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アジ・鯖・鮭・鶏。スーパーで手に入る食材で【自家製雑節】に挑む

  • 2023.2.22

みなさまこんにちは。はる子です。 少しずつ春の足音が感じられるようになってきましたね。いかがお過ごしでしょうか。 今日は2月22日。にゃんにゃんにゃんの「猫の日」だそうですね。それだけじゃなく「おでんの日」でもあるんですって。おでんの日!春の気配がするとはいえどまだまだ寒いこの時期にぴったりです。

というわけで今回はうちのにゃんこが好きだった鰹節とおでんのお出汁にインスピレーションを得てお手製の「節」作りに挑戦してみます。

「愛媛」と「節」

愛媛は節製造の文化にとても近しい地域。全国的に有名な鰹節屋さんが伊予市に2軒もありますものね。私が住んでいた愛南町にも節を製造する工場がありました。近くを通るといい薫香がするんですよ。 鰹節以外の節を「雑節」と呼ぶそうなんですが、最近は「鶏節」なんてものも見かけるようになってきました。どんな出汁が出るのだろう。気になったのでこちらも作る節リストに。カチンコチンの鰹節(枯節・本枯節)のようなカビ付けを行わず、節(荒節)を作ります。

挑戦!自家製雑節作り

今回はアジ・鯖・鮭・鶏(むね肉)の4種類で仕込もうと思います。

出典:リビングえひめWeb

アジを代表して紹介していきますが、全材料同じ工程です。

流れ ①下処理→②煮る(煮熟)→③乾かす→④燻製(焙乾) ※③・④を何度か繰り返してお好みの節に。

①下処理
出典:リビングえひめWeb

魚の場合は、頭と内臓をとります。しっかり血を拭き取っておきました。半身のものなどはそのまま使えます。鶏肉は皮を取り除きます(後ほど皮だけ燻製しても美味しい)。 出来るだけ脂の少ない食材を選ぶといいかと思います。

②煮る(煮熟)
出典:リビングえひめWeb

食材を1時間ほど煮ます。 そのまま煮てしまうと崩れてしまうので、鍋の中にザルなどをいれてそこに材料をいれます。火の加減も少し落としてゆっくりと煮上げていきます。 「煮」て「熟」れさせると書いて「煮熟」という工程にあたります。なんだか美味しくなりそうな素敵な言葉ですね。

③乾かす
出典:リビングえひめWeb

食材を乾かすのですが、お手軽なのはフタやラップをせずに冷蔵庫にいれて放置しておくやり方。一晩二晩置いておくだけ。 ドライフルーツを作るやり方のようにオーブンで低温焼きする方法もあります(100°で1〜2時間)。ちょっと電気代が怖いので冷蔵庫放置式を採用しました。

④燻す(焙乾)
出典:リビングえひめWeb

フライパンで燻していきます。 アルミホイルを敷いた上にチップ(サクラとリンゴを使用)を散らし、その上に網をしいて食材を置きます。(本当なら網がいいんですが、網がデカすぎたのでアルミホイルに変更しました。この場合一度燻製する毎に表裏を返します。)全てが覆われるようにボウルを裏返して置き、更にフライパンの蓋で抑えます。 1時間ほど燻して、蓋を取らずに30分ほど放置します。その後具合を見つつ冷めるまで休ませます。 このルーティンを何度か繰り返します。

出典:リビングえひめWeb

左上1回目 右上2回目 左下3回目 右下4回目

今回は「燻す→冷ます」を4回(本当は5回したかった)繰り返し、オーブンで30分だけ低温乾燥させました。

出典:リビングえひめWeb

より「節感」を再現するのならば、燻した後に一晩乾燥させてまた燻す作業を繰り返していくと雰囲気が出てきます。 2回燻しただけでも充分美味しそうな香りがするので、多めに燻しておいて、そのまま燻製でいただくのもありです。

実食

おお…!しっかり「節」の香りがする!時間をかけて作ったからか、感動しました。 お出汁を試飲してみたのですが、食材に脂がのっていたようで少し濁ってしまいましたね。それとも燻しが足らなかったのか乾燥が足らなかったのか…しかしちゃんと「節」からとったお出汁の味がしたので次回またリベンジしたいと思います。


アジ節
出典:リビングえひめWeb

・しっかりとしたアジの美味しさ。鰹節や鯖節とは違う強さがあります。この削り節をごはんにかけたい…


鯖節
出典:リビングえひめWeb

・一番「節」感を感じることができました。ガツンとくる鯖の旨味。調味してなくてももう一杯いけちゃいそうな濃厚な風味です。


鮭節
出典:リビングえひめWeb

・これは気になっていた一品。北海道などで作られるそうです。本当は「シロサケ」という白っぽい鮭を使うそうですが、今回はスーパーで手に入る味付けされていない紅鮭を使いました。 鮭の味が舌にじんわり広がります!繊細でお上品なお味です。


鶏節
出典:リビングえひめWeb

・鶏の燻製になっていたらどうしようと思っていたのですが(それも美味しいけど)、しっかりこちこちに乾燥してくれました。そのままの鶏でとるスープよりもあっさりとしているのに深みを感じるような味わい。お出汁をとった節は噛めば噛むほど味が出てくるので、どことなく厚く削った鰹節を彷彿とさせます。


作業自体はシンプルですが、気長に待たねばならない時間があるので、休みの前日に仕込んでおくといいかもしれません。はじめて挑戦したのですが、意外としっかり出汁が出て嬉しくなりました。脂がのっているとこんなに出汁って濁るのね、と学びにもなります。理想の自家製節を追い求める旅が続きそうです。

時間と根気のいる節作り。天気や食材の具合すべてに繊細な心を注いで、手間暇かかって作られた美味しい節を、手軽に購入して食べられるというのは本当にありがたいことです。素晴らしい愛媛の節文化に思いを馳せつつ、大切にいただきたいと思います。


たまにはゆっくり時間をかけて
出典:リビングえひめWeb

2月22日はたまたま猫の日とおでんの日ということでした。はる子家の車は、エンジンをかけると「今日は何の日」というのを教えてくれます。たまになんじゃそれという日もありますが、毎日に意味があるのだなぁと気付かされます。

少しずつ春に向かっていく季節。なにかと気忙しい時ですから、たまにはちゃんとお出汁をひいてお料理を作ってみたり、ゆっくり日々と向き合いたいものです。 こんなこと言っておきながら「時短」の文字に飛びついてしまう今日この頃の私ですが、今回挑戦した節のおかげでちょっとだけゆっくり日々と向き合えた気がしています。気持ちだけでも。 花粉や気温の変化にも注意したい時期ですね。 みなさまもどうかご自愛くださいませ。

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