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すみれさん、「20代までの承認欲求からは解放」。チェンジメーカーたちに伝えたいこと

  • 2023.3.17

モデル、歌手、俳優として活躍するすみれさん。若者による社会貢献活動へのチャレンジを後押しする「チェンジメーカー・フェス2023」で、スペシャルアンバサダーを務めます。石田純一・松原千明夫妻の娘として生まれ、7歳から母とハワイで育ちました。自身が10代、20代に感じていた思いや悩み、結婚や出産を経て30代になってからの心境の変化などについて聞きました。

若い力が集まり、大きな「輪」が生まれる

「チェンジメーカー・フェス」は、2007年にカナダ・トロントでスタートしたライブイベント「WE Day(ウィーデイ)」をモデルにしています。「チェンジメーカー」とは、社会課題を自分ゴトとしてとらえ、アクションを通じて変化を起こす人のこと。日本では2021年3月にオンラインで始まり、3回目となる今年は3月28日に初のリアルイベントとして開催されます。

――「チェンジメーカー・フェス2023」のスペシャルアンバサダーに決まりました。

すみれさん(以下、すみれ): 過去2回のオンライン開催の際にはVTRで出演させていただきました。今回はリアルイベントに、スペシャルアンバサダーとして参加します。このようなイベントにまた参加できることを嬉しく思っています。
「チェンジメーカー・フェス」は毎年すごく盛り上がりますし、いろいろな才能にあふれる方たちがパフォーマンスやトークをされるので、私自身もとても勉強になります。

朝日新聞telling,(テリング)

――すみれさん自身が日ごろ気になっている社会課題や、日常生活の中で気を付けていることはありますか?

すみれ: 本当に小さなことですが、買い物のときにエコバックを使う、プラスチックのストローは使わない、といったことは意識しています。私は海外生活が長いので余計に感じるのですが、日本は節電やエコに対する意識がとても高いと思います。特にゴミの分別の細かさはすごいですよね。

――今回のイベントを通して、すみれさんが若い人たちに伝えたいことは?

すみれ: このイベントが、若い人たちがSDGsや地球環境、社会課題について考えるきっかけになればいいな、と思っています。「自分に何ができるかな?」と考えることから始め、いろいろな解決策が生まれたり、行動を起こしたりできる。そうやって一人ひとりがつながって「輪」になれば、世界を変える大きな力になると信じます。

日本人とアメリカ人、どちらでもない自分……

すみれさんは日本で生まれ、7歳でハワイに移住しました。10代の大半を海外で過ごし、大学2年終了時に仕事のため休学。2011年から日本で俳優や歌手として本格的に活動を始めました。

――「チェンジメーカー・フェス2023」では、10代がモヤモヤを感じていることをSNSで集める企画があります。すみれさんが10代、20代のときにモヤモヤしていたことは?

すみれ: 10代、20代は、自分は日本人なのか、アメリカ人なのか、とにかくアイデンティティについて悩みました。特に言語の問題は切実で、日本語も英語も話せるけれど、どちらも微妙に100%ではない。どちらにいても完全に馴染めない自分を感じていました。バイリンガル、バイカルチュアルであることはもちろんメリットもありますが、10代、20代はデメリットのほうを強く感じてモヤモヤしていましたね。

朝日新聞telling,(テリング)

――アメリカは多様な価値観を受け入れてくれる文化が根付いているイメージがありますが。

すみれ: でも、時々ニュアンスの違う英語を話すと、ジョークでバカにされたりしていましたよ。悪気がないのはわかっているけれど、傷つきました。同じように、日本でも演技をしているときに監督から「日本語がおかしい」と言われたりすることも。
いまだにアイデンティティが定まらない感覚はあるものの、年齢や経験を重ねて少しずつモヤモヤは薄れてきました。また、時代も変化して、差別をやめようという世の中の意識が高まっているのも大きいと思います。

1人きりになる時間も「大歓迎」に

――2021年に結婚、翌22年にはママとなり現在は育児に奮闘中です。30代になって心境の変化はありましたか?

すみれ: 周囲から「30代が一番楽しいよ!」と言われていたので、30代になるのは全然怖くなかったですね。実際、いまがすごく楽しい! 「人に認められたい」という承認欲求がなくなりました。20代は周囲に認めてほしいという思いがすごく強かったし、いつも誰かと一緒にいないと心細かった。今は周囲の目は気にせず、自分は自分だと思えるようになりました。たぶん、自分に自信がついたのだと思います。1人の時間もウェルカムです。

朝日新聞telling,(テリング)

――20代でやっておいてよかったと思うことは?

すみれ: 海外にはたくさん行っておいてよかったと思います。仕事の場合が多かったものの、ヨーロッパ、アジア、ブータン、モナコ……様々なところに行きました。
子どもが産まれたら外国には行きづらくなるので、身軽なうちにたくさん行っておいたほうがいいと思います。国によって人も景色も違う。そこで刺激を得られ、リフレッシュもできました。

いろんな国に行ったからこそ、日本の良さを感じることもできました。今自分がいるべき場所はここだと思えるんです。発展途上の貧しい国にも行き、自分がいかに恵まれた環境にいるかも実感し、日々の生活に対する感謝の気持ちも強くなりました。

――やりたいことがあってもなかなか一歩を踏み出せない人もいます。そんな読者にメッセージをお願いします。

すみれ: 人生は1回だけなので、やりたいことは絶対チャレンジするべきだと思うし、トライしてみてください。私も妊娠前はゴルフや空手など、いろいろなスポーツにもトライしました。新しいチャレンジをすると、新しい自分を発見でき、達成感を味わうこともできます。

■尾越まり恵のプロフィール
ライター/株式会社ライフメディア代表。福岡県北九州市生まれ。雑誌、WEB、書籍でインタビュー記事を中心に取材・執筆。女性のハッピーを模索し、30代はライフワークとしてひたすらシングルマザーに密着していました。人生の決断を応援するメディア「わたしの決断物語」を運営中。

■坂脇卓也のプロフィール
フォトグラファー。北海道中標津出身。北京留学中に写真の魅了され大阪の専門学校でカメラを学んだのち、代官山スタジオ入社。退社後カメラマン太田泰輔に師事。独立後は自身の作品を制作しながら映画スチール、雑誌、書籍、ブランドルックブック、オウンドメディア、広告など幅広く活動中。

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