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韓国大学サッカーで衝撃事態…無気力“ボール回し”→大会出場禁止処分に。一体何があった?

  • 2023.3.4

韓国大学サッカー界では、今年の春季大学サッカー連盟戦開幕を翌日に控えた去る2月9日、開催地の慶尚南道(キョンサンナムド)統営(トンヨン)で韓国大学サッカー指導者協議会による集会が行われた。

そこでなされたのは、韓国サッカー協会(KFA)のU-21、U-22出場義務規定による弊害への指摘だった。

韓国ではこれまで、サッカー界の有望株が大学を経てプロに入団するケースが定石だった。ただ、最近はKFAやKリーグを主管する韓国プロサッカー連盟の低年齢選手政策により、プロに直行するケースが増加した。

両大学やる気なし?異例の“ボール回し”

 

自然に、以前よりも低年齢の選手が注目される機会は多くなった。

しかし、途中で脱落してしまう選手がさらに増え、大学選手の多くが2年生になると中退したり、3年生以降は後輩と会うことも恥ずかしく、サッカーをやめてしまうなどの副作用を招くという指摘が出ている。

一部の大学ではサッカー部の運営を放棄する事態まで起きた。韓国サッカー有望株の普及において役割を果たしてきた大学サッカーが、崩壊の危機に追い込まれた。そこで、大学の指導者たちが統営に集まり、声を一つにしたのだ。

だが、彼らの叫びは異例の“ボール回し”によって空念仏に終わる危機だ。去る2月23日、延世(ヨンセ)大学と京畿(キョンギ)大学による春季連盟戦準決勝でその事件は起きた。

当時、延世大学は前半9分に先制ゴールを決めた後、自陣でウォーミングアップをするかのように一部選手がボールをリフティングするなど余裕を見せたのだ。

だが、相手にリードされているはずの京畿大学も、試合に参加する意志がないかのように、選手たちはハーフラインを越えなかった。

このような状況は23分近く続いた。結局、試合監督官が両大学の監督に注意を払った後、正常に試合が進められた。

(写真提供=韓国大学サッカー連盟)“ボール回し”が起きた延世大学(青)対京畿大学(白)の試合
戦術的な“ボール回し”だった?

試合後、両大学の指揮官が地上波放送を通じて伝えた釈明は見苦しいものだった。

延世大学のチェ・テホ監督は「(相手の京畿大学が)出てこなかった。我々は1-0で勝てば上がれたが、スポーツは勝つことが重要ではないか。みっともないゲームだ」と伝えた。

一方、京畿大学のクォン・ヒョクチョル監督は「延世大学がゴールを決めたのに出てこなかった。我々が降りたと。我々は強いチームを相手にするとき、こうしようと言ったが…」と述べた。両監督ともに、ただ戦術に則っただけというニュアンスだった。

しかし、この試合を観た多くの大学サッカー関係者やサッカー人は、「指導者の本分を見捨てたも同然だ」と切り捨てた。

大学はプロ入りへの最終関門だ。指導者の重要な目標の一つに、優れた選手をプロに送ることがある。プロ選手は試合中のパフォーマンスだけでは評価されない。社会の手本となるスポーツマンシップで大衆と疎通し、自分だけの価値を育てなければならない。

にもかかわらず、選手を育てる責任があるはずの大学サッカー指導者が、歴史と伝統を持つ春季連盟戦、それも準決勝の舞台で何も恥じることなくこのような場面を誘導したことは、あまりに衝撃的なことだ。

“ボール回し”の事態は低年齢制度の弊害を指摘した指導者たちの声を色あせさせ、大学サッカーの存立を危うくした。

韓国大学サッカー連盟のピョン・ソクファ会長は「私から反省する」と頭を下げた。サッカー関係者のA氏は「指導者自身が過ちを犯したという認識がないことがさらに問題だ」とし、「今の時代、このような試合を見た人は八百長に匹敵すると解釈する。若い選手たちがこれを見て何を学ぶのか」と悔しがった。

また別のサッカー関係者B氏は、「国民のスポーツに対する目線は高くなった。公正と正義の概念を重視するMZ世代に属する大学選手たちも何だと思うのだろうか。実際にプレーする彼らでさえ、大学サッカーはなくならなければならないと考えてしまうかもしれない」と警鐘を鳴らした。

結局、韓国大学サッカー連盟は3月2日に連盟事務所で開いた賞罰委員会で、延世大学と京畿大学の“ボール回し”について「両校は協会、サッカー団体、国家代表チーム及びサッカー人の名誉失墜及び品位を傷つけた」とし、両大学に大学サッカー連盟が主催及び主管する1大会への出場を禁止する懲戒を下した。

韓国大学サッカーの根幹を揺るがした“ボール回し”。大学連盟は当初、別途の懲戒規定がなく困惑しているという意を示していたが、賞罰委員会の末に両大学への懲戒を決定した。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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