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都心から最も近い離島。べっこうや椿などの島文化を楽しむ【伊豆大島】の旅

  • 2023.3.22

飛行機なら東京から約30分で到着。遠いようで意外と近い離島が【伊豆大島】です。伊豆諸島の中で最も大きく、活火山である「三原山」に関連する数々の見どころがあります。また、「べっこう」や「明日葉」などのご当地グルメ、さらには島の名産品である椿油など、今回はそんな伊豆大島の魅力をご紹介します。

島のシンボル的存在「三原山」

伊豆大島を代表する観光スポットのひとつが、島のほぼ中央に位置している「三原山」です。現在も活動を続けている活火山で、最近では1986年に大規模な噴火が起こっています。

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山頂まで登ると、そんな活きた山の力をより身近に感じることができます。駐車場のすぐそばにある外輪山展望台から火口までは徒歩40〜50分ほど。険しい登山道ではなく、舗装された道を歩くことができるので、本格的な登山装備が必要なわけではありません。ただ、かなり稀ではあるものの、真冬で雪が積もっている時は滑りやすく歩きづらいので、足元に十分注意しましょう。

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なお、三原山は富士山や阿蘇山などと同じく、真ん中が大きなカルデラとなっています。そのため、カルデラの周りを歩く「お鉢巡り」をすることが可能。一周の所要時間は約50分と展望台から山頂までよりも時間がかかる場合があります。体力と相談しながら、進むか途中まで行くかなどを考えましょう。

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お鉢巡りでの最大の見どころはカルデラを深くまで覗き込むことができる「三原山中央火口」ですが、その他にも、南に続く利島や新島といった伊豆諸島を眺められるポイントなど、一周している間にさまざまな景色を楽しむことができます。

島に点在する火山関連スポットの数々

活火山は自然災害の危険性ももちろんありますが、同時に島にさまざまな恵みをもたらしてくれている存在でもあります。温泉はわかりやすい例ですが、島内の見応えある数々の自然景観も火山によって作られたものばかり。

例えば、「バウムクーヘン」と呼ばれるスポットもそのひとつ。

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正式には「地層切断面」という名前ですが、島を一周するための道路を作る際に、まるでバウムクーヘンのような美しい地層が出現。そのまま観光スポットとして、多くの人が訪問する人気の場所となりました。

「トウシキ遊泳場」は黒い溶岩流が続く海岸線で、透明度の高い海とのコントラストが美しく、夏のシーズンには天然のプールとしても利用されます。

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島の南東部の海に立つ「筆島」も見逃せません。形が筆の先のようであることからその名前が付けられた場所ですが、もともとはここに火山があったことの名残。

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「筆島火山」と呼ばれるその火山の活動はなんと伊豆大島ができるよりも昔の240万年〜数十年前のこととされています。

べっこうや明日葉など、人気の「ご当地グルメ」も豊富

広い伊豆大島ですが、ご当地グルメも種類豊富に揃っているので、訪問の際はぜひチェックしておきましょう。

まず、ご紹介するご当地グルメは「べっこう」です。

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べっこうというのは、魚の切り身を唐辛子醤油につけたもののことを指しています。名前の由来は刺身がべっこう色になることから。いわゆる刺身のヅケに近い料理ですが、色合いが独特です。「べっこう丼」や「べっこう寿司」といったメニューで島のレストランで提供されています。

明日葉も伊豆諸島の名物食材です。生育環境として島の気候がちょうど合っているため、島中に生えています。

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場合によっては道端で見かけることもあるほど。多少のほろ苦さと香りが特徴的で、天ぷらやおひたしで食べられています。

また、島の北部、伊豆大島の空港近くには牧場があり、大島牛乳が作られています。

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ほとんど島内や他の島で消費されるため、あまり本土では見かけないかもしれませんが、濃厚な味でソフトクリームなどの加工品も作られています。牛乳や乳製品が好きな方はぜひチェックしてみてください。

「椿油」の名産地としても有名な伊豆大島

最後に紹介するのは、伊豆大島の名産品「椿油」。伊豆大島には約300万本の椿の木があるのです。

もともとは椿の特徴を活かし、防風林として島中で使われていた歴史がありますが、分厚い葉っぱは潮風にも火山灰にも耐性が高いとされており、現在では伊豆大島の花といえば椿と言われるほどになっています。

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そんな椿の実を原料とした椿油を使った椿油関連商品も多数。大きなものからお試し用までさまざまあるので、お土産にピッタリです。よく知られている髪の毛のお手入れ以外にも、ハンドクリーム代わりに手や肌につけるという使用方法もあります。

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また、美容用品としてだけではなく、食用としても使うことができる商品も。オリーブオイルのように植物性の油ということで、ヘルシー食材として注目され始めていて、例えば先ほど紹介した明日葉の天ぷらは、通常の油と椿油をミックスして使っているお店が多いと言います。それによって、後味スッキリの揚げ物ができるそうです。

東京都心から最も近い離島、伊豆大島。火山があることで生まれたさまざまな自然景観に加えて、島だからこその食文化や特産品など見どころに溢れています。

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一度、実際に足を運んでその文化に触れてみてはいかがでしょうか。<text&photo:岡本大樹>

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