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長崎の歴史と文化が融合。美味しさいっぱい【界 雲仙】がアレンジする地域ならではの味

  • 2023.3.6

鎖国時代も日本唯一の貿易港として栄えた長崎は、日本とオランダ、中国の文化が混じりあった独特の“和華蘭”文化が発展した、異国情緒あふれる土地柄です。星野リゾートの温泉旅館【界 雲仙】では、そうした異国にルーツを持つ料理や、ご当地グルメをアレンジした創作料理を満喫。戦国時代から続く歴史や文化を味として楽しめます。

高級魚出汁でいただく「アゴ出汁しゃぶしゃぶ会席」

数年前に大ブームとなり、人気の高級魚出汁として定着した五島列島や平戸島の風味豊かなアゴ(トビウオ)の出汁。今回ディナーでいただいたのは、特別会席の「あご出汁しゃぶしゃぶ会席」で、メインディッシュに海鮮や牛ロースのしゃぶしゃぶをいただきます。

長崎の歴史と文化が融合。美味しさいっぱい【界 雲仙】がアレンジする地域ならではの味

▲食事処では長崎に伝わった異国文化に囲まれます

食事処は、長崎県の波佐見焼の器や中国格子、デルフトブルーが鮮やかなオランダのデルフトタイルをイメージした波佐見焼など、長崎にちなんだパーテーションで仕切られた半個室になっています

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▲びいどろやステンドグラスは、ポルトガルやオランダから伝わったガラスの製法で、青いガラスをはめ込んで雲仙地獄の湯煙をイメージした席です

全国にある界ブランドの宿では、ディナーのはじめに、その土地の味を活かした驚きの創作料理に出会えます。「“鬼やらい”湯せんぺい 豚角煮のリエット」もそのひとつ。

小麦粉と卵、砂糖を、雲仙の温泉水で練った地元名物「湯せんぺい」の上に、宿の周囲で水蒸気を上げる「雲仙地獄」にちなんで鬼を描いた紙が載っています。鬼めがけて木槌でせんぺいを叩き割り、邪鬼を払う“鬼やらい”の儀式から始まります。

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▲ご当地先付けは、邪鬼を払う「“鬼やらい”湯せんぺい 豚角煮のリエット」

湯せんぺいを割った下には肉を使ったパテ“リエット”が隠れていて、せんぺいにのせていただきます。長崎発祥の「卓袱(しっぽく)料理」にもつく角煮と、醤油などを作るため裸麦を発酵させた「島原納豆味噌」を合わせたリエットで、発酵食品ならではの旨味や奥深さのある甘じょっぱい味わいです。

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▲湯せんぺいに、角煮と島原納豆味噌のリエットをのせて

ドリンクは、色鮮やかな「雲仙地獄焼酎カクテル」をいただきました。長崎県の離島、壱岐にある重家酒造の麦焼酎「ちんぐ」と、グレナデンシロップ、カルピスを使い、お酒が苦手な方でも飲みやすい、柑橘のさわやかな甘さを楽しめます。

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▲界 雲仙オリジナル「雲仙地獄焼酎カクテル」。奥に見えるのが中国格子です

九州と言えば焼酎王国ですが、美味しい地元の日本酒も用意します。壱岐の重家酒造が作る無濾過生原酒「よこやま SILVER 7 純米吟醸 白」は、壱岐で栽培した最高峰の特等山田錦を使った生酒です。マスカットの香りがするジューシーな甘味で、一口飲んで大ファンになりました。

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▲長崎の地酒「よこやま SILVER 7 純米吟醸 白」は驚くほどの美味しさ

先付けに続く煮物椀は、あでやかな色が映える「南京(かぼちゃ)のすり流し」。かぼちゃのスープにひたる大根餅の揚げだしには、蟹や花麩が盛り付けられ、香りづけに柚子の皮のすり身がかかります。柔らかな甘味が広がる上品な味でした。

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▲南京のすり流し

交易のあった中国や出島のオランダ料理が和食化した、長崎の「卓袱(しっぽく)料理」。その定番となっている朱色の円卓をイメージして、八寸やお造り、酢の物を、一堂に盛りつけた「宝楽盛り」。背の高い器には、煮溶かしたいぎす草で大豆の身汁や野菜を固めた島原半島の郷土料理「いぎりす」が並びます。

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▲長崎発祥の卓袱料理をイメージした「宝楽盛り」

八寸は「薫製鴨のりんご串」や上品な酸味の「ずわい蟹小袖寿司」、芋の茎にカツオの風味を添えた「ずいきの土佐和え」など、彩り豊かな一口サイズの料理が並びます。トロリとしたフォアグラを甘い干し柿で巻いた「フォアグラ干し柿」も印象に残る美味しさでした。

