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「もう寝るよってときに、子どもは重たい告白をしがち。え、今?って(笑)」。保育者の青山誠さんとだいすけお兄さんが対談【だいすけお兄さんのパパシュギョー!・11(後編)】

  • 2023.3.7

だいすけお兄さんが、パパやママの代わりにさまざまなジャンルの専門家からお話を聞く「だいすけお兄さんのパパシュギョー!」。 第13回のゲストは、マンガやアニメ、ゲームなどの空想の世界を科学的に検証する『空想科学読本』の作者、柳田理科雄さん。だいすけさんも愛読しているシリーズの先生に初めてお会いして、お話がどんどんはずみます。 本誌だけでは伝えきれなかったお話を、webでご紹介します!

「科学って面白い!」に、男女も年齢も関係ない!

柳田さん(以下柳田) 今日は、イベントなどで子どもたちによくやって見せる実験も準備してきたんです。ふくらませたバルーンを、こうしてウールの布でこすってから、窓に近づけると……。

だいすけお兄さん(以下だいすけ) おお~っ。くっついた!

「どこでもドア」ができて、「ガンダム」が宇宙で活躍する。そんな未来が来ないとは言えません! 柳田理科雄さんとだいすけお兄さんが対談。 【だいすけお兄さんのパパシュギョー!・13】の画像1
窓ガラスに吸い付くように、緑のバルーンがピタッ。しばらく落ちません。

柳田 これは一番単純な静電気の実験なんですが、これを見て「おお~」って喜ぶ声に、男子も女子も違いはないんですね。幼稚園の子から高校生や大人まで、みんな喜んでくれます。

だいすけ これ、初めて見たらみんな喜びますよね。風船がこんな風にピタッて窓にくっつくなんて、「何が起こったんだろう?」って。

柳田 ええ。これはもう本当に、一番ウケる。でも、子どもたちに科学を楽しんでもらうためにこうした技をいくつも覚えなきゃいけないかっていうと、決してそんなことはないですから。楽しい技が1つ、お父さんお母さんのレパートリーに加わるだけでも違うかなと思います。

だいすけ すごーい。だって、ねえ。静電気ってわかってても、こうやって普通に見たら「なんで?」って思いますもんね。

柳田 そうですね。理由を知らない人がいきなりこの部屋に入ってきてこれを見たら、「何が起きてるんだろう?」ってなりますね(笑)。

「どこでもドア」ができて、「ガンダム」が宇宙で活躍する。そんな未来が来ないとは言えません! 柳田理科雄さんとだいすけお兄さんが対談。 【だいすけお兄さんのパパシュギョー!・13】の画像2

実物大ガンダムの登場に感動!

だいすけ やっぱり何でも、まず楽しむことって大事ですよね。僕も子どもの頃アニメやSFが好きで、見ていて楽しかったからこそ、先生の「空想科学読本」シリーズの面白さを十二分に味わえるというか。「えっ、あれって実はすごいことだったんだ⁉」とか。

柳田 そうですね。マンガやアニメのエピソードが現実に可能か不可能かというのは、よく聞かれることですが、「不可能」とか「あり得ない」という答えは、今はもう怖くてできないですよね。 「電話が持ち運べたらいいな」「電話番号を覚えてくれる電話はないだろうか」なんて言ったら、バカにされる時代もあったわけです。だけど今はもう、すっかり当たり前になっている。だから「『どこでもドア』はできるのか?」と聞かれて「不可能」とは、僕は怖くて言えないですね。できるかもわからないので。

だいすけ そうですよね。不可能が可能になったものの中には、「やっぱり作ってみたい」と子どもの頃から思い続けて、実現した例もあるかもしれないですし。

柳田 ああ、それは本当にたくさんあると思います。ロボット技術者には「『アトム』が作りたかった」「『ガンダム』に乗りたかった」という方が多いですよね。

だいすけ 僕もガンダムは「乗りたい!」って思ってました。でもちょっと大きくなると「いや、それは無理な話でしょ」となって、けれど21世紀になったら実物大ガンダムが登場して。あれを初めて見たときは、感動しましたねえ。

柳田 そうですね。実物大ガンダムが実際に歩くのはまだ大変そうですが、地上でなく宇宙なら無重力なので、巨体を支える必要がないんですよね。なので、もしかしたら本当にガンダムが宇宙で活躍する日が来るかもしれない。多分、身長18mの人型ロボットが地上を歩くよりも、宇宙で活動する日の方が先だと思うんです。

