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【映画】黒澤明×カズオ・イシグロ!名作『生きる』がイギリスを舞台に!

  • 2023.3.13

こんにちは!リビングふくおか・北九州Web地域特派員のゆーれんママです!3月31日(金)全国東宝系にて公開予定の映画『生きる LIVING』の試写会へ行ってきました。黒澤明のあの不朽の名作『生きる』(1952年)が第二次世界大戦後のイギリスを舞台に蘇る!とのことで、期待度マックスで鑑賞させていただきました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

(C)Number 9 Films Living Limited

脚本はカズオ・イシグロ!

ノーベル賞作家のカズオ・イシグロは、若かりし頃にこの黒澤映画に衝撃を受け、映画が持つそのメッセージに影響されて生きてきたと語っています。そんな彼が脚本を手掛け、新しい『生きる』が誕生しました。イシグロは、黒沢映画の「何事も手柄が得られるからやるのではない。世間から称賛されるからやるのではなく、それが自分の成すべき事だからやる」という人生観に魅力を感じており、それは戦後の日本もイギリスも、そして現代においても変わらないと語っています。

出典:リビングふくおか・北九州Web

(C)Number 9 Films Living Limited

その黒澤の想いそのものが、この映画の主人公の行動と重なっているとも感じる、正に黒澤が自身の人生観を映画に反映させたかのようなストーリーだと感じました。

新しい映画に!

監督に抜擢されたのはカンヌ国際映画祭のクィア・パルムを受賞したオリヴァー・ハーマナス。オリジナルをリスペクトしながらも、自分たちのものを作ることにチャレンジしたそうです。そして主演はイギリスの国民的俳優であるビル・ナイ。彼が選ばれたきっかけは、カズオ・イシグロとプロデューサーが夕食を共にしているところにビル・ナイが現れ、この作品に共感をもたらすのは彼しかいないとイシグロがほれ込んだからだそう。この名作を再現するのにふさわしい豪華すぎるキャスティングです!

その一歩が・・・

舞台は第二次世界大戦後、いまだ復興途上のロンドン。お堅い英国紳士の公務員ウィリアムズ(ビル・ナイ)は今日も同じ列車の同じ車両で通勤します。仕事では毎日事務処理に追われ、家では孤独を感じ、自分の人生を空虚で無意味なものだと感じていました。そんなある日、彼は医者から末期がんで余命が僅かであることを知らされます。それを機に、充実した人生を手に入れるべく、自分の人生を見つめなおし始めるウィリアムズ。”お堅い”彼が仕事を放棄し酒を飲んでバカ騒ぎをしてもしっくりこない・・・「彼のするべきことはこれではないはず!」と見ているこちらも焦ってきます。彼の身体を蝕む病魔は待ったなし! そこに救世主が現れます。その人物は彼の元部下のマーガレット(エイミー・ルー・ウッド)。公務員を辞め、自分の力を試そうとバイタリティに溢れた彼女に惹かれささやかな時間を過ごしていきます。

出典:リビングふくおか・北九州Web

(C)Number 9 Films Living Limited

傍から見れば”老いらくの恋”とも見て取りかねないのですが、実はこの二人の時間が彼の新しい一歩を踏み出すきっかけに。この決意は、病魔と闘っている人とは思えないほどの力を発揮し、素晴らしい成果を出すことにつながります。そして、やがて無関心だった周りの人も変えていくことになるのです。

人生とは・・・

もし自分の人生が残り少ないという状況になったら・・・と誰もが考えさせられるだろうこの映画。どうせだったら、少しでも大きく世に残る功績を残したい、評価されたいというエゴが湧き出るのが普通ですよね。でも本当は淡々と「自分の成すべき事だからやる」ことが、本当に意味のある人生につながるのではないかと、この鬱屈した時代に生きているからこそ感じました。

出典:リビングふくおか・北九州Web

(C)Number 9 Films Living Limited

他人がどう思うかではなく、自分が何をすべきか?とても質素で小さな一歩かもしれませんが、この映画のメッセージをスクリーンから受け取って”生きる本当の意味”を感じてほしいと思います!

『生きる LIVING』 出演:ビル・ナイ/エイミー・ルー・ウッド/アレックス・シャープ/トム・バーク 原作:黒澤明 監督作品『生きる』 監督:オリヴァー・ハーマナス 脚本:カズオ・イシグロ 音楽:エミリー・レヴィネイズ・ファルーシュ 製作:Number 9 F ユナイテッド・シネマキャナルシティ13 T・ジョイ博多 シネプレックス小倉 T・ジョイ久留米 ・映画『生きる-LIVING』公式サイト (ikiru-living-movie.jp)

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