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▲甘味や酸味なども加わって、多彩な味を楽しめる「八寸」

宝楽盛りにのっていたこの日のお造りは、鯛、鰆、しまあじ、甲貝で、別皿には鮪もありました。醤油は長崎のメーカー「チョーコー醤油」で、お造りの味に深みが出る九州らしい甘い味です。

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▲長崎の甘い醤油でいただくお造り

乾燥した湯葉を砕いて衣にした車海老の東寺揚げには、風味豊かなあおさも加わり、サクサクの食感と、絞ったレモン、ほのかな塩味で、海老本来の味を引き出す一品です。

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▲「車海老東寺揚げ」

長崎県に隣接する佐賀県有田町。色鮮やかな有田焼の器で提供されたのはのどぐろです。長崎名産のびわで作ったびわ酢がかかり、脂ののったのどぐろを、ほのかな酸味でさっぱりといただきます。

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▲「のどぐろ びわ酢蒸し」

メイン料理は「あご出汁しゃぶしゃぶ」。立派な伊勢海老や和牛ロース、ふぐと、お野菜やキノコでいただきます。締めは、ご飯の代わりに、小麦と島原の美味しい水で作った「島原うどん」。細いうどんをさっとあご出汁に通します。

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▲豪華なあご出汁しゃぶしゃぶの具材

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▲旨味が際立つ琥珀色のあご出汁でいただくしゃぶしゃぶ

しゃぶしゃぶのつけダレは、ゴマダレとポン酢のような「橙酢(だいだいす)しょうゆ」。さらに、柚子の皮や醤油、砂糖を使い、唐辛子と共に煮た、壱岐独特の調味料「ゆべし」も用意され、柑橘系の爽やかな風味や辛味が広がり、味の変化を楽しみました。

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▲左から、あご出汁に使う器と、ゴマダレ、橙酢(だいだいす)しょうゆ。手前が壱岐の薬味「ゆべし」

デザートは、島原の伝統的スイーツ「かんざらし」。1792年、眉山の山体崩壊による地殻変動で大量の湧き水が出るようになった島原の町。その湧き水で冷やした白玉団子に、砂糖や蜂蜜で作ったシロップをかけた冷菓です。界 雲仙では長崎名産のびわの種を鶯餡にのせて、びわ茶で作ったシロップでいただきます。お茶の風味と優しい甘さの上品な味わいでした。

長崎の歴史と文化が融合。美味しさいっぱい【界 雲仙】がアレンジする地域ならではの味

▲島原の地元スイーツをアレンジした「ビワのかんざらし 界 雲仙風」

朝食も長崎の味を満喫

朝は地域の味を採り入れた和食膳に力を入れる「界」。島原の郷土料理「具雑煮」をメインにした“ご当地朝食”をいただきました。とっても甘い長崎のミカンジュースや、この日の焼き魚の鯖の照焼き、ちょっと甘めのだし巻き卵などが並びます。

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▲長崎の味がうれしい“ご当地朝食”

鍋料理「具雑煮」は、島原の乱で天草四郎が兵や領民に振舞ったと伝わる具沢山の雑煮で、魚や鶏肉、野菜などが入ります。優しい味わいで体が温まりました。

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▲天草四郎の伝説が伝わる郷土料理「具雑煮」

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▲利休牛蒡や彩なます、干し海老の卯の花など、多彩な味が楽しめました

長崎では卓袱料理のメインディッシュや名物の角煮まんじゅうとして親しまれる「豚の角煮」。長崎に居留していた中国人たちが伝えた東坡肉(トンポーロウ)がルーツです。角煮は、前夜の会席料理の先付けにリエットとしても使われていましたが、朝は角煮本来の姿で味わえます。

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▲ほろほろの柔らかさ、豚の角煮

長崎の歴史と文化が融合。美味しさいっぱい【界 雲仙】がアレンジする地域ならではの味

▲自家製ヨーグルトは、温泉の蒸気で蒸した人参ジャムがアクセント

遠く戦国時代から和・洋・中の味が混じり合い、独特の料理へと進化した長崎の和華蘭料理。そこに島原や壱岐など地域で親しまれてきた食材や、火山性の土地に由来する「湯せんぺい」や「かんざらし」などを【界 雲仙】が独自にアレンジ。ここでしか味わえない個性豊かな創作料理を、旅の想い出にしてみてくださいね。<text&photo:湯川カオル子 予約・問:界 雲仙 https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiunzen/>

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