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親子でどっちが燃えるか競争!?マッチからはじめる、子どもと安全に遊ぶための焚き火

  • 2023.2.22
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子どもと一緒に焚き火を楽しもう

子どもにむやみに火遊びをさせるのは危険ですが、せっかくキャンプに来ているのなら、大人だけ焚き火を楽しむのはもったいない。ある程度理解できる年齢になったら、火の扱いについてきちんと伝え、本人のやる気に合わせて「火とのつきあい」をはじめてみましょう

今回は、子どもたちとデイキャンプ場で燃料を集め、実際に焚き火に挑戦してみます。市販の着火剤や炭、薪は一切使用せず、点火にはマッチを使います。ふだんは大人主導でやりがちな焚き火ですが、横で見守りながら、ある程度子どもの自主性に任せましょう。

プレイワーカー親子にやってもらいました!

子どもと遊ぶための焚き火について教えてくれたのは、「遊び」を広げる一般社団法人「TOKYO PLAY」理事の矢野真利那さん。ご自身のお子さんである、カンタロウくん(5)・ソウジロウくん(4)・アミコちゃん(0)、ご友人の相原里紗さんとお子さんたち、アッキー(5)・コウくん(3)の7人で、実際に焚き火をしてもらいました。

マッチで火をつけてみる

シュッという音とともにボッと火のつくマッチ。アウトドアの場面では、ライターや点火棒、ガスマッチといった便利な道具がメジャーで、マッチの登場率は低め。仏壇のある家や、「おばあちゃんの家で見た!」という機会がない限り、知らない子も多いようです。

しかし、きちんと使い方を教えれば、つく火の大きさも小さいため、子どもたちが扱うのにちょうどよく、親子の焚き火に最適!手先を使う遊びとしてもおすすめです。

まずは、つけ方を教わります

慣れていればなんてことのない「マッチを擦る」ですが、強いと折れてしまい、弱くてもつかない…と、点火するには意外とコツがいります。大人でも、意外とつけられない、なんてことありませんか?まずは大人が見本となって、正しい手順を子どもたちに覚えてもらいます。

【基本のつけ方】
①マッチの箱は閉じておく
②親指・人差し指・中指の3本の指でマッチ棒をしっかりともつ
③マッチ棒を箱の側薬(茶色くざらざらしている面)に、自分から向かって外側に、斜めに擦り下ろす
④火がついたマッチ棒をしばらく横に向けておくと、ゆっくり燃える

【注意1】自分に向けて擦らない

着火時に自分に向かって擦ってしまうと、着火した直後のマッチが顔の前に来てしまったりなどして危険です。必ず手前から奥へ、斜め上から下の方向へ擦るように伝えましょう。

【注意2】火がついたら、棒を下に傾けすぎない

マッチ棒の頭薬(赤い部分)に火がついてから、すぐに上に向けると、次第に火は消えていきます。逆に、下に傾けすぎると軸木部分があっというまに燃え上がり、手をやけどしてしまう恐れが。棒は、しばらく横にしてゆっくり燃やしたあとで、頭を上に向けると火が長持ちします。

【注意3】軍手は外した方がいいかも?

「熱そうだから」といって、軍手や手袋をしていたままマッチを扱うのはおすすめしません。手の感覚が鈍り、小さな子どもは特に扱いづらいはずです。また、万が一火を触ってしまうなど失敗した際、軍手の方が燃えてしまったりと、かえって危ない場面も。(マッチの火はとても小さいため、やけどは軽いことが多いですが注意しましょう)

子どもたちがマッチに挑戦!

小箱の中にぎっしりと納められた、小さな棒。そのかわいらしいフォルムに、子どもたちも興味津々。

家に仏壇があり、ローソクに火をつけるときにやったことがあるというカンタロウくん。さすが、慣れた手つきで点火に成功!火がついたのを見届けたら、マッチは焚き火台に投げ入れます。
※消火するときは、別で水を入れたバケツを用意しておくと安全です

マッチを使うのがはじめてだというコウくん。最初は少し怖がっていましたが、同級生のカンタロウくんの手つきを真似て、擦るのに挑戦しました。何度か練習を重ねるも、すぐに点火できるように!

弟のコウくんは、はじめはママと一緒に練習し、すぐに一人でもできるようになりました。3歳でもしっかりと伝えれば理解し、きちんと扱えるようになります。火を怖がらず、愛でる姿がたくましい!

キャンプ場で焚き火の燃料を集めよう!

冬のキャンプ場は枯れ枝集め放題

キャンプ場やホームセンターで薪や炭、着火剤を購入して焚き火をするのが主流の今、拾ったものだけで焚き火をしたことはありますか?料理や暖をとることが目的だと、落ちている小枝だけではどうも頼りない。けれど、子どもと遊ぶ目的の焚き火ならば、燃料を調達するところからスタートしましょう!

