白くまのナヌークのつぶやき。「鮨のこと。」

鮨はいいなぁ。おいしいのはもちろんだけど、完成度の高さも素晴らしい。季節やネタごとに味付けも握る強さも絶妙に変えながら一貫一貫創りあげられていく世界は、まさに上質。単に良質なものが使われているだけでなく、「精巧さ」と「悠然さ」を併せ持っているからこそ、その上質な品格が際立つのかもしれない。料理じゃなく「仕事」と呼ぶところも、料理人じゃなく「職人」と呼ぶところも、どこか伝統工芸や伝統芸能の世界に似てる。その伝統ごと、さあ、いただきます。

絵・文／水野 学

みずの・まなぶ／クリエイティブディレクター。〈good design company〉代表。著書に『センスは知識からはじまる』『世界観をつくる「感性×知性」の仕事術』（ともに朝日新聞出版）。