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【まとめ】第95回アカデミー賞で何があった?ハイライト10選

  • 2023.3.13
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2023年のアカデミー賞授賞式がハリウッドで開催。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』による“ほぼエブリシング”な受賞のほか、舞台裏やステージで起きた出来事をまとめてご紹介。(フロントロウ編集部)

7冠の『エブエブ』が歴史を作りまくる

作品賞は『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

アカデミー賞が始まる前から、アワードシーズンでの総合受賞数が250を超えて“史上最も受賞歴のある映画”とされていた『エブエブ』が、大方の予想どおり作品賞を受賞。

画像: プロデューサーのジョナサン・ワン(中央)と監督のザ・ダニエルズ。
プロデューサーのジョナサン・ワン(中央)と監督のザ・ダニエルズ。

プロデューサーであるジョナサン・ワンは移民だった父に賞を捧げ、「多くの移民の親がそうであるように、(父は)若くして亡くなりました。父は私を誇りに思ってくれているでしょう。賞を受賞したからではなく、父の『利益より優先されるべき人はいない(※)。人はみな平等だ』という教えを守って映画を作ったからです」とスピーチを行なった。

※スピーチでは「人より利益が優先されるべきだ」と言っていたが、これは言い方を間違えたものだと思われている。

画像1: 作品賞は『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

作品賞のプレゼンターがハリソン・フォードに任されたのは、アカデミー協会からの域な計らいだったのだろうか? ステージでは、『エブエブ』のキー・ホイ・クァンが、1984年の映画『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』で主演俳優と子役という間柄だったハリソンと喜び合う瞬間が話題になった。

画像2: 作品賞は『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
画像3: 作品賞は『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

ミシェル・ヨーがアジア人初の主演女優賞

60歳のミシェル・ヨーがアジア人として初めて、主演女優賞を受賞。有色人種としては2002年のハル・ベリー以来2人目。トロフィーを渡したのが、そのハル本人だったのはなんともアイコニックな瞬間だった。「今夜見ている、私のような見た目をしている小さな少年少女たちにとって、これは希望と可能性の光です」と受賞スピーチで述べたミシェルは、「これは、夢は叶うということの証明です。そして、女性たちよ...あなたはもう全盛期を過ぎていると誰にも言わせてはならない」と力強く言った。

画像: ミシェル・ヨーがアジア人初の主演女優賞

キー・ホイ・クァン、ベトナム出身俳優として初受賞

『エブエブ』で本格的に俳優復帰したキー・ホイ・クァンは、アジア人俳優として2人目、ベトナム出身の俳優としては史上初めて助演男優賞を受賞。ミシェル・ヨーの受賞と合わせて、アカデミー賞史上初めてアジア系の俳優2人が同じ年に演技賞を受賞する快挙となった。

画像: キー・ホイ・クァン、ベトナム出身俳優として初受賞

8歳の頃にベトナム戦争から逃れるために難民キャンプで暮らしていたキーは、「私の旅はボートで始まりました。難民キャンプで1年を過ごしました。そしてなぜか、ここハリウッド最大の舞台の上にたどり着きました。このような物語は映画の中でしか起こらないと言います。これが私に起こっているのが信じられません。これが…、これがアメリカンドリームです!」とスピーチ。

ジェイミー・リー・カーティスがキャリア初受賞

ジェイミー・リー・カーティスが助演女優賞を勝ち取り、約45年のキャリアで初めてアカデミー賞を受賞。「私はここに1人で立っているように見えますが、実際はそうではありません」と言ったあとに、『エブエブ』の仲間、自身のチーム、家族、ファンに向かって、「たった今、私たちは一緒にオスカーを受賞したのです」とシャウト。そして最後に、同じく俳優でありオスカーノミネート経験がある両親に「私、オスカーを受賞したよ」と泣きながら報告した。