だいすけ う~ん、生きてる間に見てみたいなあ。

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アニメやマンガは、現実の一歩先を進んでいる

だいすけ 僕たちが子どもの頃は「ロボット」というと本当に夢の世界の話でしたが、今や生活の中に当たり前にお掃除ロボットがいたり。ロボットという形でなくても、電化製品はもうびっくりするぐらいに進歩しているじゃないですか。生活の中でありとあらゆる機械が進化してきたからこそ、アニメもまた進化してその先を行くという。

柳田 そうですね、アニメは現実の一歩先を進んでないと憧れてもらえないので。だからすごいことが想像されたり、構想されたりするわけですよね。 昔は「コンピュータが発達しすぎて、人間社会を支配し始めたら」というテーマの作品が多かったですけど、今はそれが現実のものになりつつありますね。「この人はネットでこういうサイトを見たから、次回も似た情報がたくさん出るように」なんて、AIによる情報調整がされているわけで。

だいすけ 本当に、「ターミネーター」も最初は単純に面白かったんですけど、大きくなるにつれて、AIがどんどん発展して人間がコントロールできなくなるという未来が、「実はすごく怖いことなんじゃないか?」って思えてきました。

柳田 それはもう本当にあるわけで、だからこそAIにはできなくて人間だけができることをしっかり持ってないと。それはまず「疑問を持つ」こと。それから「夢を抱く」、これもできないですね、AIには。

だいすけ ああ、確かに。

柳田 他にもいろいろあると思うんですけれども。「なぜ?」と「夢」、あるいは「頑張ろうという気持ち」も、人間にしかないものかもしれませんね。

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AIにはできない力を大切にしたい

だいすけ でも、今言われた大事なものの基礎が形成されるのって、子ども時代ですよね。だからやっぱり、子どものときは「なぜ?」や「夢」を大切に、いろんな体験や経験をするのが大切なんですね。子どもが興味を持ったら、その芽を伸ばしてあげることが。

柳田 そうですね。いろんなものに興味があるっていうことは、本当にかけがえのないことですからね。ただ、あまり親が「興味を伸ばそう」と気合いを入れすぎると、それが空回りして、「うちの子は三日坊主だ」なんてことになっちゃいますので、まあ、ごく自然にサポートするのがいいんじゃないですかね。

だいすけ 柳田先生が(本誌記事で)おっしゃっていた、「家庭というのは種を蒔いたばかりの畑みたいなところ」という言葉は「確かに」と思いました。親になるとどうしても「立派な花を咲かせてほしい」「太い幹になってほしい」とか、先々のことに目が行きがちですが、まず親としては「土になって種の近くにいる」でいいんですね。

柳田 そうですね。僕らが子どもの頃の親たちは「末は博士か大臣か」、しばらく経つと「末は医者か弁護士か」という発想で、人生の道を非常に狭く考えて、序列を気にしていた大人が多かったような気がします。今は大分それはなくなってきましたが……。本人がどうしたいかもわからないうちから、「こういう人間になってほしい」「だから今からこうしなければ」っていう心配は、あまり必要ないんじゃないかなとは思いますね。

プロフィール
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横山だいすけ よこやまだいすけ/NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」の歌のお兄さんを2017年3月まで最長9年務める。「子どもに良質の音楽を届けたい」という目標のもと、舞台、ラジオ、TVなど幅広く活躍。メ~テレ(名古屋テレビ)「ドデスカ!」(月~金曜6:00~8:00)木曜コメンテーター他、出演多数。YouTubeチャンネル「横山だいすけチャンネル」も配信中。 ミュージカル「DADDY」に出演! 主人公こーすけが出会う個性豊かなダディたちを、熱演します。 東京:サンシャイン劇場 3月31日(金)~ 4月9日(日) その後、大阪、金沢、新潟、仙台、福岡でも順次上演。

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柳田理科雄さん やなぎたりかお/ 1961年鹿児島県種子島生まれ。東京大学理科Ⅰ類を中退し学習塾を経営、そのかたわら著した『空想科学読本』が大ヒット。1999年に空想科学研究所を設立、現在は同研究所主任研究員、明治大学理工学部兼任講師。『ジュニア空想科学読本 25』(KADOKAWA)など著書多数。

インタビュー/原 陽子 撮影/大森忠明 スタイリング/吉岡ちさと(だいすけさん) ヘアメイク/安藤千浪(だいすけさん)

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