冬のキャンプ場には、いろいろな種類や長さの枝が落ちています。焚き火をするには、燃えやすい細い枝と、火もちのいいある程度太い枝、どちらもあると好都合。はじめは細い枝で火を起こし、木に火がついたら、太い枝にかえていくと安定します。

…とまぁ、幼児に小難しい説明は抜きに、「とにかくたくさん枝を集めよう!ただし湿った枝は、燃やすと煙がたくさん出るので、よく乾いた枝を選ぼう」とだけ前置きして、みんなで散り散りに燃料探しの旅へ。

天然の着火剤

松脂を含んだ松ぼっくりや、トゲトゲしたスギの枯葉は燃えやすく、天然の着火剤になります。ソウジロウくんは、落ち葉の中で何かの実を見つけたよう。

モミジバフウの実の殻でした。秋から冬にかけて実の中の種子を飛ばしたあと、殻だけ落とすのだそう。たしかに、トゲトゲの表面には多数の穴が空いていて、中身は空洞でした。松ぼっくりと同じように、いい着火剤になるのでしょうか!?

大人と子どもで、焚き火くらべ

焚き火の燃料となる枝や実などを気が済むまで集めたら、2台の焚き火台で大人と子どものチームに分かれ、焚き火くらべをすることに。ふだんは大人が薪を組み、火がある程度安定したところで、せいぜい薪を追加するくらいが子どもの出番。

今回ひとまず大人は手出しせず、子どもたちの好きなようにやらさせてみよう、という目論みです。

子どもチーム、どこから手をつける?

まずは、長い枝を焚き火台の大きさに合わせてポキポキと折っていきます。最年少のコウくんが長いまま置こうとしたところ、兄たちが「ちょっと長くない?」と意見を出し、「じゃあ、短くしよう!」とみんなで相談してやりはじめました。小さなことでも工夫できたのは、チームワークの賜物です!

子どもたちだけで考え、ベストな形に着地した枝に火をつけます!方針通り手は出しませんが、ここで大人チームから3つだけアドバイスしました。

【大人チームからのアドバイス】
①細いペラペラなものの方がすぐ火がつくよ。大きいものは火が強くなるよ
②ぎゅうぎゅうに詰めこみすぎるより、スカスカにして、空気の通り道を作るとよく燃えるよ
③火は空に向かって燃えるから、下の方に火がすぐつきやすいものがあると、上に火が移るんじゃない?

習得したばかりのマッチでの点火を試みます。この日は風がとても強くて、マッチ棒についた火を、焚き火台の枝に運ぶ間に消えてしまいます。みんなで一周、二周となんども試しましたが、やはり焚き火台に到着するまで火がもちません。さて、どうする?

「そうだ!風が当たらなければいいんだ!」とカンタロウくん。自分が風防になり、腕を広げて風をさえぎります。しかし、それでもやはりマッチ棒の火はすぐ消えてしまいます。

そこで、大人チームから「座って、焚き火に近づいてみるといいよ」と救いの声が。そうです。燃料のすぐ近くでマッチを擦れば、風に邪魔される前に点火できるかもしれません。

やっと火がつきました!

細かな枝から、勢いよく燃えはじめました。

この日は朝方に雨が降り、枝が少し湿っていたため、もくもくと煙が出てきます。火が弱まったところで、自前の火吹き棒で風を送ると、また勢いよく燃えはじめました。

あたたまれるくらいの、立派な焚き火に育ちました!

モミジバフウ頼り!?大人チーム

「こちらも負けないぞ!」と手慣れた様子で枝を選別する大人チーム。松ぼっくりのように、着火剤の役割を果たしてくれると期待のモミジバフウの実の殻を中心に、ティピー型に組んでいきます。

「どうせなら、見た目もかわいい方がいいよね!」と、何やら楽しそう。無計画に組まれた子どもチームの焚き火と比べて、効率的に燃えるでしょうか?

子どもチームのねばり勝ち…!?

モミジバフウが湿っていたせいか、思うように着火せず、火おこしに苦戦する大人チーム。一方、火力が勢いづいたところで太めの枝を次々に投入し、安定の火力となった子どもチーム。時間差のハンディキャップはあったものの、見事キャンプ場での収穫物のみで焚き火を成功させた、子どもチームの勝利です…!

新しいことを覚え、燃料拾いに歩き回って、お腹がペコペコの子どもたち。お昼ごはんは、タイミングよく熾火となった焚き火台で、パンやおにぎりを焼いて食べました。自分たちでおこした火で、焼いた食べ物は格別です!ママたちは、燃料代フリーで、ちょっと得した気分?

正しい知識で、楽しい火遊びを!

目に見える火は、子どもたちも本能的に危ないと感じやすいもの。任せてもらえる喜びに、注意事項を事前に伝えれば、子どももしっかり守ってくれますよ。「火遊び」には、学びがたくさん詰まっています。夏の花火デビューの前に、冬ならではの焚き火で、ぜひトライしてみてください!

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