画像: ジェイミー・リー・カーティスがキャリア初受賞

インディー配給者「A24」が主演部門を総なめ

作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞、助演男優賞を『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が、主演男優賞を『ザ・ホエール』のブレンダン・フレイザーが受賞したことで、主要6部門をインディペンデント・エンタメ会社であるA24の配給作品が受賞するという結果に。1つのスタジオが主要6部門を総なめにするという史上初の偉業を、インディー系の配給会社が達成した。

画像: インディー配給者「A24」が主演部門を総なめ

アンジェラ・バセットの“リアクション”がバズる

64歳にして初のオスカー受賞、マーベル映画初の演技賞受賞、黒人女性として10人目の助演女優賞受賞など、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』での助演女優賞の受賞には多くの夢達成がかかっていたアンジェラ・バセット。

画像: アンジェラ・バセットの“リアクション”がバズる

最有力候補と言われていたが、結果的に、助演女優賞は『エブエブ』のジェイミー・リー・カーティスが受賞。ツイッターではアンジェラのファンから残念がる声が挙がった一方で、受賞者が発表された瞬間に、ほかの3人の候補者とは違ってアンジェラは拍手をせず固い表情のままだったことも話題に。

数秒でカメラが切り替わったため、反応の全体像は記事執筆時点では分かっていないが、その後にプレゼンターを務めたMCU俳優のマイケル・B・ジョーダンとジョナサン・メジャースがステージからわざわざアンジェラに声をかけて「愛してるよ」と言ったのは、アンジェラの功績を代わりに称えたのではと言われている。

ヒュー・グラントの態度の悪さに不評

画像: ヒュー・グラントの態度の悪さに不評

美術賞のプレゼンターを務めるために、妻のアンナ・エバースタインと授賞式に参加したヒュー・グラント。レッドカーペットではオフィシャル・レポーターを務めたアシュレイ・グラハムの取材に応えたのだが、アシュレイが何を聞いてものらりくらりとかわす態度の悪さに、視聴者からは「今日最もここにいたくないで賞の受賞者」「失礼すぎる」とネガティブな反応があがり、一時、ツイッターのワールドトレンドのトップ10にランクインするほど話題になっていた。

トム・クルーズのためにアメリカ海軍が出動

作品賞に続編(『トップガン マーヴェリック』と『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』)が2作もノミネートされるのは、今年が史上初。トム・クルーズは2012年ぶりのオスカー出席が期待されたが、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART TWO』撮影中のため欠席。その代わりに、アメリカ海軍のパイロットたちがリモア海軍航空基地からF/A-18 Super Hornetに乗って、会場があるハリウッド大通りの上空を飛行してノミネートをお祝いした。

ジョン・トラボルタ、亡き共演者を思い感極まる

追悼コーナーでは、乳がんの闘病を経て2022年に73歳で亡くなったオリビア・ニュートン=ジョンをはじめとした、亡き業界人たちを追悼。プレゼンターを務めたジョン・トラボルタは、涙で声を震わせながら、「この人たちは、私たちの心に響き、私たちを笑顔にして、大切な友人となった。私たちは彼らに対してずっと、hopelessly devoted to(どうしようもないほどの愛情を捧げる)」と、共演映画『グリース』でオリヴィアが歌った曲「Hopelessly Devoted To You」をスピーチで引用して、亡き共演者を追悼した。

画像: 映画『グリース』のプロモ写真より
映画『グリース』のプロモ写真より

マララ・ユスフザイへの扱いにSNSで気遣う声

史上最年少の17歳でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイ氏もゲストとして参加。司会者のジミー・キンメルが客席をまわって観客をジョークのネタにしていた時には、ジミーがマララに、「あなたの人権や女性や子供たちへの教育への取り組みは、インスピレーションを与えてくれます。史上最年少のノーベル賞受賞者として、ハリー・スタイルズはクリス・パインに唾を吐いたと思いますか?」と、ハリーとクリスの間で起きた唾吐き事件について聞く瞬間が。

