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「普段はみんな同じ人間」17才で上京した【吉野北人】の東京生活とは?

  • 2023.3.8

TOKYO STORY of HOKUTO

「帰ってきてもいいよ」その言葉で火がついた
オーディションで合格したのをきっかけに、上京したのは高校生のころ。当時17才だった。

「歌手になるという夢があったので、高校に入学した当初から“僕はここを離れるんだ”と心に決めていました。学校の人にはいっさいなにも話していなかったんですが、たぶんまわりは知っていたんじゃないかなと思います。

東京へ行くことに、もちろん不安な気持ちはありました。というか不安しかなかったです。知っている場所もないし、頼れるところもない。寮暮らしで他人と住むのも初めてで。上京して1年くらいは"きつい、しんどいよ"って、ときどき親に電話していましたね。

最初のころは“せっかく受かったんだから、もう1度頑張ってみたら?”と背中を押してくれていたんですけど 、一時期しんどい時期が続いていたころ"もう無理しなくていいよ。帰ってきてもいいんだよ"と言われて。

逆に、その言葉で火がついたというか。親を悲しませちゃいけないというスイッチに変わって、そこから弱音は言わなくなりました。自分にとって親の存在は、すごく大きいですね」

失敗して学んでいく、その繰り返しです
上京して約8年。その道のりは決して平坦ではないけれど、着実に前へ進んできた。

「振り返ると、たくさん失敗してきたなと思います。今も失敗だらけで、反省することばかりです。ライブ中に歌詞を飛ばしてしまったりとか、自分のケア不足で声が出なくなってしまったこともありました。

でもその1個1個の失敗が、自分を成長させていると感じるんです。大きな挫折というよりかは、僕の場合は常に失敗して、そこから学んでいく。その繰り返しでここまでやってきました。

逆にいうと自分は満足したことがないので、もっとやれる、もっとできる、もっと準備できたはずだって。いつもそんなふうに考えています。そんな日々の中で大切にしているのは、自分は芸能人ではなく“人である”ということ。

こういう撮影とかステージの上では“僕はスターだぜ”くらいの気持ちでやっているんですが、ステージを下りたらみんな同じ人間。勘違いしないこと。それを大切にしたいなと思うんです。東京に来ていろんな経験をして、おいしいお店もたくさん知って(笑)。

東京に染まったと言われれば、染まった部分もあるのかもしれない。でも根っこが変わらなければ、それでいいのかなって。そう思ってますね」

異世界の中で日々、戦っている感覚
地元・宮崎は「僕が僕であるために、とても大切な場所」と話す。では東京は......?

「東京は異世界ですね。宮崎と全然違います。なんていうか、東京には戦いに来ているような。好きなことをやらせていただいているんですが、生きるために日々戦っている感覚があります。

宮崎は僕をつくってくれた場所で、地元に帰るとほっとしますね。必ずすることは、お墓参りをして星を見て、おばあちゃんの家に行っておにぎりを食べる、(宮崎のイントネーションで)チキン南蛮を食べるとか。

今、変でしたか?でもこれが、僕なので(笑)。これからも変わらずにいきたいです」

Check! 5th Album『ROUND & ROUND』

通常盤 5,720円/rhythm zone

THE RAMPAGEの5枚目となるアルバム。CDには映画『HiGH&LOW THE WORST X』主題歌「THE POWER」などのシングル曲に加え、アルバムリード曲「NO GRAVITY」などの新曲4曲を含む全12曲を収録。

PROFILE

吉野北人(よしの・ほくと)

1997年3月6日生まれ、宮崎県出身。THE RAMPAGEのボーカリスト。俳優としても活躍し、近年の出演作に『トーキョー製麺所』『魔法のリノベ』など。現在は、ドラマ『スタンドUPスタート』(フジテレビ系)に出演中。

Photograph:Yuzo Touge Styling:Keisuke Yoshida Hair&Make-up:Aki Text:Akiko Yamaguchi

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