったが、2度の併殺打はもちろん、三振、さらには後続不発で準優勝にとどまった。

2回表に先制を許すも、同回裏にすぐに追いついた侍ジャパンは、アメリカの超強力打線を本塁打の1点のみに抑えた。

なお、WBC歴代5大会において、決勝が1点差勝負となったのは今回が初めてだ。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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