画像: マララ・ユスフザイへの扱いにSNSで気遣う声

これに対してマララ氏は少し困った顔をした後、「私は平和についてのみ語ります」とアンサー。会場からは笑いが上がっていたが、SNSでは、「マララさんから離れてほしい」「放っておいてあげて」とマララ氏を気遣う声が多かった。一方でマララ氏本人はその後、ツイッターでこの時のやりとりに触れて、ハリー・スタイルズがよく使うスローガンである「Treat People with Kindness(人に優しく接しよう)」とツイートした。

司会者がウィル・スミスをネタに、不在をうまく穴埋め

アカデミー賞と言えば、2022年にウィル・スミスが妻へのジョークに腹を立てて司会者のクリス・ロックをビンタして10年出禁となる事件が起きた。開催前の記者会見でエグゼクティブ・プロデューサーのモリー・マクニーリーが発した「(ビンタ事件に)ユーモアのある形で言及する」という予告どおり、冒頭で司会者のジミー・キンメルが「誰かがショーの最中に暴力行為を行った場合、あなたはアカデミー主演男優賞を受賞し、19分間の長いスピーチをすることを許されるでしょう」などと、事件当時のアカデミー協会の対応をジョークのネタに。

画像: 司会者がウィル・スミスをネタに、不在をうまく穴埋め

そして、アカデミー賞では主演女優賞のプレゼンターを前年の主演男優賞の受賞者が務める伝統があるが、今年は出禁のウィルに変わって、昨年の主演女優賞受賞者であるジェシカ・チャステインと、2002年に有色人種として初めて主演女優賞を受賞したハル・ベリーがプレゼンターを務めた。

ガガ、リアーナ、『RRR』らがパフォーマンス

アカデミー賞では歌曲賞にノミネートされた5組がパフォーマンスするのが伝統のため、今年は、レディー・ガガ(『トップガン マーヴェリック』)、リアーナ(『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』)、ソフィア・カーソン(『私たちの声』)、カーラ・バイラヴァ(『RRR』)、ステファニー・スー(『エブエブ』)らがパフォーマンス。

画像1: ガガ、リアーナ、『RRR』らがパフォーマンス
画像2: ガガ、リアーナ、『RRR』らがパフォーマンス
画像3: ガガ、リアーナ、『RRR』らがパフォーマンス
画像4: ガガ、リアーナ、『RRR』らがパフォーマンス

最終的に歌曲賞は『RRR』の曲「ナトゥー・ナトゥー」が受賞し、作曲したM.M. Keeravaniがカーペンターズの大ヒット曲「トップ・オブ・ザ・ワールド」のメロディに合わせて、「私の心にある願いはひとつだけだった。Rajamouliと私の家族の願いでもあった。『RRR』が受賞して、すべてのインド人の誇りとなり、私を世界の頂点’(トップ・オブ・ザ・ワールド)に立たせなければならない」と歌ってスピーチして拍手喝采を受けた。

レッドカーペットからシャンパンカーペットへ

2023年のアカデミー賞では、メットガラのディレクションなどで知られるLisa LoveとRaúl Àvilaがレッドカーペットのクリエイティブ・コンサルタントに抜擢。この2人の指揮のもと、今年のカーペットの色は、1961年からの伝統だった赤色から脱却してシャンパンカラーに。

画像: レッドカーペットからシャンパンカーペットへ

式典前には、司会者のジミー・キンメルがカーペットの色に触れ、「レッドではなくシャンパンを選んだことからも、今年は流血事件が起きないという我々の自信の表れだと思います」と、ビンタ事件をネタにしたジョークを飛ばしていた。

画像: 第95回アカデミー賞授賞式、セレブたちは様々なルックでカーペットを歩いた。
第95回アカデミー賞授賞式、セレブたちは様々なルックでカーペットを歩いた。

(フロントロウ編集部)

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