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「韓国の大谷翔平」と呼ばれた元二刀流がエース候補に名乗り…監督絶賛の23歳クァク・ビンとは【WBC2023】

  • 2023.2.20
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事実上の先発1番手だ。昨シーズン中も指揮官がしきりに称賛し、選手も所属チームの新たなフランチャイズ・スターに浮上した。そして今や、トップレベルの国際大会でも自身の価値を証明しようとしている。

韓国プロ野球KBOリーグの斗山(トゥサン)ベアーズの新エースにして、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)韓国代表の“マウンドの中核”と期待される投手クァク・ビン(23)の話だ。

クァク・ビンは2月20日(日本時間)、米アリゾナ州ツーソンのキノスポーツコンプレックスで行われたKIAタイガースとの練習試合で3回裏に登板し、完璧なピッチングを見せた。

初WBCに臨む「韓国高校野球の大谷翔平」

 

ファン・デイン(26)、キム・ソクファン(23)、リュ・ジヒョク(29)を三者凡退で退けるも、決めておいた投球数より足りなかったため、ピョン・ウヒョク(22)、ハン・スンテク(28)までも三振に抑えた。

ファストボールも最速148kmを記録し、チェンジアップやスライダー、カーブも駆使した。代表投手陣で選手ごとにコンディションの差が表れるなか、クァク・ビンはコ・ヨンピョ(31、KTウィズ)、コ・ウソク(23、LGツインズ)とともに最高のペースを維持している。

クァク・ビンは試合後、「今回、初めて(昨年)12月からボールを投げて準備を始めた。以前は腕の調子が良くなかったので1月末からキャッチボールに入っていたが、今回は12月にキャッチボールをしながらペースを上げ、上手くペースを引き上げている」と語った。

その一方で、「懸念も多い。今のコンディションに満足せず、少しずつ整えながらペースを上げたい」と付け加えた。

昨シーズンは規定イニングを突破し、自身の名前を確実に知らせた。27試合で先発登板し、147.2イニングを投げて8勝9敗、138奪三振、防御率3.78を記録。斗山の新たな希望となった。

クァク・ビン

そんなクァク・ビンのことを、WBC韓国代表率いるイ・ガンチョル監督もハッキリ見ていた。

イ監督は昨年9月、「ほかの球も含めるとわからないが、速球だけ見ればクァク・ビンはKBOでどの投手よりも優れている。技術委員会が判断してくださると思うが、WBCでの活躍が期待される」と、クァク・ビンの代表入りを後押しした経緯がある。

これをクァク・ビン本人が知らないはずはなかった。彼は「正直、記事は見た。監督が称賛してくださったが、知らないふりをしていた。WBC代表入りが確定するまで生意気になりたくなかったからだ」と笑いつつも、「監督が認めてくださったからこそ、今こうして代表に選ばれた。ただただ感謝したい」と述べた。

WBC公認球との相性も良い。

クァク・ビンは回転数の高い速球とチェンジアップを主な武器とするが、チェンジアップを投げる分にはWBC公認球の方が適していると言う。

「ほかの変化球はわからないが、チェンジアップはボールが少し滑りやすく、(KBO公認球より)もっと抜けやすい感覚がある。今日は(ヤン・)ウィジ先輩の注文通りに投げたが、チェンジアップが上手く落ちる感じを受けた」

目標は17年前のアイドル、パク・チャンホの活躍を再現することだ。パク・チャンホは2006年の第1回WBCで大会最多セーブを記録し、優秀選手に選ばれた。

奇遇にも、クァク・ビンが今回着用する背番号はパク・チャンホも当時着用した「61」だ。

「パク・チャンホ先輩が2006年WBCで投げたあの姿をお見せしたい。当時のWBCを完全には覚えていないが、それでもパク・チャンホ先輩が活躍したことは知っている。何度か映像も見た」とクァク・ビンは声を高めた。

パク・チャンホは2006年WBCで先発、リリーフを問わずオールラウンドに活躍した。リリーフで“必勝組”の役割を果たしたかと思えば先発登板もするなど、韓国のベスト4入りに大きく貢献した。クァク・ビンもレジェンドと同じような活躍を夢見ている。

高校時代は大谷同様“二刀流”で活躍したことから、「韓国高校野球の大谷翔平」とも呼ばれたクァク・ビン。

プロ入り後は投手に専念している“元二刀流”は、「自分にとって今回が初めての国家代表の大会だ。自分もチームメイトたちも皆、良い成績を期待している。リリーフ登板が負担になるかもしれないが、監督の指示があればいつでも投げられるように準備したい」と、パク・チャンホ同様オールラウンドな活躍を披露することを誓った。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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