【世界のパク・ウンビン】ウ・ヨンウ以前に演じたキャラの変遷がどれほど興味深いのか

Netflixの配信を通して『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』は世界的な大ヒット作となった。それゆえ、今やパク・ウンビンは世界で最も知られた韓国女優と言っても過言ではない。

現在は30歳。これから「栄光の30代」を迎えるに違いない。

彼女は子役出身であり、2007年に韓国で放送されたペ・ヨンジュン主演『太王四神記』でも表情豊かな美少女として注目を集めていたが、その後も順調に成長して、大人の女優として活躍していた。

そんな彼女が躍動したのが『ストーブリーグ』(2019～2020年／SBS)であった。このドラマは万年最下位のプロ野球チーム「ドリームズ」を飛躍させるためにフロントが尽力するという内容だったが、パク・ウンビンはイ・セヨンという球界最初の運営チーム長を演じていた。

上司として新しくゼネラル・マネージャー(GM) となったのがペク・スンス(ナムグン・ミン)で、彼の斬新なやり方は軋轢(あつれき)を生むのだが、イ・セヨンはペク・スンスと協力して「ドリームズ」を強豪チームに導いていく。ドラマの中でナムグン・ミンは際立つキャラを颯爽と演じていたが、パク・ウンビンも明るく思いやりのある素敵な女性を等身大で演じて好評を博した。

難しいキャラで見せた演技力

パク・ウンビンは次作の『ブラームスは好きですか?』(2020年／SBS)でも、苦労して音大に入っても才能を開花させられないチェ・ソンアを演じて運命的なラブロマンスを名曲の旋律のように演じきっていた。本当に哀愁がある抒情的な演技で自らの可能性を広げた。

さらに、『恋慕』(2021年／KBS)では意表を突くヒロインに扮した。この場合の「意表」というのは、男装して世子に扮するという突飛なキャラのことを指している。

時代劇で女性が男装するのは過去に何度もあったので驚かないのだが、演じる役が世子というのは意外だった。この役どころは若いイケメンの重要ポジションになっていたからだ。そこにチャレンジしたパク・ウンビンは、「冷淡な世子が恋心によってどう感情を揺さぶられていくのか」という点を繊細に演じて好評を博した。

こうして演じる役の幅を広げたパク・ウンビンは、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で難しいキャラを本当に魅力的に演じてドラマをメガヒットさせた。

文＝康 熙奉（カン・ヒボン）