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侍ジャパンと戦う宿敵・韓国代表の現状は?「まだ“打高投低”」と自国メディアが言い切るワケ【WBC2023】

  • 2023.2.20

国際大会のような短期決戦では“投手力”が戦力の絶対的変数だ。

2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)出場を控えた野球韓国代表は、2月20日(日本時間)にKIAタイガースと練習試合を行った。

初実戦となった去る17日のNCダイノス戦は8-2で勝利していたが、2度目の実戦となった今回のKIA戦も12-6で韓国代表が勝利した。

ただ、韓国代表は「打高投低」がハッキリと表れていた。

投手陣への厳しい評価「決して良い内容ではない」

 

米アリゾナ州ツーソンでキャンプ中の韓国代表は、NC戦を7イニング制、そして今回のKIA戦を9イニング制の正式試合で戦った。

また、投手陣は全員が一人1イニングずつ投げた。レギュラーシーズンであれば継投戦ともいえる内容だ。

ツーソンでの練習試合は、来る3月9日のWBC初戦(オーストラリア代表戦)を照準に進められている。ただ、イ・ガンチョル監督は「ペースが少し遅い選手がいる」と指摘する。

KIA戦は打線が一挙19安打を放ったが、一方の投手陣は9被安打、6失点(自責点5)、9奪三振を記録した。

なかでも左腕イ・ウィリ(20、KIAタイガース)は本塁打、先発ク・チャンモ(26、NCダイノス)は連続二塁打を浴びた。パク・セウン(27、ロッテ・ジャイアンツ)、ウォン・テイン(22、サムスン・ライオンズ)も二塁打を許した。

9被安打のうち5つが長打だった。決して良い内容ではない。ク・チャンモとイ・ウィリはそれぞれ2失点ずつ喫した。イ・ウィリは自責点1だ。

初実戦のNC戦は8被安打のうち長打は1本だった。記録だけ見れば、NC戦に登板した7人の投手の方が、KIA戦の投手よりもやや安定したピッチングをしたとも見れる。もちろん、対戦相手が違うだけでなく、まだキャンプも序盤なだけに、2試合だけで判断してはならない。

NC戦ではキム・グァンヒョン(34、SSGランダース)、コ・ヨンピョ(31、KTウィズ)、ウォン・テインが2奪三振を記録した。一方のKIA戦はクァク・ビン(23、斗山ベアーズ)が唯一2奪三振を挙げた。キム・ウォンジュン(29、ロッテ・ジャイアンツ)は奪三振がなかった。

1イニングのみの投球だったが、2試合連続で投げたのはチョン・チョルウォン(23、斗山ベアーズ)、イ・ウィリ、チョン・ウヨン(23、LGツインズ)、ウォン・テインだった。彼らはいずれも、WBC本大会ではリリーフ登板が予想される投手たちだ。

通常、長期レースが展開される際、序盤は投手の方がペースが速い。そこで「投高打低」現象が現れる。米メジャーリーグでも、ノーヒットノーランを月間別に区分すれば4月がほかの月に比べて多い方だ。

しかし、現在の韓国代表は打者のペースが投手に比べて速い。投手陣はまだペースを引き上げる段階で、レギュラーシーズンのフォームには及ばず、NC戦、KIA戦のいずれも相手打者を圧倒できなかった。

野球韓国代表

実際の球速を見ても明らかだ。

ク・チャンモとキム・ウォンジュンのファストボールの平均球速は140kmで、ウォン・テインは143km、パク・セウン、クァク・ビン、チョン・チョルウォンは145km、チョン・ウヨンは147kmと測定された。シーズン中と比べて2~3km遅い。

クァク・ビンはスライダー、カーブ、チェンジアップと使い分けたなかで、特にチェンジアップが目立った。

現在の韓国代表投手陣で、昨シーズン最も多く三振を奪った投手はイ・ウィリだ。161奪三振で全体4位に入った。154イニングで161奪三振と、イニング数より奪三振数が多い投手の一人だ。20歳のイ・ウィリに期待が大きい理由はそこにある。

宿命のライバル・侍ジャパン(日本代表)との試合の主軸は左腕にならざるを得ない。侍ジャパンのラインナップは、伝統的に左打者が主軸となるからだ。イ・ガンチョル監督がまだ公式発表したわけでもないが、左腕投手が先発し、リリーフも左腕が登板してこそ、ライバル対決のような試合を繰り広げることができる。

韓国代表はまだ「打高投低」だ。

(構成=ピッチコミュニケーションズ)

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