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「つまらないものですが...」マナー違反? 9割の人が知らない「人生が好転する」ふるまい術

  • 2023.3.19
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2023年3月16日、77歳の現役マナー講師・岩下宣子さんの新著『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』(主婦の友社)が発売された。

岩下さんは、1945年生まれ。1985年に現代礼法研究所を設立して以来、マナー講師として活躍を続けてきた。

コロナ禍や戦争、それにともなうコミュニケーション・人づきあいの変化、物価高騰......先行きがはっきりせず不安な時代に、岩下さんは、マナーを通じて幸せに生きる術を伝え続けている。

本書では、かろやかな人づきあい、本物の思いやり、雰囲気あるたたずまい、感じのいい所作......といった生き方のヒントを、岩下さんの年齢にかけた77の項目に網羅。あたたかく説得力を持った解説で、相手を思いやり、自分のためにもなるふるまい術を身につけることができる。

勘違いしがちな「まちがいマナー」の数々

「相手への思いやりの心を、伝わるかたちで表現する方法」をマナーと呼ぶ岩下さん。ところが、その「表現」は時代とともに変わっていく。昨今、かつては常識だったはずが、間違った形で受け取られているマナーも多い。本書では、そんな「まちがいマナー」が紹介されている。

例えば、手土産などを渡す際の決まり文句である「つまらないものですが」。実は昨今、「つまらないものを差し上げるなんてむしろ失礼」と受け取られるようになり、すたれてきている。しかし、本来これは、「心を込めて選んだものですが、あなたがすばらしすぎて、つまらなく見えます」という、相手への最上級のほめ言葉。岩下さんは「長く愛されてきた日本の言葉が失われるのは残念」と嘆いている。

他にも、謙遜のニュアンスで多用されるようになった「させていただく」、「まずはおじぎで、挨拶はそのあとで」は正しいか、通夜と葬儀の優先順位、人にごちそうになるときのマナーなど、間違えがちな「まちがいマナー」についての解説が多数掲載されている。

「マナーは愛」すべてのふるまいはそれに行き着く

こういったふるまいに通じる精神、それは「マナーは愛」 。これは偉人・新渡戸稲造が残した言葉で、岩下さんが50年にわたって伝え続けてきた、マナーに関する、たったひとつの大切なことだという。

マナーは決まったかたちを身に着けて、自分が恥をかかないよう、それをそつなく行うものだと捉えられがちだ。しかし、マナーは本来、相手のためのもの 。決まり事があるからその場でのふるまいがわかり、人を気づかう余裕を持つことができる。また、決まったかたちがあるからこそ、マナーを共通言語として、思いやりの心を表現することもできるのだ。

「思いやりは、巡り巡って自分に返ってくるもの。これらのマナーを味方に、ひとつでも多くの幸せがあなたに舞い込むよう願っています」(岩下さん)

半世紀にわたる講師歴の中で見出した「マナーを味方に思い描く自分に近づき、人生を好転させるヒント」の数々を凝縮した一冊。パラっとめくれば、これからを明るく生き抜くヒントが見つかるはずだ。

■岩下宣子さんプロフィール
いわした・のりこ/1945年東京都生まれ。共立女子短期大学卒業。キッコーマン入社。全日本作法会、小笠原流でマナーを学び、1985年に現代礼法研究所を設立。NPOマナー教育サポート協会理事・監査役。マナーデザイナーとして、企業、学校、団体などでマナーの指導をおこなう。「マナーは愛」をモットーに、ビジネス研修から小学校の授業まで70代の現在も全国を飛び回り、幅広い層へマナーの心を届ける。書籍・雑誌、テレビ番組の監修などでも幅広く活躍。著書・監修書に『冠婚葬祭「マナーとお金」最新ハンドブック』(主婦の友社)、『図解 社会人の基本 マナー大全』(講談社)、『12歳までに身につけたい ルール・マナーの超きほん』(朝日新聞出版)など。

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